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イベントレポート
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「100万回線を誇る日本のFTTHは本物」~NTT山田副社長


 NTTが主催する通信技術関連の展示会「つくばフォーラム 2004」が茨城県つくば市で21~22日にかけて開催されている。初日の21日には、NTTの山田隆持代表取締役副社長が「レゾナントコミュニケーションの加速に向けたNTTグループの取り組み」と題して基調講演を行なった。


国内100万回線のFTTHは国際的にも最先端

NTTの山田隆持代表取締役副社長
 山田副社長はまず、NTTの現状としてブロードバンドの加入者数を上げ、特にFTTHで100万回線以上の加入者を獲得している点について、「FTTHで100万加入を突破することは諸外国から感嘆の目で見られている」とコメント。続いてADSLについては、「利用料が低いADSLは厳しい競争だ。安くなりすぎたのかなと思う。今後は品質を重視する方針だ」「あくまで他社の調査だが、ADSLユーザーの70%が機会があればFTTHに乗り換えたいという調査結果も出ている」とし、NTTとしては高品質なFTTHへの移行を推し進める姿勢を示した。

 山田氏によると、日本のFTTHは世界的に見ても十分に競争力を発揮できるという。「光通信は帯域などで優れているが、実際にはファイバの宅内敷設やONUに関する技術や、故障時の対応など技術そのものというより、商用化をしないとわからない点がたくさんある」と100万加入の実績を強調。「徐々にノウハウが蓄積されており、国際的にも評価されている。日本のFTTHは本物」だとした。


FTTHを過保護にしてはならない

 今後さらにFTTHの普及を推進するためには、「FTTHを過保護にしてはならない」と語る。光通信は今まで通信のバックボーンとして主に利用されていた背景があり、そのため「特定の技術者でなければ扱えず、開通にも時間がかかっていた。また、ちょっとした作業でも芯線が傷ついてしまったり、故障から復旧の際も人手が必要だった」という。

 しかし「アクセス回線に光通信を使うFTTHでは、そうした過保護は普及の妨げだ」。NTTではFTTHの導入の手間を軽減するため、「スキルがあれば導入できる『ケアレス化』、さらに進んでスキルがなくとも導入できる『スキルレス化』を目指す」という。曲げに強い光ファイバの開発や、故障時にスタッフの立会いなくして復旧できる無派遣試験技術などの開発が進んでいる。

 また、開通の迅速化も進められており、例えば1週間程度で開通させるために、光アクセス設備選定システム「Plant Allocation System(PAS)」を導入。申し込み時の住所や開通希望日から光アクセス設備を自動的に選別し、申し込みから宅内工事完了までの期間を短縮する。当面の目標は1週間、最終的には即日開通を目指すとしている。


NTTの最新技術を紹介。通信と放送の連携も狙う

 このほか、1芯の光ファイバを複数ユーザーで共用する「PON」(Passive Optical Network)技術についても解説。PONは局舎から加入者宅への光ファイバにスプリッタを挿入し分岐させて複数の加入者宅へ引き込む方式で、「NTTが開発した技術で、FTTHの低料金化に貢献した」という。エンドトゥエンドでイーサネットフレームによる通信を行なう次世代の「GE-PON」(Gigabit Ethernet-PON)に関しても、「まもなく商用化する計画だ」と表明した。なお、GE-PONは、IEEE 802.3ahが6月に標準化した最新技術。1Gbpsの帯域を複数ユーザーで共用する仕様だ。

 また、波長多重(WDM)のアクセス技術にも言及。「WDMは昔は基板単位で提供されて高価だったが、現在はモジュール化され安価になった。研究開発も一気に進んできた」という。現在のPONでは1つの波長を複数のユーザーやサービスで共有しているが、WDMが実現すれば、「ユーザーに1つの波長を割り当てることで、複数ユーザーで光ファイバを共有しつつ、帯域を占有できる。またサービス側に波長を割り当てれば、光ファイバを増設することなくさまざまなサービスを追加できるようになる」と解説。WDMを有効に活用することで、「通信と放送の連携なども実現できるようになるだろう」としている。


関連情報

URL
  つくばフォーラム 2004
  http://tsukuba-forum.jp/


( 鷹木 創 )
2004/10/21 20:31

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