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ネットは子供も使っている、大人はそれを意識して情報発信を

内閣府の担当者が“青少年ネット規制法”について講演

内閣府青少年インターネット環境整備推進室・参事官補佐の内藤新一氏
 モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)は2日、「官民が目指す青少年のインターネット環境整備の方向性」と題したセミナーを開催した。「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(青少年インターネット環境整備法、いわゆる“青少年ネット規制法”)が1日に施行されたことを受け、内閣府青少年インターネット環境整備推進室・参事官補佐の内藤新一氏が講演し、同法の概要を説明した。

 同法では、18歳未満の者が「青少年有害情報」を閲覧する機会を最小化することを基本理念の1つとしており、インターネット接続サービスを提供する携帯電話・PHS事業者に対して、利用者が18歳未満の場合、保護者からの申し出がある場合を除いてフィルタリングサービスの適用を義務化。また、ISP(契約者数5万件以上の事業者)に対しては、利用者からの求めに応じてフィルタリングサービス/ソフトを提供するよう求めている。

 また、Webブラウザを搭載するPCやゲーム機などのメーカーに対しては、フィルタリングサービス/ソフトの利用を容易にする措置を講じる義務が課せられている。これは、ウイルス対策ソフトなどと同様に、フィルタリングソフトも例えば試用版などがプリインストールされている必要があるということだ。

 なお、同法における「青少年有害情報」とは、「インターネットを利用して公衆の閲覧(視聴を含む)に供されている情報であって青少年の健全な成長を著しく阻害するもの」(第2条第3項)とだけ定義されている。法律の審議段階で、国が一律に決めるべきものではないとの議論があったことを受けた結果だが、犯罪行為の請け負い・仲介・誘引、自殺の誘引、著しく性欲を興奮させたり刺激する情報、殺人や処刑、虐待など著しく残虐な描写などが「例示」として挙げられている(第2条第4項)。


サイト運営者には広く「青少年閲覧防止措置」の「努力義務」

 これら事業者だけでなく、一般の個人にも影響してきそうなのが、「特定サーバー管理者」に対する「努力義務」だ。

 「特定サーバー管理者」とは、「インターネットを利用した公衆による情報の閲覧の用に供されるサーバー(特定サーバー)を用いて、他人の求めに応じ情報をインターネットを利用して公衆による閲覧ができる状態に置き、これに閲覧をさせる役務を提供する者」(第2条第11項)と定義されている。すなわち、Webサイトの運営者が広く該当する。

 「特定サーバー管理者」は、「その管理する特定サーバーを利用して他人により青少年有害情報の発信が行われたことを知ったとき又は自ら青少年有害情報の発信を行おうとするときは、当該青少年有害情報について、インターネットを利用して青少年による閲覧ができないようにするための措置(青少年閲覧防止措置)をとるよう務めなければならない」(第21条)。

 「青少年閲覧防止措置」の具体的な方法としては、1)有害情報の削除、2)年齢確認を行う会員制サイトへの移行、3)フィルタリングと連動するような措置――というものが考えられる。サイトの内容や運営形態などにより、とりうる措置が異なるため「努力義務」になっているという。

 ただし、情報そのものを削除してしまった場合は、青少年だけでなく、成人からも閲覧できなくなってしまうといった問題がある。年齢確認を行う会員制への移行については、クレジットカード決済などを導入している有料サイトならば可能だが、無料サイトなど運営形態によって困難な場合もある。

 また、フィルタリングとの連動については、「PICS(Platform for Contents Selection)」を活用したレーティングがあるという。サイト運営者が、例えば性的情報などを含むことを示すラベル情報をタグとしてHTMLファイルに埋め込むことで、閲覧者側がそれに基づいてそのページを表示するかどうか設定できる仕組みだ。内藤氏は理想的な方法だと説明するが、サイト運営者側にも利用者側にも浸透していないため、レーティング手法の策定と普及の必要があるとした。

 内藤氏によると、「特定サーバー管理者」は営利サイトかどうかを問われないため、企業から個人まで含まれ、「インターネットで情報発信する人に広く努力義務が及ぶ」と説明。「現在は、インターネットは大人のためだけのものではない。子供も利用していることを意識して、大人は情報発信していかなければならない」と訴えた。


関連情報

URL
  セミナー概要
  http://www.ema.or.jp/seminar/index.html

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( 永沢 茂 )
2009/04/03 13:18

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