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会場でのデモの模様
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「WPC EXPO 2005」のイニシアのブースでは、ストリーミングサーバー不要の映像配信システム「Clipstream」を展示していた。
Clipstreamは、カナダのDestiny Media Technologiesが開発した映像配信システムで、映像の圧縮はJPEGをベースにした独自のエンコード方式を使用。また、クライアント側の映像再生にはJavaを使用し、サーバー側・クライアント側とも特別なソフトを必要としない点が特徴となっている。
イニシアはClipstreamのアジア圏の総販売元として販売契約を締結。日本語版ソフトを11月末に発売する予定だ。製品は、映像ファイルをClipstream形式にエンコードする「Clipstream Video」と、ライブ映像の配信が可能な「Clipstream Live」の2種類で、価格は両製品とも、個人向けの「Personal」が19,800円、企業向けの「Studio」が69,800円。対応OSはWindows XP/2000。
Clipstream Videoは、MPEGなどのビデオファイルをClipstream形式に変換するソフトウェア。変換したファイルをWebサーバーにアップロードするだけで、クライアント側がファイルをダウンロードしながら再生するストリーミング配信が可能となる。また、低解像度から高解像度まで複数の帯域向けの動画を用意することで、クライアント側が回線速度に応じて再生する映像を自動的に切り替える機能を備える。
クライアント側は再生にJavaを利用するため、JavaがインストールされているOS、Webブラウザであれば再生環境を問わない点も特徴。Internet Explorer、Firefox、Oprera、Safariなど多くのブラウザで再生できることを確認している。また、ビデオを配信する側にはコンテンツ保護のためのセキュリティ機能として、IDの付与による特定ユーザーのみへの閲覧許可や、動画ファイルのローカルディスクへの保存禁止、スクリーンキャプチャーの禁止機能などを備える。
Clipstream Liveは、PCのビデオキャプチャーデバイスで取り込んだ画像をリアルタイムでClipstream形式にエンコードし、リアルタイム配信を行なうソフトウェア。ライブカメラ用途などを想定した製品で、ソフトをインストールしたPCがそのまま配信サーバーとなるため、導入コストが抑えられるとしている。
会場では、Webサーバーからの動画配信と、ライブストリーミングのデモを行なっていた。動画は44kbpsから1,000kbpsまで切り替えが可能で、帯域に合わせて動画のサイズも変更される。動画はシーンの切り替わりなどでややノイズが見られるものの、再生自体はスムーズで、クライアントも快適に動作した。イニシアでは、特別な配信サーバーを必要とせず、低コストで導入できる動画配信システムとして販売を強化していきたいとしている。
関連情報
■URL
WPC EXPO 2005
http://expo.nikkeibp.co.jp/wpc/top.html
イニシア
http://www.inisia.co.jp/
Clipstreamのデモサイト
http://www.inisia.co.jp/semi1000/index.html
( 三柳英樹 )
2005/10/28 19:35
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