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ソフトバンクBBの宮川常務取締役
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WIRELESS JAPAN初日、1.7GHz帯での3Gサービスで携帯事業に参入を目指すソフトバンクより、ソフトバンクBBの常務取締役 宮川 潤一氏が「ワイヤレス市場構造の変革とワイヤレス・ブロードバンドサービス提供におけるソフトバンクの戦略」と題して基調講演を行なった。なお、同講演は当初、代表取締役社長 兼CEOの孫 正義氏が登壇する予定だったが、都合により欠席。宮川氏がスピーチすることとなった。
宮川氏は冒頭、「これまで固定通信をやってきたが、そろそろモバイル事業も提供させていだいて、ユビキタスサービスを展開していきたい。Yahoo! JAPANの立ち上げから10年、これまでブロードバンド事業を粛々と展開してきた。次のステージはモバイル。免許をいただけるのであれば、総合通信会社としてOne Stopのあらゆる通信サービスを提供したい」と語った。
同氏は、無線LANと携帯電話のハンドオーバーの実験を現在行なっていることを明かし、「固定通信とモバイルのシームレスなサービスを提供していきたい。コンテンツを総合的に提供できる会社になっていきたいと考えている」とした。
また、国内の携帯電話事業が、端末からサービスまでを一元的に提供してきた現状を示し、同社はさまざまな企業が参入しやすいオープン参加型にしていくとした。宮川氏によれば、オープン参加型にすることで、「有名ブランドが自社ブランドの端末を提供したり、ゲームメーカーがオリジナルのゲーム機に携帯機能を付けたりできる」という。つまり、固定網、3Gネットワーク、課金プラットフォームなどをソフトバンクBBが受け持ち、端末やサービスについては自由に参入できるというもので、同氏は「より(パソコンの)インターネットに近いもの」とした。
宮川氏の見解では、携帯電話のビジネスは、ユーザーニーズの多用化や複雑化によって、パーソナライズ化にはこれまでのやり方では対応できないという。また、携帯キャリアが少ないことでユーザーに選択の自由がなく、さらに、参入したい企業にとっても障壁が多く容易に参入できない現状だとした。
続いて、新規参入問題についても言及した。「国と訴訟関係になるなどガチャガチャしてしまったが、我々としては使っていないものだったらというスタンスだった。しかし、そうはいっても電波は有限だ。有効利用という意味では、たとえ我々が取得したとしても我々のものとしてはいけない。参入チャンスを提供して一緒に分かち合いたい」と話し、他社とサービスも有効に活用していく姿勢を示した。
「いつでもどこでもブロードバンドライフが実現できるようなインフラを提供したい。家庭・オフィス・移動中のどこでもシームレスに繋がる環境を提供したい」と語った宮川氏は、既存のソフトバンクBBのバックボーンにW-CDMAのネットワークをのせて提供してく方針を説明。ただし、現在実験中だが、「参入に合わせてバックボーンにW-CDMAをのせて提供することは難しいかもしれない」とした。また、「周波数が我々にも割り当てられるのなら」と前置いて、WiMAXについても提供していきたい意向を示した。
講演後には多数の質問が寄せられた。その中で宮川氏は、「モバイルに我々が参入できるとしたら、1~2年後だろう。その頃インターネットはどうなっているか? 当然通信と放送の融合サービスもあるかもしれない。固定で提供できることはモバイルでもやっていきたい」とコメント。また、サービス開始時の端末については、既存の事業者と同じような端末を提供するとした。
新規参入事業者として、ネックとなるのが既存事業者のカバレッジエリアの広さとなるが、この問題について同氏は、「カヴァレッジエリアについては一番おっかなびっくりな所だ。携帯電話サービスが始まった当初とは異なり、現在の携帯電話はライフラインとなっている。昔のPHSの二の舞にはなりたくない。慎重に進めていきたい。ボーダフォンがMVNOをやるという話があったが、ローミングしてくれるならある程度全国にインフラを展開し、届かないところについてはローミングもある」とした。
このほか、参入時期についても言及。同社では2006年中に、まずは3Gのデータ通信サービスを提供し、以降、音声端末などを提供したい考えだ。ただし、「ローミングできるかどうかで音声サービスの提供時期は変わる」との認識も示している。なお、同氏は、番号ポータビリティ制の導入を視野に、既存携帯電話事業者に代わる存在として「メイン端末を乗り換える先になりたい」と意欲を見せていた。
関連情報
■URL
ソフトバンクBB
http://www.softbankbb.co.jp/
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( 津田啓夢 )
2005/07/13 21:28
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