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Microsoftのビル・ゲイツ会長
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東京ビッグサイトで6月29日から7月1日まで開催されている「データウェアハウス&CRM EXPO」と「ソフトウエア開発環境展」の合同セミナーとして、米Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏が「The Magic of Software ~新世代のソフトウエアが描く未来像~」と題した講演を行なった。ゲイツ氏はマイクロソフトの2005年の重要な製品として「Visual Studio 2005」と「SQL Server 2005」を挙げ、この2製品によるソフトウェア開発の容易さなどのメリットを強調した。
ゲイツ氏は、「現在マイクロソフトではセキュリティ技術を最優先課題としており、ソフトウェア開発の分野においてもそれは同様である」と語り、セキュリティ分野への取り組みを紹介。今後のソフトウェア開発においては、ユーザー認証やディレクトリサービス、管理可能なセキュリティポリシーコード、ファイアウォールによる隔離、セキュアなコードを作成する開発ツールの4つが必要となり、開発されるアプリケーション全体をセキュアなものにしていかなければならないと述べた。
ソフトウェア開発の面では、2005年秋にリリースを予定している「Visual Studio 2005」と「SQL Server 2005」を重要な製品として挙げ、この2製品がソフトウェア開発の生産性を向上すると語った。
Visual Studio 2005については「過去最大の改良が行なわれた」として、ソフトウェアの設計、開発、デバッグ、テスト、運用、配置といった一連の流れが全てカバーできるようになったと述べた。ゲイツ氏は「マイクロソフトにとって開発ツールは特に重要な製品であり、会社創立当時に私自身がマイクロソフトBASICを手掛けた頃からそれは変わっていない」と語り、今後はさらに携帯電話用などの特定のアプリケーション向けの開発ツールも提供していきたいとした。
また、SQL Server 2005についても大幅な改良が加えられ、「マイクロソフト社内でも、例えば会計処理のために以前は多数のサーバーを買わなければならなかったが、これがSQL Server 2005の導入により大幅にコストが削減できた」として、性能の向上を強調。XMLをネイティブでサポートすることにより既存のシステムとの接続も容易になり、.NETとVisual Studioとの統合により開発にかかるコストも削減できるとした。
今後については、2006年には次期Officeとなる「Office 12(仮称)」のリリースを予定しており、2005年中にベータ版をリリースするとの予定を紹介。Office 12でもXMLがデフォルトフォーマットとなり、アプリケーション開発の観点からもXMLの相互接続性によりWebサービスなどとの連携が容易に行なえるようになるとした。
ゲイツ氏は、「これからのソフトウェアは、それぞれが孤立したアプリケーションとしてバラバラに存在している状態から脱却しなければならない。ソフトウェア開発においてマイクロソフトが貢献できるのはプラットフォームで、本当のインパクトはその上に構築されるアプリケーションによってもたらされる。日本は米国の次に大きなソフトウェア開発市場であり、革新的なアプリケーションが構築されることに興味を持っている」と述べて講演を締めくくった。
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「Visual Studio 2005」と「SQL Server 2005」の概要
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「Office 12」ではXMLが標準フォーマットに
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関連情報
■URL
データウェアハウス&CRM EXPO
http://www.dwh-crm.jp/
ソフトウェア開発環境展
http://www.sodec.jp/
■関連記事
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( 三柳英樹 )
2005/06/29 16:11
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