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グリー山岸氏やはてな川崎氏と語る「これからのSNSとブログ」


 イベント「梅田望夫がブロガーと語る『ウェブ進化論』」第2部のテーマは、「これからのSNSとブログについて」。パネリストにはSNS「GREE」を運営するグリーの山岸広太郎氏、はてなの川崎裕一が出席し、梅田氏と議論を展開した。第1部と同様、第2部の内容も梅田氏のブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」でPodcasting配信されている。


クローズゆえに「Googleに検索されない」ことがSNSの特徴

梅田望夫氏
 梅田氏はブログとSNSについて「ブログはオープンでSNSはクローズドなところが決定的な違い」と語った上で、「Web 1.0の最後のアプリがSNSだと思う」との自説を披露。「クローズだからコメントもつきやすく、未知の人がGoogleからやってくることもない。オープンが良い悪いの話ではなく、そこに明確な違いがある」と語った。

 これに対してグリーの山岸氏は「米国では、Googleが検索できない唯一のエリアとしてSNSが認知されており、投資の対象としてもGoogle以外ではSNSだろう、という話もある」とコメント。梅田氏の「Googleの対象外となる時点で、ビジネスモデルが広告か会費しかないのでは」という質問に対しては「まさにSNSはロングテールしづらいビジネスモデル」と認めた上で「逆にロングテールよりもヘッド型の方が売り上げは大きいのではないか。そこは考え方の違いだろう」と説明した。

 一方、はてなの川崎氏はロングテールを重要視。「はてなダイアリーのキーワードページは15万ページ近いが、その1つ1つのPVは微々たるもので、大きくても万単位。それをまとめると会社として何とか成り立っている」とし、はてなを「検索エンジン経由でユーザーに来てもらうオープン前提のモデルでないと成り立たない、ロングテールという尻尾ばかり食べている会社」と評した。


「MS以来のプラットフォームであるGoogleを中心にビジネスが展開」

グリー取締役兼副社長の山岸広太郎氏
 はてなの社外取締役を務める梅田氏は、ビジネスの面から「SNSはきちんとやれば確実に儲かる感じがあるが、はてなのやっていることはどうなるかわからない」としつつ、「やってみないとわからないからこそ面白く、一緒に新しいものを生み出していきたい」との考えを披露。「ハイリスクなことはわかっているが、ハイリターンかどうかがわからない残念なポジションだ」と付け加え、会場の笑いを誘った。

 10年後の収益モデルを司会の橋本氏がグリーの山岸氏、はてなの川崎氏に尋ねると、山岸氏は「今は限りなく100%広告で、これがしばらくは柱になる」としつつ、「ユーザー数が増えればコンテンツマッチングやキーワードマッチング型の商品もできるだろう」と回答。はてなの川崎氏は「今はAdSenseやAmazon、楽天などを使った巨大なアフィリエイターがはてな」との実情を説明した上で、「今後ははてな内での広告展開も考えていきたい」とした。

 梅田氏は「GoogleはMicrosoft以来のプラットフォームであり、Google、Amazon、eBay、Yahoo!の4社がインターネットのセカンドディケイドの中核という世界観を持っている」との持論を踏まえた上で、「Microsoftの周りにOracleやアプリケーションの会社があったように、この4社だけがうまくいくのではなく、その周りにいろいろなものができるはず」と指摘。「そういう時代の流れに合ったビジネスモデルを志向している誰かはうまくいくだろう。その1つとしてはてなは面白いのでは」と語った。


Web 2.0の未来はIPOか吸収か

はてな取締役副社長の川崎裕一氏
 Web 2.0を標榜する企業の未来を橋本氏が尋ねると、梅田氏は「小さなIPOか列強吸収か、といったところしか見えていない」と回答。「米国ではベンチャーキャピタル(VC)が出資する際に、企業の最終目的を『どこかに買収される』と言わなければお金がもらえない」との事例を挙げ、「VCからお金を集めるとどこかに買収されるしかないということになる。このため、はてなではVCからお金を集めていない」とコメント。「VCからお金を入れるとスピードが規定されてしまうが、その期間で結果が出せるという確信が持てない」とした。

 橋本氏が「Googleの次となるものは何か」と梅田氏に質問すると、「予想は非常に難しく、会社かどうかもわからない」と回答。「一番面白いのはオープンソースだが、そうしたオープンソースやP2Pのような仕組みを会社にできるのかという確信が持てない」との考えを示しつつ、「会社ではなく、単なる分散型のソフトが単に便利と言う形になって、そうして産業がなくなっていくのかもしれない。そういう大きな変化がない限り、Googleのようなセカンドディケイドのプラットフォームは強固だと思う」と述べた。


関連情報

URL
  My Life Between Silicon Valley and Japan
  http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/

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( 甲斐祐樹 )
2006/02/08 20:00

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