「NTT R&Dフォーラム2005~ひろがるレゾナントコミュニケーションの世界~」では、携帯電話関連の展示も注目を集めていた。
● iモードFeliCa以外にも非接触通信対応の携帯電話を開発中
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デモンストレーションされていたP900iベースの試験端末。miniSDには 「eLWISE」を搭載
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NTTがNTTドコモと開発を進めているという近接非接触通信規格「ISO 14443 Type B」をサポートするFOMAのデモでは、非接触通信による本人認証などが行なわれていた。FOMAの試験端末は、P900iを元に開発されており、NTTコミュニケーションズの非接触ICチップ「eLWISE」を搭載したminiSDカードを搭載していた。なお、eLWISEもISO 14443 Type Bに対応する。
ISO 14443 Type BのICチップは、ソニーが開発した非接触ICカード技術「FeliCa」とは互換性がないため、単純に比較することはできないが、「iモードFeliCaも着実に販売台数を伸ばしており、携帯電話へのICチップ搭載はある程度の需要が見込める」(会場スタッフ)という。miniSDにICチップ機能を搭載することで、大容量で複数のサービスにも対応できるとアピールしていた。
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試験端末を開いたところ
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P900iとの相違点は、裏側に近接非接触通信用のアンテナが搭載されていること
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デモの様子
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● IrDAで4Mbpsの音声伝送が可能に、美術館や博物館でのナビゲーションに利用
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Voice Ubiqueを耳に装着したところ
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IrDAを利用した耳栓タイプのワイヤレス音声受信端末「Voice Ubique」のデモンストレーションも行なわれた。
Voice Ubiqueは、「1bit量子化1bit伝送技術」を採用した音声受信端末。送信側の入力信号を1bitで量子化し、デジタルの粗密信号に変換する。受信側ではCMOSインバータによるアナログフィルタで波形を整形して音声に復元し、SN比70dB、帯域16kHzとFM放送並の音質を実現したという。
大きさは体積が3cc、重さ4gと超小型サイズ。連続使用時間55時間、待受時間は400日。美術館や博物館でのナビゲーションなどの利用を見込んでいる。会場スタッフによると「Bluetoothも考えたが、電力消費の面からIrDAを採用した」としている。
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Voice Ubiqueのイヤホン部
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下の黒い部分にアンテナなどが埋め込まれている
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発信側の端末
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● 第4世代の携帯電話はソフトウェアの書き換えで複数の無線方式に対応できる!?
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展示されていたソフトウェア無線端末
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このほか、再構築型のプロセッサを搭載することで、ソフトウェアを書き換えて無線方式を変更できる端末も展示。IEEE 802.11aに対応した無線LANソフトウェアでの動作を実証したという。
このソフトウェア無線端末は、2001年頃までは基板が複数枚必要な大がかりな端末だった。今回展示されていた端末は、1枚の基板に4つの専用プロセッサを搭載したもの。ただし、制御系にも専用のプロセッサを利用しており、「ソフトウェア無線自体はプロセッサ1個半程度の大きさで実現できるのではないか」(会場スタッフ)とコメント。PDAサイズや携帯電話サイズまでの小型化も可能で、「第4世代の携帯電話に組み込まれることを見込んでいる」と解説した。
関連情報
■URL
NTT R&Dフォーラム2005
http://www.nttrdforum.jp/
( 鷹木 創 )
2005/02/25 15:12
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