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イベントレポート
【 2009/06/12 】
ひろゆき氏&夏野氏が講演「日本のネットは決してダメじゃない」
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携帯ゲーム機のような見た目のNGN対応回線品質測定器
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ISAO、IPデータキャストを利用したサービスイメージを展示
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【 2009/06/11 】
アナログ停波後の周波数帯域を利用したマルチメディアサービス
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日テレが「ニュース検索API」などを紹介、国内の地上波放送局初
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UQ Com田中社長、高速&オープン志向「UQ WiMAX」のメリット語る
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主催者企画コーナーでは「ServersMan@iPhone」のデモも
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国内初のデジタルサイネージ展示会、裸眼で見られる3D映像など
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【 2009/06/10 】
CO2排出量が都内最多の地域、東大工学部のグリーンプロジェクト
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IPv4アドレス枯渇で「Google マップ」が“虫食い”に!?
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UQ Com、7月の有料サービス開始に向けて「UQ WiMAX」をアピール
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「Interop Tokyo 2009」展示会が開幕、今年はひろゆき氏の講演も
[14:53]

アニメとのコラボで新市場を、JAM2007で「やわらかアトム」など披露


4日から7日に秋葉原UDXで開催されたJAM2007
 経済産業省と日本動画協会は4日から7日まで、東京・秋葉原でアニメコンテンツを活用した新しいビジネスモデルの見本市「Japan Animation Contents Meeting 2007(JAM2007)」を開催した。会場では、Flashアニメ「やわらか戦車」と「鉄腕アトム」を融合したFlashアニメ「やわらかアトム」など、日本のアニメ素材を活用したアイディア・商品を募集する「アニメ・チャレンジオーディション」の審査を通過した出品物などが展示された。

 アニメ・チャレンジオーディションは、「鉄腕アトム」「新世紀エヴァンゲリオン」「妖怪人間ベム」など、日本動画協会会員企業が著作権を持つアニメの素材を開放し、制作者では気づかない新たな発想をクリエイターから募集することが狙い。ただし、アニメ素材を活用する権利はJAM2007出展のみに限定され、実際に商品化する場合は、版権元と交渉する必要がある。


名作アニメとコラボ、USBメモリから備前焼まで

 企業のイメージキャラクター制作などを手がけるプラネット・プランターは、USBメモリの端子部分を顔に見立て、ラバー素材またはプラスティックで作られるUSBメモリのボディ部分にデフォルメしたアニメキャラクターをプリントした「Mr.ウスビ」を出展。「鉄腕アトム」「ブラックジャック」「機動警察パトレイバー」などに登場するキャラクターを使用した。

 このキャラクターUSBメモリは、本体部分とキャラクターボディを取り外すことが可能。そのため、「ボディ部分のみをカプセル自動販売機で安価で別売りするなど、コレクター心をくすぐるような販売方法も考えられる」(同社企画・コンセプトメイクの佐野知恵子氏)という。また、USBメモリ内にプロモーションのデータなどを内蔵すれば、イベントPR時の販促品としても注目度が上がるとしている。


「Mr.ウスビ」の概要 「ブラック・ジャック」のキャラクターを使用した商品例

 備前焼とフィギュアのコラボレーション作品「きゃらBIZEN」は、宮崎駿氏に師事した経験を持つ糸曽賢志氏のアニメ「コルボッコロ」をモチーフにした。出展者の小島裕氏によれば、釉薬(うわぐすり)を使わない備前焼には、「備前の水がめ、水が腐らぬ」「花を活かすは、備前もの」など、水がきれいになるということわざが知られており、「実用性を兼ね備えたエコフィギュア」とアピールしている。

 「外国から見た日本は、1,000年以上の歴史を持つ備前焼のようなメインカルチャーよりも、フィギュアをはじめとしたサブカルチャーの印象の方が強い。きゃらBIZENは、『備前焼のフィギュア』というフォーマットの汎用性と市場性を活かして、新旧の日本文化を合体して世界に発信していきたい。」(小島氏)

 日本語字幕の付いていないDVDに聴覚障害者用字幕を表示するサービス「web-shake 字幕をつけ隊!」を提供するキュー・テックは、絵コンテとDVDを同期させる「絵コンテリンク」を出展。絵コンテには、キャラクターの演技や台詞、ナレーション、カメラワークなどの説明が書き込まれているが、今回の展示では「鉄腕アトム」絵コンテ本を見ながら、歓声アニメーションを同時に視聴できるデモを紹介していた。


備前焼とフィギュアのコラボレーション作品「きゃらBIZEN」は、糸曽賢志氏のアニメ「コルボッコロ」をモチーフにした 絵コンテとDVDを同期させる「絵コンテリンク」

鉄腕アトムとやわらか戦車のコラボ「やわらかアトム」を初披露

「鉄腕アトム」と「やわらか戦車」のコラボで誕生した「やらからアトム」 (C)手塚プロダクション/ラレコ・ネトアニ
  このほかJAM2007では、「鉄腕アトム」とのコラボレーション企画として誕生した「やわらかアトム」を初披露。これまで退却しかできなかったやわらか戦車が、空中を飛んで前進できるようになり、「お茶のジミ博士」や「お茶の水ベイベ」らとともに、敵から街を守ろうとするFlashアニメが公開されている。

 やわらか戦車は、クリエイターのラレコ氏が1人で制作し、インターネット上で公開したFlashアニメ。ブログなどで取り上げられ人気が広まり、文化庁が主催した「日本のメディア芸術100選」のエンターテインメント部門で1位を獲得している。戦車にもかかわらず戦闘を好まず、「生きのびたい」という思いから後進しかできないことが特徴だ。


「やわらか戦車」シリーズで初めて空中を飛んだ (C)手塚プロダクション/ラレコ・ネトアニ 「お茶のジミ博士」も登場 (C)手塚プロダクション/ラレコ・ネトアニ

手塚治虫が生きていれば「かちかちアトム」も生まれていた?

「顔出しNG」のラレコ氏は、声のみの出演
 7日には、やわらか戦車の作者であるラレコ氏と手塚プロダクション著作権事業局局長の清水義裕氏らがトークショーを行ない、やわらかアトムの開発秘話などを語った。

 ボイスチェンジャーを通して声のみで出演したラレコ氏は、これまで後進しかできなかったやわらか戦車が、鉄腕アトムとのコラボレーションにより空中を飛べるようになったと説明。実際には、空中でも後進するキャラクター設定を検討したものの、「絵にならなくて格好悪かった」という理由から、やわらか戦車シリーズでは初めて前進するようになったという。

 ラレコ氏によれば、やわらかアトムは、「鉄腕アトムのように敵を倒すことを夢見ている」が、従来のやわらか戦車シリーズと同様に戦場から退却するシーンで幕を閉じる。この点についてラレコ氏は、「やわらか戦車的な世界観をやわらかアトムで展開しても問題なかったのか」と清水氏に質問。清水氏が、「それを決めるのは私ではなく来場者の方々。楽しんでもらえればいい」と答えると、会場からは大きな拍手が起こる一幕も見られた。

 やわらか戦車をプロデュースするファンワークス代表取締役の高山昇氏は、手塚治虫さんが生きていたら、今回のコラボレーションにどのような反応を示したかを尋ねた。これに対して清水氏は、「(手塚さんは)常に自分がナンバーワンでありたい人。きっと今頃は(やわらかアトムに対抗する)『こちこちアトム』を作っていたかもしれない」と話して会場を笑わせた。

 最後に清水氏は、「JAMは1回だけで終わっては意味がない。世の中に出るための最初の一歩として、有名なキャラクターやストーリーを借りたいというクリエイターや技術者の方々が、今後もふるって参加してもらいたい」と述べ、来年以降もJAMを継続して開催していきたいと訴えた。


手塚プロダクション著作権事業局局長の清水義裕氏 ファンワークス代表取締役の高山昇氏

関連情報

URL
  JAM2007
  http://www.jam-anime.jp/


( 増田 覚 )
2007/10/09 11:43

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