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体内伝導音を直接サンプリングする「肉伝導マイクロフォン」。最も正確にサンプリングできるマイクの設置位置は、耳たぶの後ろの顎の付け根、ちょうど気道のそばにあたるという
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ミツミ電機のブースでは、体内伝導音を直接サンプリングする「肉伝導マイクロフォン」をデモンストレーションしている。
“肉伝導”とは聞きなれない名称だが、奈良先端科学技術大学院大学の中島淑貴工学博士が発明した技術で、体内を伝導する音を直接サンプリングするため、通常の空気伝導によるマイクに比べて周囲の雑音の影響を受けにくい。NAM(Non-Audible Murmur:非可聴つぶやき)認識とも呼ばれ、発音された音声だけでなく、無声音のつぶやきも認識できるといった特徴を持つ。
展示されていたのは、大きさ直径16mm、厚さ5mmの円形マイクロフォン。重さは1.2g。最も正確にサンプリングできる理想的なマイクの設置位置は、耳たぶの後ろの顎の付け根、ちょうど気道のそばにあたるという。携帯電話を通じて肉伝導マイクロフォンの音声を聞いたところ、若干こもった印象を受けた。
骨伝導と比べてサンプリングする音声信号が大きいことが特徴の1つだが「体内伝導では高音域が減衰してしまうため、こもった声になる傾向がある」(会場スタッフ)。商品化に際しては、高音域の減衰を補正するチューニングも必要だという。
ミツミ電機では、病気などで発声が困難な場合や周囲に気にせず利用できる入力インターフェイスとして開発が進めており、ハンズフリーの装置や携帯電話向けに2006年内にはサンプル出荷を開始する予定。価格はコンデンサマイクの数倍程度になる見込みだ。
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大きさ直径16mm、厚さ5mmの円形マイクロフォンが展示されていた
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関連情報
■URL
ミツミ電機
http://www.mitsumi.co.jp/
( 鷹木 創 )
2005/10/06 17:50
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