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イベントレポート
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MozillaやMSのブラウザ担当者がユーザーと直接ディスカッション


「Mozila 24」で行なわれたWebブラウザベンダーとユーザーによるパネルディスカッション
 9月15日から16日にかけて、Mozillaが主催する24時間イベント「Mozila 24」が開催された。Mozilla 24は、世界にまたがるMozillaの活動は24時間途切れることなく続いているということをアピールするイベントとして、9月15日正午から9月16日正午まで24時間連続で、慶應義塾大学三田キャンパスなど複数の会場を結んで開催された。

 主にユーザー体験型イベントなどが行なわれた東京・九段のベルサール九段会場では15日に、Webブラウザベンダーの担当者を招き、「ドキッ! 丸ごとウェブ!! ブラウザだらけの討論大会~Chatでユーザのポロリもあるよ~」と題したパネルディスカッションが開催された。

 パネルディスカッションには、Mozilla Japanからは中野雅之氏と金井玄氏、マイクロソフトからはInternet Explorer(IE)の担当者として、マイクロソフトディベロップメントの五寳匡郎氏、マイクロソフトの渡辺弘之氏と原田英典氏が出席。また、Opera Softwareの市川恵貴氏は海外出張のためビデオメッセージによる参加となり、ブログ「TERRAZINE」を運営するTERRAZI氏などOperaのユーザーが出席。このほか、W3CのMichael Smith氏と芦村和幸氏などが出席し、主に会場やチャットによる参加者からの質問に出席者が答える形で討論が行なわれた。


Webブラウザベンダーにユーザーからの要望が相次いで寄せられる

会場の参加者のほか、チャットとストリーミングによる参加者からも多くの要望や意見が寄せられた
 登壇者や参加者からは、マイクロソフトの担当者と話が直接できる機会ということもあって、IEに関する要望や質問が多く寄せられた。最初に挙がったのは、Mac OS版IEの開発予定についての質問だったが、マイクロソフトとしては現時点では開発再開の予定はないが、要望が多く寄せられれば検討したいとした。

 アップルが「Safari」のWindows版を開発していることについては、マイクロソフトの原田氏は「他のブラウザと同様に脅威だと思っている」と説明。現時点ではSafariは日本語対応が十分でないなどの問題があるが、OS標準以外のWebブラウザの選択肢が増えることは望ましいと考えているとした。

 また、SafariについてMozillaの金井氏は、Safariのレンダリングエンジンである「WebKit」が開発者の人気を集めている点に注目しているとして、「Mozillaも軽いコアエンジンを開発中だが、さらに頑張らなければいけないと思う」とコメントした。

 IEはOS標準であるために当然シェアは高くなるが、Mozillaはシェアについてはどのように考えているかという質問に対しては、「PCに標準でFirefoxが入っていればいいのにという意見もあるが、MozillaとしてはユーザーがFirefoxを選んでくれて、インストールしてくれることが一番嬉しい」とした。また、この点についてOperaユーザーからは、「Operaは様々な環境で使えることを基本方針としており、既に携帯電話やゲーム機でOperaが使えるように、利用環境が広がっていけば、将来的にはOperaが勝つという見通しではないか」という意見が挙がった。

 Windows Mobile版のIEでタブ機能の対応はありうるのかという質問に対しては、マイクロソフトディベロップメントの五寳氏が「他のチームがやっていることなので詳しいことは言えないが」と前置きした上で、「現在のWindows Mobile版のIEは少し前の(PC用)IEをベースにしているが、次のバージョンではもう少し新しいIEをベースにするのではないか」という見通しを述べた。

 セキュリティ面については、「Firefoxはセキュアだという売り文句も当初あったが、海外のサイトなどでは未修正の脆弱性が残っていることが挙げられており、オープンソースの優位性が十分に活かされていないのではないか」という質問が挙がった。これに対してMozillaの金井氏は、脆弱性の対応チームはCERTなど多くのサイトを確認しているが、指摘のあったサイトについて教えてほしいと回答。また、Mozillaの中野氏は、「開発中のコードに対して脆弱性が指摘されるケースもあり、そのあたりはオープンソースならではの問題だが、オープンであればこそ修正されている部分もある」とした。


新機能やWeb標準への対応は「次期IE」で

 これまでに実装したかったけれどもできなかった機能は何か、という質問には、マイクロソフトは「具体的な機能について詳しくは言えないが、デベロッパーやWebデザイナーに対するコミュニケーションは不十分だったと思う」と回答。現在、次のバージョンのIEに向けて意見を集約しており、日本からも多くの意見を集めたいとして、プログラムへの参加を呼びかけた。

 また、CSSなどのWeb標準を正しくサポートしてほしいという要望に対しては、「Web標準に対する考え方は、IE開発チームの中でもだいぶ変わってきている」として、現行のIEでは対応は難しいが、次期IEではCSS 2.1などのWeb標準を積極的に対応していきたいと説明。「誰も使わないものを実装するのはあまり意味がないと思う」という発言に対しては、「実装しなければ誰も使えないのでは」という反論が挙がったが、「全部に対応するのはなかなか大変だが、まずはユーザーの声を集めていきたい」とした。

 IE7の自動更新についても質問が挙がり、当初は2007年第3四半期の予定だったが、2008年以降に延期した理由については、「IE7に少し変更を加えるような予定があるため」として、今後情報を出せるようになり次第すぐに発表するので、それまで待ってほしいとした。

 Web標準への対応については、「独自仕様での拡張よりも、まずは標準への対応を優先してほしい」「独自仕様でなく、速度やUIなどの部分で競争してほしい」といった意見が多く挙がった。これに対しては、「独自仕様を完全に無くしてしまうのは成長をストップさせることになる。独自仕様が完全に悪だとは思わない」といった反論なども挙がり、標準と独自仕様という問題についての議論が盛り上がりを見せた。

 イベントとしては時間の都合もあり、定刻でパネルディスカッションは終了となったが、24時間イベントということもあってMozillaやマイクロソフトの担当者は「朝まで会場にいるので、意見や要望を寄せてほしい」と表明。会場の参加者とチャットなどを通じて、意見の交換が行なわれていた。


関連情報

URL
  Mozilla 24
  http://www.mozilla24.jp/
  プログラム概要
  http://www.mozilla24.jp/program/kudan/b3.html


( 三柳英樹 )
2007/09/18 14:38

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