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松下ブースでは、ホームネットワーク技術「HD-PLC」をデモ
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国内法規に従って配線している
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モーターや電源システムなどエレクトロニクス・メカトロニクスの要素技術が一堂に会す展示会「TECHNO-FRONTIER 2006」(主催:社団法人日本能率協会)が幕張メッセで19日から21日まで開催されている。
松下電器産業のブースでは、建物内の電灯線を使って最大190Mbpsのデータ通信が行なえるホームネットワーク技術「HD-PLC(High Definition ready high speed Power Line Communication)」のデモンストレーションを行なっていた。
デモは3月にドイツで開催された「CeBIT 2006」と同様のものだが、国内では初めての展示となる。3月末に米国で発売されたHD-PLC対応Ethernetアダプタ「BL-PA100」を2台利用し、サーバーのノートPCから電灯線を介してHDTVに24Mbpsの高精細映像を伝送していたほか、HD-PLC対応ネットワークカメラからの映像をノートPCで受信していた。
デモで利用していた電灯線ネットワークには、コンセントの差し込み口が2つずつある電源タップを7つ設置。そのうち、2つの差し込み口にBL-PA100を、ほかの2つの差し込み口にHD-PLC対応カメラを接続していた。ノートPCからHDTVへの伝送デモでは、1m程度の伝送路ということもあって目立ったノイズもなく滑らかな映像を配信。また、2台のHD-PLC対応カメラから送信されるの最大1Mbps程度の映像もノートPCで問題なく再生できていた。
HD-PLCでは独自の変調方式「Wavelet OFDM」を採用し、4~28MHzの周波数帯を用いている。会場のスタッフによれば、回線速度は実測で40~70Mbps程度。条件がよければ90Mbps程度を記録したこともあるとのこと。ただし、コンセントの差し込み口に一部携帯電話の充電器などを差し込むと、ノイズにより速度が低下する恐れがあるという。
すでに米国で販売されているBL-PA100の価格は2台セットで199ドル、1台では129ドル。法制度が整い次第、国内での販売も予定しているが、「国内向けには、法制度にあわせて若干機能を追加するため米国版よりも価格が上がる可能性がある」としている。なお、松下によれば、今回のデモは「国内法規に従って配線している」という。
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3月末に米国で発売されたHD-PLC対応Ethernetアダプタ「BL-PA100」
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後部には電源コネクタとEthernetポート
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上部にはセットアップボタンを装備
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BL-PA100の基板
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デモで利用されたノートPC。ネットワークカメラの映像を表示しているほか、HD映像を配信するサーバーとして動作していた
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配信されたHD映像。ノイズも目立たず、滑らかだった
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HD-PLC対応のネットワークカメラ。スタッフによると、試作機で発売するとすればデザインなどを変更する可能性があるという
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関連情報
■URL
TECHNO-FRONTIER 2006
http://www.jma.or.jp/tf/
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( 鷹木 創 )
2006/04/19 15:35
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