開催中の「技研公開2004」では、NHK技研のさまざまな技術が公開されている。ここでは、丸めて運べる有機ELディスプレイや、制作した番組をインターネットで公開できる「TV4U」、走査線4,320本の超高精細映像システム「スーパーハイビジョン」などを紹介する。
● 有機ELのフレシキブルディスプレイで“丸めて運べる”を目指す
NHKでは、デジタル放送の発展に伴い携帯電話向け放送サービスなどで屋外でもテレビを視聴する機会が増えていくと予想。今回の公開では、薄くて丸めること目指して、超薄型のフレキシブル有機ELディスプレイや、フィルム液晶ディスプレイををデモンストレーションしていた。
有機ELディスプレイは、従来の液晶と異なりそれ自体が発光するディスプレイ。フレシキブル有機ELディスプレイは、実際に触れる製品も出展されており、来場者は自由に感触を楽しむことができた。なお、デモで動画を表示していた有機ELディスプレイは、アクティブ型有機ELディスプレイで、プラスチック基板の上に白色発光層とカラーフィルターを組み合わせた技術でカラー化している。
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フレキシブル有機ELディスプレイ
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実際に触れるディスプレイも展示されていた
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フィルム液晶ディスプレイは、液晶ポリマーの複合膜をプラスチック基板で挟んだ構造の液晶素子を採用することで、柔軟性を高めたという。簡単な印刷塗布工程で作成できるため、大面積化も可能だとし、会場ではA4サイズのフィルム液晶のデモンストレーションが行なわれていた。
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A4サイズのフィルム液晶ディスプレイ
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丸めて展示されていたサンプル
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● 制作した番組をインターネットを通じて公開できる「TV4U」
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サービス概要
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「TV4U」は、専用の番組制作ツール「TVクリエーター」を利用して、画像やXMLで記述された番組台本などを組み合わせて番組を作成。インターネットを通じてサーバーに保存し、NHK技研が開発した「TV program Making language(TVML)」に変換して配信する。配信された番組は、専用プレーヤー「TVブラウザー」で閲覧できるようになっている。なお、TVMLを利用した番組はすでに「英語でしゃべらナイト」などの一部コーナーなどで現実に放送されている。
会場スタッフによると、「Web上のブログに、インターネットを通じて番組を公開するヒントを得た」という。「現在のところ、コメントやトラックバックなどの機能はないが、今後はコミュニケーション機能の追加する予定だ」としている。
しかし、「誰でも番組を制作できるということは、著作権などの問題も発生しかねない」とサービス提供そのものについては否定的。「実際にサービスを開始するには、著作権以外にも、放送ポリシー上の問題などさまざまな問題がある」としている。
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番組制作ツール「TVクリエーター」
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番組閲覧に必要な「TVブラウザー」
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● 走査線4,320本の超高精細映像システム「スーパーハイビジョン」
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撮影に使用されたカメラ
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7,680×4,320画素でフレームレートが60Hzの超高精細映像システム「スーパーハイビジョン」のデモンストレーションでは、9.8×5.6m(450インチ)のスクリーンに屋久島で撮影したという映像を放映していた。
スーパーハイビジョンは、走査線4,320本の映像システムでハイビジョンの16倍、グラビア印刷並みの高精細な表現ができるという。また、広視野角な映像も特徴でデモの行なわれたスタジオの最前列で視聴した場合、画角は約100度に達するとしている。
なお、撮影には800万画素のスーパーハイビジョンカメラを使用。撮影した映像を16系統のハイビジョンデジタル信号で伝送し、800万画素の専用液晶プロジェクターで映写していた。
NHK技研では、情報量が増えることでリアルさを、広視野角を達成することで臨場感をそれぞれ増加させることができるとしている。2005年3月に愛知県で開催される「愛・地球博」にも出展される見込みだ。
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カメラの説明
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こちらは、ディスプレイ側の説明となる
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関連情報
■URL
技研公開2004
http://www.nhk.or.jp/strl/open2004/
TVML
http://www.nhk.or.jp/strl/tvml/
NHK放送技術研究所
http://www.nhk.or.jp/strl/
( 鷹木 創 )
2004/05/27 19:29
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