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インテル 事業開発本部 工学博士・通信技術担当マネージャーの庄納崇氏
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インテル・デベロッパ・フォーラム(IDF)のワイヤレス・ブロードバンド・ワークショップでは、インテル 事業開発本部 工学博士・通信技術担当マネージャーの庄納崇氏が、IEEE 802.11nの標準化動向について講演を行なった。
IEEE 802.11nは、無線LANで100Mbps以上の高速通信を実現するための規格。庄納氏は「2004年5月に用途やチャネル、基本的な機能といった選択基準が固められ、2004年9月に最初のレビューが行なわれた」との経緯を説明。このレビューでは「TGn Sync」「WWiSE」「MitMot」「Qualcomm」の4つの包括的提案と、28の部分的提案が提示されており、庄納氏は「部分的提案はいずれかに統合するか、お互いに統合し合う必要があった」と説明した。
2004年9月には、提案された技術を標準技術とするかどうかについて複数投票を行なう「low hurdle vote」が行なわれ、この段階では4つの包括的提案がいずれも25%以上を獲得、基準を上回った。この後QualcommがTGn Syncに合流したことで包括的提案は3つに絞られ、2005年1月には3つの中から1つを落とす「Down selection vote」を実施。その結果、Motorolaの提案する「MitMot」が落選した。
2005年3月に行なわれた2度目のDown selectionはTGn SyncとWWiSEの決選投票となり、TGn Syncが最多票を獲得した。続く2005年4月のConfirmation voteでは75%以上の票を得た場合に標準化が認められるが、TGn Syncは75%を下回ったために、現在もIEEE 802.11nの標準化は確定していないという。庄納氏は11nの標準化スケジュールについて「2006年下期から2007年上期になるのでは」との見通しを示した。
庄納氏はインテルが参加するTGn Syncの特長として「2.4GHzや5GHzの帯域を使ったハイスループット」を挙げた。IEEE 802.11gやIEEE 802.11aの最大スループットである54Mbpsは物理層の速度であり、体感のスピードはそれよりも落ちるとした上で、「TGn Syncは物理層とMAC層の上の「MAC SAP」で100Mbpsを超えるスループットを目指しており、同じ物理層であれば140Mbpsを実現できる技術」と補足した。
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IEEE 802.11nの標準化動向
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TGn Syncは物理層とMAC層より体感に近いMAC SAPで100Mbpsを実現
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関連情報
■URL
インテル・デベロッパ・フォーラム Japan 2005
http://www.intel.co.jp/jp/idf/
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( 甲斐祐樹 )
2005/04/07 21:17
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