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富士通の秋草直之代表取締役会長
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「ITU TELECOM WORLD 2006」で5日、「Managing our changing digital lifestyles」と題するセッションが開催された。富士通の秋草直之代表取締役会長が講演し、ICT(Information and Communication Technology)が社会に与える影響などを語った。
秋草会長は冒頭、「現実の社会にあるヒト、モノ、カネ、情報を反映したものがデジタル社会」と定義し、現実社会が整備されることで、デジタル社会の技術革新も促進されるとした。そのため、ICTが適切に現実の社会を反映しないと、ICTを用いたシステムは使われなくなると語った。
その一方で、現実社会をマッピングしていたこれまでのICTは、現実の社会のあり方や人々の考え方を変える力を持つようになってきたと指摘。具体例として、放送と通信の融合を挙げ、ICTが現実社会に与えた影響を示した。秋草会長は、「現実社会に変化をもたらすICTが、企業や国家の競争力として求められている」と訴えた。
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ICTシステムは、現実社会をマッピングする
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ICTは現実社会にも影響を与えつつある
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10年前と現在のインターネット環境を比較
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ICTが大きな影響を持つようになった要因としてはインターネットの普及を挙げ、10年前と現在のインターネット環境を比較。世界のインターネット人口は、4,500万人から10億人に急増したほか、10年前は閲覧するだけだったWebサイトが大半を占めていたが、現在では自分の意見を発信できるWebサイトが増えたため、「消費者は自己主張するようになり、従来のICTとは異なる新たなパラダイムを作った」。その結果、携帯電話やブログなど消費者が活用するサービスを反映した「コンシューマオリエンテッド」なICTが求められ、企業のフロントオフィスやバックオフィスのシステムも変化しつつあるとした。
秋草会長は、「交通や放送、自動車、家電など、あらゆる産業の製品やサービスは、業界の枠を超えてICTと密接に関係する」と強調。「あらゆるものがネットワークに接続する時代では、リンクすることの効率よりも、リンクすることのリスクが発生する」と、セキュアな環境を提供するICTの必要性を掲げ、ネットワークの脅威に対して自ら防御したり修復するノンストップのシステムが求められると訴えた。
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ICTは他の産業とも密接に関わっている
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あらゆるものがネットワーク接続する社会に求められるもの
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関連情報
■URL
ITU TELECOM WORLD 2006(英文)
http://www.itu.int/WORLD2006/
( 増田 覚 )
2006/12/05 18:25
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