● 小型化と省電力化が図られた最新PND
低価格のPND(ポータブルナビゲーションデバイス)に注目が集まる中、国内ブランドの中でも人気なのがソニーの「nav-u」だ。同シリーズは2007年に発売されて以来、小型化および多機能化、そして低価格化を図りながら進化し続けている。そんな中、今年の4月に発売された最新機種が「NV-U3C」だ。
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nav-u「NV-U3C」シルバー
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nav-u「NV-U3C」ピンク
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nav-u「NV-U3C」ホワイト
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同製品はエントリーモデル「NV-U3」の後継モデルとして位置付けられており、上位モデルの「NV-U3V」に搭載されていたワンセグ機能などが省かれている。シンプルな機能に徹して本体の小型化や省電力化を図り、徒歩や自転車などでの使い勝手も追求した同製品は、実売3万円台前半と低価格を実現しており、これまでカーナビを持っていなかった人にも最適だ。シルバー、ピンク、ホワイトと3色あるカラーバリエーションの中から、今回はホワイトの実機をお借りできたのでレビューしよう。
● 画面サイズが3.5V型に小型化
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ボディカラーはツートンで、ホワイトカラーの裏側は明るめのグリーン
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従来モデルと最も大きく違うのは、その画面サイズだ。「NV-U3」および「NV-U3V」は4.8V型画面だったのが、本製品は3.5V型とひとまわり小さくなっている。その分、本体のサイズは106×78×17mm(幅×高さ×奥行)と小型化・薄型化。重量も、「NV-U3」は250g、「NV-U3V」は280gだったのが、「NV-U3C」では157gと大幅に軽量化された。小型化と薄型化を実現するにあたってはアンテナサイズも小さくしなければならなかったが、従来は本体の背面に配置していたのを上部の天面に移動させたことにより、「NV-U3」と同等のGPS受信感度性能を維持しているという。
実物を手に取ると、かなり小さい。重さも大きめの携帯電話くらいなので、携帯性は格段に上がっている。バッテリーの持続時間も、従来は通常モードで2時間、省電力モードで3時間だったのが、本製品では通常モードで4時間、省電力モードで5時間と2倍近く向上している。これだけバッテリー持続時間が長ければ、カーナビとしてだけでなく、徒歩や自転車で移動する際のハンディナビとしても十分使えるだろう。
なお、入出力端子は、メモリースティックデュオのスロットのほかはUSB端子があるだけだ。PCと接続すればPCからの給電で充電可能で、付属のACアダプターにつなげば、PCが無くても充電できる。また、本製品からはシガーソケットがDC24Vにも対応し、トラックや業務用の車両で使えるようになった点にも注目したい。
● クレードルの取り付けはワンタッチ
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車にセットした状態。上が「NV-U3C」で、下は5.8型液晶のCDナビ
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衛星の捕捉中の画面。地図下に状況が表示される
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車への取り付けは、CMでもおなじみで実に簡単だ。ダッシュボードにクレードルを取り付けて本体を装着し、あとは電源コードをシガーソケットに接続すればOK。クレードルの吸盤は「ピタッと吸盤」と呼ばれるもので、取り付けてレバーを回すだけで簡単に固定できる。これなら別の車に乗せ替えるときも、クレードルを別に買い足すことなく、クレードルごと移動させてもそれほどストレスにならないだろう。
電源をONにすると、すぐにGPSの測位が開始される。起動時のコールドスタート(概略軌道情報を持たない場合の起動)には、都内で建物が密集した地域ではやや時間がかかるが、開けた場所ならそれほど待たない。特筆すべきは、ウォームスタート(概略軌道情報を持つ場合の起動)の速さだ。ONにすると、速いときは1秒ほどですぐに現在地を示すので、徒歩などでONとOFFを頻繁に繰り返すような場合は重宝する。
また、「設定」メニューの中の「測位情報」を選ぶと、GPSの捕捉状況とともに緯度や経度などの細かい位置情報も確認できるので、本連載の第1回で紹介した「ジオキャッシング」の道具としても使えるだろう。
● タッチセンサーで操作できる地図画面
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拡大・縮小画面。ノースアップとヘディングアップの切り替えボタンも表示される
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街中の詳細地図。一方通行などの細かい情報も掲載されている
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地図画面はコンパクトながらも非常に見やすい。右下に縮尺表示のボタンがあり、ここをタッチセンサーで押すと縮尺切り替え画面になる。「広域」と「詳細」のボタンはいずれも大きくデザインされていて押しやすい。また、この縮尺切り替え画面では、ノースアップ(北が上)とヘディングアップ(進行方向が上)の切り替えボタンも表示される。さらに、詳細設定画面では2Dと3Dの切り替えも可能だ。3Dは3段階の角度から選べる。
昼夜の自動切り替え、道路幅やアイコンサイズ、文字サイズの変更など、細かい調節もできる。地図記号、立体ランドマーク、信号、一方通行の表示の有無も選択できるので、情報量が多すぎて見づらい場合は表示項目を減らしていけばいいだろう。
地図のスクロールは2種類がある。そのまま地図をタッチして指をずらすと、Google Mapsのようなドラッグによるスクロールが可能だ。もう1つは、十字カーソルの中に指を置くと数秒後にピッという音とともにカーソルの形状が変わるので、この状態で指をずらすと、ずらした方向に地図が動き続ける。細かい位置調節は前者の方法で、長い距離の場合は後者の方法でと使い分けられるので、実に使い勝手がいい。
また、ジェスチャー操作も可能で、例えば地図上で屋根の形を描くと「自宅までのルートを探索」、L字を書くと「お気に入りの場所へ行く」となる。ガイドブックを見たり、静止画を見たりする場合も、右左のジェスチャーで操作可能だ。
● 豊富な収録データ
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ガイドブックに収録されているサイクリングターミナル情報
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行き先の検索は、住所や電話番号からの選択のほか、名称検索、最寄検索、ジャンル検索、ガイドブック検索が用意されている。住所検索は約3400万件、電話番号検索は約1000万件となかなか豊富だ。ガイドブックの情報量もかなり多く、「グルメぴあ」(約1万2000件)、「しあわせ♪グルメ情報」(約400件)、「全国立ち寄り温泉」(約200件)、「サイクリングターミナル情報」(約30件)などがあらかじめ収録されているほか、PCと接続すればさらに情報量を増やせる。
ガイドブック情報で注目したいのは、なんといっても「サイクリングターミナル情報」。これはフルナビにはまず収録されていない、自転車での使用を意識した本製品ならではの情報と言える。ガイドブックの詳細画面では、スポットのデータや紹介文に加えて、施設の外観写真も掲載されている。なお、検索したスポットは、マーク登録することでお気に入りとして保存しておけば、ナビゲーションの目的地を設定する際にすぐに呼び出せる。
以上、「NV-U3C」の基本機能や地図画面の使い勝手、収録データなどについてチェックした。次回「徒歩・自転車編」では、ナビゲーション機能の使い心地や、ハンディナビとしての使用感などについてレビューする。
関連情報
■URL
「nav-u」製品情報
http://www.sony.jp/nav-u/
趣味のインターネット地図ウォッチ バックナンバー
http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/chizu/
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( 碓氷 貫 )
2009/05/21 11:00
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