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Yahoo! JAPAN「カテゴリ検索は依然として重要、12月にリニューアル」


 「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn」では、ヤフーのリスティング事業部検索企画室長を務める井上俊一氏が講演を行ない、10月に実施したYahoo! JAPANの検索サービスのリニューアルと今後の検索サービスの方向性を説明した。


従来のカテゴリ検索の重要性は変わらず。12月にはリニューアルも

ヤフーのリスティング事業部検索企画室長を務める井上俊一氏
 井上氏はまず、10月に実施したYahoo!検索のリニューアルの概要を紹介した。Yahoo! JAPANに登録されたサイトを優先的に表示していた従来の方式から、ロボットが収集したサイトの検索結果を優先的に表示するように変更した点について、「ロボット検索の精度が向上し、利用者に対しても適切なサイトの紹介がロボット検索で可能になったため」と説明。利用者のニーズが多様化したことなどからも、ロボット検索の結果を優先的に表示する仕様に変更したとした。

 また、リニューアルでは検索のみに特化した「Yahoo!検索」のトップページを新たに公開したほか、検索対象とするサイトの言語指定を37言語に拡張。検索結果のページが中国語と韓国語の場合には、機械翻訳へのリンクを表示するといった変更が行なわれた。

 一方で、リニューアルに伴っては「従来のカテゴリ検索は無くなるのか」「サーファーはいなくなるのか」といった声も寄せられたという。井上氏は「検索結果のページにはカテゴリへのリンクがあり、従来のカテゴリも簡単に見られる。カテゴリのサービスにはまったく変更はなく、サーファーは現在も募集している」と語り、Yahoo!への登録審査を受け付けるサービス「ビジネスエクスプレス」なども従来通り提供していくと語った。

 井上氏は、「(サイトの運営者にとっては)リニューアル前はカテゴリに登録されるとYahoo!の検索結果に出るというわかりやすい構図だったが、表示されるのはトップページだけだった。これがロボット検索に変わったことで、検索結果にはすべてのページが出るようになり、関連性の高いページに直接誘導できるようになった」と語り、リニューアルがサイト運営者に与える影響について説明。一方で、カテゴリに登録されるとトップページがYahoo!から直接リンクが張られることになるため、Yahoo!以外の検索エンジンでも検索結果が上位に表示される可能性が高くなり、SEOの観点からもカテゴリ登録も依然として重要な意味を持つと説明した。

 また、カテゴリについても12月にリニューアルを実施する予定を公表。新たにユーザーが過去に閲覧したカテゴリを表示する「カテゴリ履歴」機能を設けるほか、現在は50音順に並んでいる登録サイトを人気順に並べ替えるソート機能などを搭載する予定だという。


カテゴリ登録の重要性 カテゴリ検索のリニューアル概要

Web 2.0の概念は検索では昔から当たり前

 Web関連の開発者の間で次世代サービスのキーワードとして語られることの多い「Web 2.0」という単語について、井上氏は「昔から検索をやってきた人にとっては、当たり前と思える話も結構入ってる。ただし、そうした考え方を(Web 2.0として)まとめておくことには意義があると思う」として、Web 2.0と検索の関係について語った。

 井上氏は、「検索は始めからロングテールだった。少なくとも、私が検索に携わった7年前にはすでにそうだった」と語り、アクセス数の少ないページの集合体が全体としては大きな割合を占めるという「ロングテール」の概念を説明。また、「検索は始めからマイメディアであり、検索は始めから『人が作ったコンテンツ』のデータベースであった」として、Web 2.0に含まれるとされる概念の多くが、検索の分野では昔から当然のものとして受け止められていたと語った。

 さらに「検索はずっとベータである」として、検索サービスには「これが正解というゴールがなく、常に改善が必要とされている」と説明した。改善には「関連性」「網羅性」「新鮮度」「表示」「信頼」といった基準があり、実際のトラフィックを用いた絶え間ない改善を続けているとした。

 現在の検索サービスに足りないものとしては、ユーザーが適切なキーワードをうまく発見するための方法や、過去に閲覧したことがあるサイトにもう一度たどり着くのをサポートする機能、インデックスやランキングに対する利用者側からのフィードバック、検索結果として表示される多数のサイトから適切なものを選び出す信頼できるフィルタリング機能といった要素を提示した。

 こうしたことから、Yahoo!検索の今後は「情報を探す」から「個人の知識・知恵を共有する」方向に向かうと説明し、自分の検索結果を管理する「パーソナルサーチ」や、それらを知人や同僚と共有する「ソーシャルサーチ」といったサービスを提供してきたいとした。例としては米Yahoo!がベータ版サービスとして提供している「My Web」を挙げ、自分の検索履歴の保存や、興味を持っているキーワードの知人間での共有といったソーシャルネットワークの機能を紹介した。


Webサービス開発者に向けてYahoo!のAPIを11月末に公開

Yahoo!デベロッパーネットワークの概要
 また、Webサービスの開発者に向けては、Yahoo!のサービスをプログラムから利用できるAPIを提供する「Yahoo!デベロッパーネットワーク」を11月末に開始することを公表した。当初は、提供されるAPIはWeb検索、画像検索、動画検索といった検索分野に限られるが、今後はさまざまなサービスのAPIを提供していき、広く利用を推進していきたいと語った。


関連情報

URL
  Yahoo! JAPAN
  http://www.yahoo.co.jp/
  CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn
  http://japan.cnet.com/info/cjic2005a/

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Yahoo! JAPAN、検索結果をカテゴリ検索からロボット検索中心にリニューアル(2005/10/03)


( 三柳英樹 )
2005/11/18 21:20

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