「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn」において、講演「Search & Web 2.0」が実施された。米Ask Jeevesのプロダクトマネージメント バイスプレジデントのダニエル・リード氏が、次世代のWeb技術「Web 2.0」における検索の課題などを語った。
● 「欲しい答え」は、検索結果閲覧中にも変わりつづける
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米Ask Jeeves プロダクトマネージメント バイスプレジデントのダニエル・リード氏
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リード氏はまず統計資料を例示しながら、検索がメールと並ぶ利用頻度の高いサービスであることを説明。さらに米国内の人気サイトベスト10のうち、7つのサイトが検索関連で占める事にも触れ、現実的にはもっとも必要性の高いサービスだと指摘する。
「では検索に対する消費者のニーズとは何なのか? それはやはり『欲しい結果が得られる』ことに尽きる」とリード氏。検索キーワード結果の関連性が最重要視される点は、Web創生期から変わらないと述べた。
その一方で、検索精度の向上には困難な課題も見える。現在でも検索結果に関する不満でもっとも多いのが、検索結果が多すぎて閲覧しきれない問題だ。またリード氏は、ユーザーが求める検索結果が、検索結果を閲覧する間にも急速に変化していく点を挙げた。「あるユーザーは一番最初の検索ワードが『図書館』だった。しかし次には『宝石』を。そのすぐ後には『エアホステス』を検索した。検索内容に一貫性がないが、これが現実の使われ方だ」と実例を語り、求められる結果はユーザーの嗜好だけでなく、タイミングによっても変わってしまうと解説する。
● Web 2.0=Mash-Ups(混ぜ合わせる)
これら検索に関する諸課題を技術的な面から解決しようと言うのが「Web 2.0」の思想ともいえる。ただしWeb 2.0の中身は「まだ何も決まっていない。Wikipediaにそう書いてあるように」(リード氏)。まさに今、変異・進化の途中にある概念だという。
ただ、完全には未確定の要素の1つとして、Ajaxなどを活用したユーザーインターフェイスの革新が含まれるのは間違いない。またCGM(Consumer Generated Media)と呼ばれる、ブログなどを用いることで消費者自身がメディア化する方向性もその1つだという。
リード氏がWeb 2.0に含まれると考えるのは「Mash-Ups」という概念だ。APIやSDKを活用して既存のサービスを混ぜ合わせる(Mash-Ups)ことが、利便性の高い新たなサービスを生む。不動産情報にGoogle Maps APIによる地図表示機能を混ぜ合わせた「Trulia」というサイトはその好例だという。
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従来型サービス(Web 1.0)とWeb 2.0的サービスとの対照表
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ユーザーがWebブラウザのどの部分に視線を合わせているかを把握するための研究も行なわれている。写真中で赤が濃い部分ほど、良く見られている部分だという
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● Web 2.0ではシンプルさ・関連性が求められる
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Ask Jeevesで利用できる「binoculars」は、双眼鏡アイコンにマウスを重ねたときだけ、リンク先サイトのサムネイルが表示される
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Ask Jeevesでは、Web 2.0時代に備え、検索エンジン「Teoma」のアルゴリズム強化などに取り組んでいる。日本語版サイト「Ask.jp」でも、キーワードに応じて関連性のありそうなコンテンツを自動表示する機能「一発検索」を搭載した。例えば「テレビ」と入力すると、通常の検索結果に加えて地域のテレビ番組表を表示してくれる。
米国のみで実装されている機能としては、検索結果を絞り込む、あるいは広げるためのキーワードを予測表示する「Zoom in」「Zoom out」がある。また検索結果画面に表示されたアイコンにマウスカーソルを重ねると、リンク先のサムネイル画像を表示する「Binoculars」という機能は人気があるという。これらはいずれも、検索キーワードと検索結果のRelevancy(関連性)を追求した機能だという。
リード氏は最後に「Web 2.0はまだ内容が固まっていないが、ユーザーがシンプルさとRelevancyを求めているのは間違いない。Ask Jeevesもそれに向けて革新していく決意だ」と講演をまとめた。
関連情報
■URL
Ask Jeeves Ask.com
http://www.ask.com/
CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn
http://japan.cnet.com/info/cjic2005a/
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( 森田秀一 )
2005/11/18 19:05
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