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デモシステムの概要
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CEATEC JAPAN 2004では、慶應義塾大学理工学部の中川正雄教授が中心となって推進する「可視光通信コンソーシアム」がブースを出展し、研究内容の展示やデモを行なっていた。
可視光通信とは、現在一般的に使われているLEDによる照明器具にデータ伝送機能を搭載することで、LEDから出る光の点滅や強弱を利用してデータを伝送しようというもの。眼に見える光を利用するためにデータの伝送可能範囲を視認しやすい、電磁波を出さないため人体への悪影響が少ないなどといった特徴がある。一方で照明器具と受信機の間に障害物があるとデータ伝送が困難になるという問題点もある。とはいえ、無線でもミリ波を利用する場合には電波の直進性の関係で同様の問題が発生することから、可視光通信はミリ波通信に代わる次世代通信手段として最近注目が集まっている。
ブースでひときわ目を引くのが、実際に道路上で使われているLEDの三灯式信号機を利用したデモ。今回は信号機の赤のLEDを点滅させてデータ伝送するという機能を追加し、PDAを信号機に向けるだけで「青信号まであと何秒」などといった情報を取得できるデモを行なっていた。LEDが点滅しているといっても非常に高速な点滅のため、肉眼では信号に近づいて目を凝らすと微妙にチカチカしているのがわかる程度で、遠目には点滅していることすらわからない。
今回は屋内でのデモということで信号の輝度を落としたことなどから、通信可能距離は約10m、伝送速度も9,600bpsと控えめな数字。本来のスペックとしては通信可能距離は約50m、伝送速度も数Mbps程度は可能だという。屋外での利用となると降雨減衰や霧などによる影響も気になるが、信号機を利用した渋滞情報の配信、また受光部を付けて双方向化することで道路状況の検知などにも応用が可能だろうとのことだった。
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信号機からのデータを受信するPDA。周辺の信号の状況なども表示できるようになっている
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関連情報
■URL
CEATEC JAPAN 2004
http://www.ceatec.com/
( 松林庵洋風 )
2004/10/06 13:55
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