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日本レジストリサービスの森下泰宏氏
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「Interop Tokyo 2006」で7日夜に開催された「DNS operators BOF」において、「日本DNSオペレーターズグループ(仮称)」の発足が宣言された。発起人は、KDDIの石田慶樹氏を代表とする9名の有志。BOFでは、発起人を代表して日本レジストリサービス(JPRS)の森下泰宏氏がプレゼンテーションを行なった。
日本DNSオペレーターズグループは、DNSオペレーター間の連携の場を形成することと、DNSにかかわる横断的かつ全体的な連携を形成することを主な目的としている。これは、年々重要性を増すDNSに関して問題点や解決策、新しい動向などを共有するための、所属組織にとらわれないようなコミュニティが必要だというインターネット技術者の要望に応えるものだ。
森下氏は、「DNSは世界で唯一成功した分散型のデータベースであるため、その成功に乗るようにSPFやDKIM、RFIDといった重要な情報が次から次へとDNSに依存しようとしている」と説明。こうなると、DNSがインターネット上で提供されるサービスの多くの要素に絡むようになり、「もっと幅広い、横断的かつ全体的な連携が必要になる」という。DNSは従来の名前解決の役割にとどまらず、DNSの応答速度や信頼性がインターネット上の他のサービスに対してより大きな影響を及ぼすようになるわけだ。
しかし、それだけ重要になったDNSの管理・運用について、「DNSのオペレーターの連携をオープン参加で草の根的に図るような動きは、これまで海外においても日本においてもほとんどなかった」(石田氏)という。今回の動きは「OARC(Operations Analysis and Research Center for the Internet)が主催する『DNS operations Pre-NANOG meeting』とほぼ同時期に開催され、しかも独立に計画された」として、主体的に生まれたものだということを説明した。
当初の活動としては、メーリングリストでの議論やWebでの情報公開、「Internet Week」などのイベントに同期した形での年数回程度のオフラインミーティングなどが計画されている。石田氏は「こういう場でコンセンサスが得られたことが重要。オープンかつ参加者が会社を背負わなくてよい形で運営していきたい」とした。
参加資格は特に定めない。想定している参加者は「DNSに興味があったり、重要だと思っている人や、DNSオペレーターを自称する人、DNSについて一家言ある人、DNS関連の機器を開発したり売ったりしている人など」(森下氏)。BOFの会場ではその後、ブートストラップメンバーとしてメーリングリストへの登録希望者が募られ、多くの参加者が申し込んでいた。
日本DNSオペレーターズグループに関する詳細は、近日中にオープンするWebサイトで公開される予定だという。また、JANOGなどの関連するメーリングリストでも案内するとしている。
関連情報
■URL
日本DNSオペレーターズグループ(近日中にオープン)
http://dnsops.jp/
OARC(英文)
http://public.oarci.net/
DNS operations Pre-NANOG meeting(英文)
http://public.oarci.net/dns-operations/workshop-2006
Interop Tokyo 2006
http://www.interop.jp/
( 渡 俊夫 )
2006/06/08 21:50
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