Linux関連の製品やサービス、テクノロジーを紹介するイベント「Linux World Expo/Tokyo 2005」が東京ビッグサイトで6月1日から3日まで開催されている。会場では、エンタープライズ向けのサーバー製品・サービスを中心に、ネットワーク家電など組み込みOSとしてのLinuxの利用に関する展示や、オープンソースソフトウェア関連の展示などが行なわれている。
● USBブートのシンクライアントOS「Novell SUSE Mini」
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ノベルはシンクライアントOS「Novell SUSE Mini(仮称)」などを展示
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ノベルのブースでは「Novell SUSE Linux OS」を中心とした展示が行なわれており、5月18日に発表されたUSBメモリから起動するシンクライアントOS「Novell SUSE Mini(仮称)」のデモも行なわれている。
Novell SUSE Miniは、USBメモリにNovell SUSE Linux OSをインストールした製品で、PCに差したUSBメモリからOSを直接起動して利用する。搭載アプリケーションはWebブラウザやJava 2 Runtime Environmentなど最小に止め、ネットワーク上のファイルサーバーやアプリケーションサーバーなどと組み合わせたシンクライアント端末として利用する。
USBは読み込み専用(USB-ROM)となっていて、PCに接続されたハードディスクなどは認識されないため、PCからのデータの持ち出しを防ぐ。ノベルとNTTコムウェアでは、情報セキュリティ対策製品の一貫としての利用を想定し、8月頃の商品化を目指すとしている。
● NECは携帯電話用OSとしてLinuxの組み込み例を紹介
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Linuxを組み込みOSとして利用した携帯電話の試作機。H.264の動画を再生しながら他のアプリケーションの動作も可能
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NECのブースでは、大規模サーバーなどのエンタープライズ用途としてのLinuxのほか、情報家電などへの組み込みOSとしてのLinuxの利用例を紹介している。
会場では組み込み用Linux OSの利用例として、複数のCPUを搭載した携帯電話の試作機を展示。携帯端末向け地上デジタル放送を想定したH.264の動画を再生しながら、Webブラウザでページを表示するデモを行なっている。
Linuxを利用するメリットとしては、マルチプロセッサへの対応が容易であるという点を挙げ、携帯電話にもWebブラウザや地上デジタル放送の受信などCPUパワーが必要とされるアプリケーションが増えており、高速のCPUを1つ搭載するよりはある程度のスピードのCPUを複数搭載する方が消費電力の面で有利になるとしている。
● オープンソースソフトウェア関連団体も出展
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「OpenOffice.org 2.0」ベータ版
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このほか会場内には、オープンソースソフトウェアの各種関連団体などによる出展コーナー「.orgパビリオン」が設けられている。
OpenOffice.org日本ユーザー会は、まもなくリリースが予定されているオフィスソフト「OpenOffice.org 2.0」ベータ版のデモを行なっている。OpenOffice.org 2.0では、Microsoft Officeとの互換性を向上させるなど、120以上の機能について追加・改良を行なっている。検証などが順調に行なわれれば、6月中にもOpenOffice.org 2.0の正式版がリリースされる予定だという。
関連情報
■URL
Linux World Expo/Tokyo 2005
http://www.idg.co.jp/expo/lw/
ノベル
http://www.novell.co.jp/
OpenOffice.org日本ユーザー会
http://ja.openoffice.org/
( 三柳英樹 )
2005/06/01 16:32
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