「2006 International CES」最後の基調講演となる6日16時からは、Googleの共同創設者であるラリー・ペイジ氏が登場、Googleのサービスコンセプトや新サービスなどを紹介した。
● さまざまなデバイスがつながるための標準化が重要
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Stanleyとともに登場
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ラリー・ペイジ氏
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他の基調講演では、CESを主催するCEA(全米家電協会)のゲイリー・シャピロ会長兼CEOの紹介を受けて講演者本人が登場するのが通例だが、ペイジ氏の登場は他とは一線を画したもの。スクリーンに「Google Earth」をイメージした映像が映し出され、映像が基調講演の会場であるラスベガス・ヒルトンに到着すると、ペイジ氏ステージ上の自動車後部に登場した。
「こんなにたくさんのカメラに囲まれるのは初めて」と講演を切り出したペイジ氏は、一緒に登場した「Stanley」を紹介。ロボットによる無人操縦でネバダ州の砂漠約212kmを完走するレース「DARPA Grand Challenge」で完走したした5台のうち、1位を取ったのがこのStanleyだという。
ペイジ氏は車での登場にちなみ、「今度考えているサービスは、車の中からボタンを押すとファーストフードが買える“Google ファーストフード”」というジョークを繰り広げつつ、フォルクスワーゲンと共同開発しているというダッシュボードを紹介。Google Earthのデータをベースとして経路情報を表示するという製品で、同時に携帯電話向けの「Google Local for Mobile」も紹介された。
続いてペイジ氏は、CESのメインテーマである家電製品について言及。CESでは数多くの家電製品が展示されているが、各製品を相互に接続することはできない。これに対して電源のコードは、どのコンセントでもつながり、給電できる。ペイジ氏は「こうした接続の標準化は非常に重要だ」とコメント。データ伝送や音楽、映像、さまざまなプロトコルの標準化が必要だと訴え、「そうした標準化を作りあげていこう」と呼びかけた。
また、標準化の一例としてメールとメッセンジャーの違いを説明。「メールは誰にでも送れるが、メッセンジャーはソフトが違うとコミュニケーションできない」とし、同社のメッセンジャーソフト「Gtalk」をアピール。AOLをはじめとして多くのメッセンジャーと相互接続性があるほか、BlackberryやNokiaといった携帯電話向けのGtalkも紹介した。
ペイジ氏が標準化のほかに問題として挙げたのが、PCを利用したインターネットを利用できる環境は、世界的に見ればまだまだ限られるということだ。ペイジ氏は、「インターネットにアクセスできるのは世界の15%で、アフリカからはほとんど使えない」とし、「これを解決するための1つの策として、100ドルのPCを1億台、世界中の子供たちに配りたい」というプロジェクトを発表した。
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フォルクスワーゲンと共同開発中の「Google ダッシュボード」
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Google Earthのデータを元に経路情報を表示する
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携帯電話向けの「Google Local for Mobile」
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世界の子供達に100ドルのPCをプレゼントするプロジェクト
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● 「Google VideoStore」「Google Pack」など新サービスを紹介
「ここで話が変わるが」とペイジ氏は、PCソフトの問題について言及。「先日プリンタを購入した際にソフトウェアをインストールしたが、本当にインストールが必要なソフトだったのかは疑問。また、ウイルス対策やブラウザなど、ソフトウェアの最新環境を維持することも大変になっている」とし、新サービス「Google Pack」を披露した。
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Google Packのデモ。専用ツール「Google Updater」をインストールすると利用できる
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Google Upadterでさまざまなツールを自動インストールできる
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続けてペイジ氏が、「人間の脳を借りるGoogle新サービスのプロトタイプを紹介する」とコメントするとステージは暗転し、頭部にパーツを装着したロビン・ウィリアムズが登場。ペイジの質問に強烈なジョークで答えるというパフォーマンスが繰り広げられた。
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「人の脳を借りた検索システム」のプロトタイプを見せるというペイジ氏
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現われたのはロビン・ウィリアムズ。「ファイアウォールって何?」「コンドームのようなものさ」とジョークを繰り広げた
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CBSのレスリー・ムーンベスCEO
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ペイジとロビン・ウィリアムズによるジョークの応酬に続き、スクリーンには「Google Video」が紹介された。ペイジ氏はGoogle Videoを「非常に優れたツールで、毎日新しいコンテンツがアップロードされている」と評価した上で、「多くのコンテンツプロバイダーはビデオを作るコストが高い。コストを抑えながらユーザーにも見る方法を提供することが重要だ」とし、「Google VideoStore」を発表した。
Google VideoStoreは、コンテンツプロバイダーがGoogle Videoで動画コンテンツを販売できるサービス。コンテンツは毎日3,000以上が追加され、同時にリリースされた専用プレーヤー「Google Video Player」で再生する。コンテンツ提供者にはSONY BMGやNBA、CBSなどが名を連ねており、会場には元NBA選手でNBA番組のアナウンサーを務めるケニー・スミスやCBSのレスリー・ムーンベスCEOが登場。ムーンベスCEOは「CBSは最も歴史のあるメディアであり、Googleは毎日メディアの歴史を塗り替えている存在。この2つがタッグを組むことは非常にすばらしいことだ」と賛辞を送った。
講演の最後には、こちらも基調講演には珍しく質疑応答の時間が設けられ、再び登場したロビン・ウィリアムズとラリー・ペイジ氏が会場からの質問に答えた。Google VideoStoreのコスト構造については「基本はレベニューシェアだが、ほとんどはコンテンツプロバイダーの取り分で、我々は負担したコストを回収する程度」と説明。また、VideoStoreのコンテンツ販売エリアは基本的に国ごとで制限されるが、「いずれは世界に向けて販売できるのではないか」との考えを示した。
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Google VideoStoreの提供コンテンツ
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CBSでは「サバイバー」など人気番組も配信
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Google VideoStoreのデモ画面
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NBAの試合映像も配信
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■URL
2006 International CES(英文)
http://www.cesweb.org/
Google Packニュースリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/pack.html
Google VideoStoreニュースリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/video_marketplace.html
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( 甲斐祐樹 )
2006/01/10 15:38
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