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PDAとヘッドセットを用いる。無線LAN環境下での利用を想定している
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音声認識技術の研究に取り組む音声言語コミュニケーション研究所のブースでは、対訳テキストデータベースを用いた音声翻訳システムのデモを行なっている。
同社の音声翻訳システムでは、マイクに向かって発声されたユーザーの声を認識してサーバー内の対訳データベースでマッチングする。日英・英日の音声翻訳が可能だ。現在は実験段階とのことで、旅行会話における日本語および英語の対訳データベースの構築を進めており、正式提供は未定。
ヘッドセットとPDAを利用するもので、「こんにちは」など音声を発生すると、通話相手が持つPDAから「Hello」と翻訳された音声が出る。PDAには音声と同じ文章も表示される。実際に利用してみたところ、挨拶文などの短かい言葉はうまく認識するものの、周囲に雑音があったせいか、長い文章の認識については失敗するケースも見られた。
参考出展として、ヘッドセットを用いずに音声入力できる、マイクを装着したPDAも展示していた。会場スタッフによれば、PDAから30cm離れた距離で発声しても認識するという。
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PDAには翻訳された音声と同じ文章が表示される
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PDAの外側に8つのマイクが装着。これによりヘッドセットが不要になる
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特許文書翻訳サービス(左)と訳してねっと(右)の翻訳結果。訳してねっとでは「browzing」を「食べている」と誤訳
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また、沖電気では特許文書翻訳サービスのデモを行なっている。同社は2004年に、ユーザーが辞書データを登録することで、翻訳精度の向上を図る翻訳サイト「訳してねっと」を無料公開している。特許文書翻訳サービスを訳してねっと上で有料サービスとして提供する考えだ。サービス開始日や料金は未定。
特許文書翻訳サービスは、英文抄訳が行なわれている日本国内の特許文書テキストを対象として、それぞれから対訳表現を抽出。特許文書に特化した対訳データベースを構築している。会場スタッフによれば、「医学書やISOの文書など、英語と日本語の対訳文書があるものであれば、容易に対訳データベースを構築できる」という。
関連情報
■URL
音声言語コミュニケーション研究所
http://www.slt.atr.jp/slc/
沖電気
http://www.oki.com/jp/
■関連記事
・ 沖電気、ユーザーコミュニティによる辞書で精度向上を目指す翻訳サイト(2004/09/29)
( 増田 覚 )
2005/10/06 17:28
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