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米Symantec会長兼CEOのジョン・トンプソン氏
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シマンテックは2日、パートナー企業向けの年次カンファレンス「SymantecVision2006」を開催した。米Symantec会長兼CEOのジョン・トンプソン氏やシマンテック代表取締役社長の木村裕之氏らが「安心できるIT社会の実現に向けて」というテーマで講演し、同社の製品群や技術基盤の優位性をアピールした。
トンプソン氏は、不特定多数を標的としていた情報セキュリティの脅威が、特定の企業や個人を狙うようになってきたと指摘。「高度な技術を駆使するのではなく、フィッシングやスパムメールでユーザーを騙すことで、個人情報や金銭を詐取する事例が急増している」と分析した。サービスを提供する企業に対しては、「ユーザーが恐怖心を持たずにオンライン取引・決済できる環境を整えることが重要」と呼びかけた。
企業を取り巻く脅威は、ウイルスやスパム、情報漏洩などさまざまな脅威が発生している。そのため、これらの脅威を防ぐには単一製品では不十分で、いくつかの製品を統括する必要がある。その際、複数のベンダーの製品を組み合わせることも可能だが、シマンテック製品で標準化することで、「製品が動作するハードウェアの選択肢が増えたり、従業員への教育が一度で済む」などと、シマンテック製品を導入する利点を訴えた。
同社では、情報セキュリティの脅威を発見・分析する「セキュリティレスポンスセンター」という組織を世界数カ国に設置している。トンプソン氏は、「シマンテックには、情報セキュリティの最新動向を把握する洞察力がある」と語り、こうした技術基盤をもとに、全世界で1,000人以上のセキュリティコンサルタントが、顧客の環境にあわせたソリューションを構築していると強調した。
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シマンテック代表取締役社長の木村裕之氏
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木村氏は、国内でベリタスソフトウェアとの法人統合が完了した2006年4月以降のシマンテックの活動を紹介。最近では、個人向けにセキュリティ対策製品「Norton Internet Security 2006」「Norton Confidential」「Norton 360」などを発表。法人に対しては、データセンター向け製品群「Data Center Foundation」や法人内PC向けセキュリティ製品のほか、11月2日にはWindows Server上で稼働するバックアップ製品「Backup Exec 11d」の提供を開始した。
これらの製品群の一部は、ソリューションサービスというかたちでも提供されている。個人向けには、ISPとの協力による月額課金制のセキュリティサービスや、ソフトバンクモバイルの携帯電話向けのセキュリティサービスなどを提供。Norton 360をリリースした際には、オンライン経由のバックアップサービスも手がける予定だ。法人向けでは、社内のPCやゲートウェイを監視するサービスを展開している。
同社の技術基盤としては、東京にも拠点がある「セキュリティレスポンスセンター」のほか、企業のセキュリティ機器のログデータを監視・分析する「セキュリティオペレーションセンター」を紹介。後者は、米国や英国など限られた地域で展開しているが、今後日本でも開設する予定だという。さらに、東京・赤坂の本社にある「ジャパンエンジニアリングセンター」では、シマンテック製品導入前に、ハードウェア製品との認証試験を実施。木村氏は、「海外と国内の良い点を兼ね合わせることで、質の高いサービスを提供している」と話した。
最後に木村氏は、「安心できるIT社会の実現は、シマンテックの使命。これを達成するためには、強力なパートナーシップが欠かせない」と訴え、カンファレンスに出席した50社以上のパートナー企業に感謝を表わすとともに、協力を呼びかけた。
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ベリタスソフトウェアと統合後のシマンテックの活動
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製品の技術を用いたサービス
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関連情報
■URL
SymantecVision2006
https://jp-enterprisesecurity.symantec.com/product/sv2006/
( 増田 覚 )
2006/11/02 16:42
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