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「顧客情報を切り口に業容を拡大できる」と語るNTT Comの和才社長
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「NTTグループ コミュニケーションEXPO」で21日、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)代表取締役社長の和才博美氏が、「ITがもたらすビジネスモデル/ライフスタイル変革」と題した基調講演を行なった。
和才社長は、携帯電話ユーザーを含めるインターネット利用者が1億700万人に上ることを挙げ、インターネットが他のサービスに大きな影響を与えていると指摘。その影響として、固定電話や新聞の加入数のほか郵便物の取扱いなどが減るなど、個人のライフスタイルが変わりつつあると述べた。
また、ブログやSNSが普及したことによりコミュニケーションの多様化が進み、趣味や嗜好に応じたコミュニティが形成されるようになってきたと分析。その結果として、商品の購入を検討するユーザーは、「どの商品がよいか」とコミュニティ上で相談することで仲間からアドバイスを得られるようになり、「企業から見ると顧客が賢くなってきている」と語った。
さらに、従来の「人」「物」「金」に加えて「情報」の流れが変わると予測。こうした状況下では、情報を発信できる個人が主役になるとして、「企業は個人との関係を意識しないと商売は成り立たない時代になるのでは」との考えを示した。和才社長は、「企業はネットを活用したビジネスモデルの構築が迫られる」として、インターネット型ビジネスモデルを紹介。NokiaやIBMに代表される「アウトソーシング型」、アスクルなどの「専業/共同型」、アマゾンやネット証券などの「ネットワーク特化型」、楽天などの「商流サポート型」、ヤフーやグーグルなどの「ポータル/ナビゲーション型」の5つのタイプに分類した。
これらのインターネット型ビジネスモデルでは、「顧客との接点をどう持つか」が重要だという。具体的には顧客データベースを構築することで、それまで不可能だった顧客の特定が可能になり、「見えない相手との戦い」から脱却できる。和才社長はデルを引き合いに出し、「もともとはPCのみを販売していた企業が、顧客を把握することで無線LAN機などの周辺製品を取り扱うようになった」として、顧客情報を切り口に業容を拡大した例を紹介した。そのほか、顧客が求める商品情報を提供する手段として、ブログの評価を把握することや、キーワード広告を表示する検索エンジンも重要であると指摘した。
最後に、ライフスタイルを変革させるものとして「ユビキタス」を挙げ、電力線通信(PLC)が導入されて家庭内LAN環境が整備されれば、ユビキタスが大きく変わるとコメント。これにより、可処分時間が2~3時間程しかないビジネスパーソンでも、ダウンロードした映画を通勤時間に閲覧できるとした。和才社長は、「これらかのユビキタスは、個人の可処分時間を増やせるサービスをどれだけ提供できるかが勝負」と語った。
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ブログやSNSの普及により、個人の影響力が高まってきている
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インターネット活用ビジネスを5タイプに分類
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関連情報
■URL
NTTグループ コミュニケーションEXPO
http://www.ntt.co.jp/expo2005/
( 増田 覚 )
2005/12/21 18:17
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