7月1日に発売された「インターネット白書2004」(7,140円)の中から、注目されるデータを3回にわたって紹介している。3回目となる今回は、ネットショップの運営状況についての調査結果。
● ネットショップの6割が主力店を楽天に開設、自社独自サイトを上回る
同白書では今年初めて、ネットショップの運営について本格的な調査を実施している。EC団体の協力を受け、各団体に加盟するネットショップ運営者などを対象に5月21日から28日にかけてWebアンケートを行なった。
その結果、まず開店歴では、回答した390社のうちで開店から3年未満のショップが合計45.8%あった。これらは2000~2001年のインターネットバブルを機に参入した“新世代”のショップだという。それ以前に参入していた3~8年未満の“ミドルショップ”(51.8%)や8年以上の“ベテランショップ”(2.3%)と完全に拮抗する勢力となったとしている。
運営形態については、ショッピングモールへ出店中のショップが79.0%に達した。これに対して、なんらかの独自運営店を持っているショップは48.4%に止まっており、モール店しか持たないショップが30%前後あると推測されている。さらに、どのサイトが主力店かを尋ねる設問では、自社独自サイトを主力店として挙げたショップが36.7%だったのに対して、楽天の店舗を主力店としたショップは60.5%に及んだ。これは、Yahoo!ショッピング(0.8%)やビッダーズ(1.3%)などの他のモールにも大きな差を付けている。
● 集客手段としてサーチエンジン最適化(SEO)が定着
ネットショップが行なう集客手段としては、やはり「会員登録してもらった人へのメールマガジンの配信」が最も多く81.3%に達したが、次いで「SEO」を実施しているショップが61.0%あり、「今やこの用語と手法はすっかり普及したことがうかがえる」としている。3位はキーワード広告の「Googleのアドワーズ広告」で34.9%。同じキーワード広告で7位に入った「オーバーチュア」の13.3%を大きく上回った。
一方、実際に投資対効果が高い集客手段として挙げられたのは、「会員登録してもらった人へのメールマガジンの配信」が38.0%、「SEO」が34.8%と並んでおり、SEOが高く評価されていることがわかる。これに対して、3位に入った「Googleのアドワーズ広告」は6.9%、5位に入った「オーバーチュア」が2.9%となっており、キーワード広告に対しての評価は低い。導入障壁の高さと広告費の割高感があるためではないかとしている。
● 月商100万円未満が4割を占める一方で、年商10億円以上のショップも
売上高を見ると、月商100万円以上を達成しているショップは57.4%で、41%は100万円未満に止まっている。年商でも100万円未満としたショップが7.4%あった。その一方で、年商10億円以上を売り上げる“メガショップ”も1.3%ほど登場している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.impress.co.jp/info/release/pages/20040629.htm
「インターネット白書2004」商品概要
http://home.impress.co.jp/reference/1948.htm
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( 永沢 茂 )
2004/07/15 18:39
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