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ソニー「nav-u」の小さいカーナビ使ってみました<徒歩・自転車編>

連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」特別編2

 ソニーのPND(ポータブルナビゲーションデバイス)「nav-u」シリーズの最新機種「NV-U3C」について、前回は「基本機能編」としてスペック面を中心に紹介した。今回も引き続き、ナビゲーションなどの機能面をチェックするほか、同製品のセールスポイントでもある徒歩や自転車での使い勝手についてもレポートする。


ナビゲーション中にスポット検索を呼び出せる「最寄検索」

nav-u「NV-U3C」ホワイト
 「NV-U3C」の経路探索はなかなか速い。スポットを選んで「ここへ行く」をタッチすれば、それほど待たずにすぐに探索が行われてルートが示される。ルートが示された状態で「探索条件」をタッチすると、「推奨ルート」「一般道優先」「有料道優先」「一般道距離優先」の4つのパターンから条件を選べる。経由したい地点があれば、その地点を表示させた状態でツールバーの「地点」をタッチして、「ここに立ち寄る」をタッチすれば、すぐにその経由地を含めた新たなルートが作成される。

 ナビゲーション中は交差点の名称まで読み上げてガイドしてくれる。交差点によっては方面看板や実際の交差点の風景も表示される。さらに首都高速などの入口の拡大表示機能や、ハイウェイマップの表示など、フルナビと同等の機能も搭載されている。

 ツールバーの「地点」のメニューにある「最寄検索」も使いやすい。これはルート案内中に最寄りのスポットをすぐに検索できる機能で、「ジャンル」「名称」「ガイドブック」といったカテゴリからの検索のほか、「コンビニエンスストア」「ガソリンスタンド」「駐車場」と、ドライブ時に探す頻度の高い項目を直接並べているので、これらのスポットを少ない手順ですぐに探し出せる。


VICSに非対応なのが残念

交差点にさしかかると右側に拡大画面が表示される
 ナビゲーションで不満に思うのは、トンネルに入ると位置の精度が甘くなる点だ。「NV-U3C」には自律航法機能が搭載されていないので、トンネル内では自車位置を特定できない。それを補うために、トンネルに進入した時点の速度をもとに自車位置を更新する「POSITIONアシスト」という機能が付いているのだが、トンネル内が渋滞していたり、トンネルの距離が長かったりすると、現在地を見失ってしまう場合がある。

 「nav-u」シリーズの従来機種は、ジャイロセンサーや気圧センサー、加速度センサーを組み合わせた「POSITION plus G」という機能が付いていたのだが、本機では省かれてしまった分、衛星が捕捉できないトンネルや高架下などでの精度が落ちている。もちろん「POSITIONアシスト」の機能すら無いPNDに比べればマシだが、「POSITION plus G」と比較するとやはり今ひとつだ。

 ナビゲーション時に感じたもう1つの不満は、VICS(道路交通情報通信システム)の情報を受信できない点だ。従来機種は別売りのVICSビーコンユニットを追加することで光ビーコンや電波ビーコンから交通情報を受信できた。もちろん渋滞を迂回するルートの探索も可能だったのだが、これらの機能が「NV-U3C」では使えない。都市部など混雑するエリアで使う人や、渋滞の多い週末にドライブで使用することが多い人にとっては、VICSの有無は大きな違いとなるだけに残念だ。


さらに進化した「徒歩モードプラス」

 少し辛口なことを書いてしまったが、「NV-U3C」にはこれらのマイナスポイントを補うだけの大きな魅力がある。それは抜群の携帯性だ。車載用のクレードルから外して手に持ち、歩きながら使うと、本製品の良さがよくわかる。

 「NV-U3C」には、通常のカーナビゲーションモードのほかに「徒歩モードプラス」が用意されている。これは従来機種の「徒歩モード」を進化させたもので、選択すると地図上のアイコンが人の形になり、一方通行などの交通規制を解除したルートを表示する。つまり徒歩や自転車に適した、一方通行に左右されない最短のルートがわかるわけだ。さらに歩行中の低速時の移動でもヘディングアップ(進行方向が上)で表示できるようになったことに加えて、地図の回転機能も搭載された。

 実際に本機を持ち歩きながら街を歩いてみたが、薄型でポケットやジャケットの内ポケットにもスッと入れられるので、かさばらず軽快に使えた。何よりもウォームスタート(概略軌道情報を持つ場合の起動)が速いので、使う時だけ電源を入れるようにすれば、バッテリーも節約できる。地図の回転機能も使い勝手がよく、地図帳の本をグルグルと回しながら見る癖のある人には最適の機能だ。なお、徒歩モードはツールバーのメニューから「徒歩モード終了」をタッチするか、シガー電源コードと接続すると自動的に終了する。


上部から見ると薄さがわかる。上がスイッチボタン 徒歩モード時はアイコンが人型に変わる

自転車用クレードルも用意

 この「徒歩モードプラス」をさらに活用するために、新たに純正オプションとして発売されるのが、自転車用クレードル「NVA-BU1」だ。これは自転車のハンドルバーに取り付けられるクレードル。ハンドルには付属の六角レンチでネジ止めする方式なので、車載用と違って「ピタッと吸着」というわけには行かないが、あらかじめ取り付けておけば本体は簡単に脱着できる。

 取り付けにあたっては、ハンドルバーを挟み込むアーム部にクッション材を貼り付けて太さを調節できるようになっており、22~24mm、24~26mm、26~32mmと3種類のクッション材が用意されている。また、これでも合わない場合のために、厚さの異なる2種類の調整シートも同梱されている。クレードルと本体との固定はしっかりしたものだが、使用にあたっては脱落防止のために、本体にハンドストラップを付け、これをハンドルバーに巻き付けることが推奨されている。


自転車用クレードル「NVA-BU1」。取り付けクッションが3種類付属する 「NV-U3C」本体に、「NVA-BU1」を取り付けた状態

ブラケット部を本体に付けたまま(左)、アーム部(右)と分離可能 ブラケット下部の突起を合わせ、上部をパチンとはめ込むだけで本体に固定できる

ブラケット部の角度は、丸いボタンを押しながら調整する 「NVA-BU1」を介して、自転車に「NV-U3C」を搭載した状態

 実際に自転車に取り付けて走ってみたが、視認性はかなり良好だ。ブラケットの高さの調節範囲も広く、見やすい位置に自由に合わせられる。画面には移動速度も表示されるので、スピードメーターとしても使用可能だ。

 少し不便に感じたのは、徒歩モードにすると通常モードとは異なり、交差点が拡大表示されないこと。また、徒歩モード中はルート編集や保存ルートの呼び出し、2D/3Dマップの切り替え、ルートシミュレーションなどの操作が不可になる。徒歩モードではマップマッチング(GPSデータに地図情報を加味して現在地を補正する機能)を使用しないので、それが原因でこのような制限があるのかもしれない。

 なお、本製品は防水ではないので、山の中などアウトドアでの使用や、長時間のツーリングでの使用には少し辛いだろう。自転車用ナビとしてはかなり便利な機能が揃っているので、ぜひ防水・防塵・耐震モデルの発売を期待したい。


「PetaMap」との連携で情報量アップ

地図サイト「PetaMap」と連携が可能
 このほか「nav-u」では、PCと接続することで、ソニースタイル・ジャパンが運営する地図サイト「PetaMap」から情報を転送できる。また、「nav-u」で登録したマークをPCに転送して、PC上で編集した後、再び「navu-u」に転送することも可能だ。地図やガイドブックのバックアップやファームウェアの更新、地図の更新なども行えるし、メモリースティックデュオに記録した静止画を表示する機能も付いているので、デジタルカメラで撮影した画像もすぐに閲覧できる。

 VICSに非対応な点だけは惜しいが、「NV-U3C」の実売価格は3万円台前半と従来機種よりも大幅に安い。これは国内メーカーのPNDの中でもかなり低価格で、初めてナビを購入しようと思っている人も手を出しやすい価格と言える。

 フルナビのサブとして購入するのにも手頃だし、透明な防水ケースなどに入れればバイク用としても使えそうだ。また、画面が小さいので、旧車ユーザーがナビの存在感をできるだけ小さくしたい場合などにもオススメだ。しかも本機には、「徒歩モード」などフルナビにはない機能も搭載されており、車を降りた後も使える。こうした点に価値を見出せる人には、かなりお得なPNDと言えるだろう。


関連情報

URL
  「nav-u」製品情報
  http://www.sony.jp/nav-u/
  PetaMap
  http://petamap.jp/
  趣味のインターネット地図ウォッチ バックナンバー
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/chizu/

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( 碓氷 貫 )
2009/05/28 10:56

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