第2回では、ポータルサイトで提供されるデジタルアルバムサービスをご紹介した。第3回となる今回は、デジタルカメラのメーカーが提供しているサービスをご紹介しよう。
デジタルカメラメーカーが提供するサービスというと、当該メーカー製品のユーザーのみを対象にしているように思ってしまいがちだが、実は自社製品ユーザーに限定せずに一般に広くサービスを提供しているメーカーも少なくない。
● ニコン オンラインアルバム
ニコンが提供する無料のオンラインアルバムサービス。ニコン製品ユーザーでなくても、無料の会員登録をすることで、50MBのスペースを利用できる。また、ニコン製品ユーザーの場合は、ユーザー登録を行なうことにより、利用可能な容量が100MBまでに拡張される。
会員登録すると、無料で「******@p.nikon-image.com 」といったフォトメール用メールアドレスが発行される。携帯電話で撮影した写真などを自分のフォトメール用アドレス宛に送信すると、[添付ファイルをアルバムに送る]を選択することでアルバムに取り込むことが可能だ。1回に送受信できるサイズは最大5MBまで。
システムはinfoseek フォトアルバム(楽天)と同様、「PhotoHighway」を採用しており、充実した写真編集機能や、対応するファイル形式の多さが特長だ。
とくに対応ファイル形式では、画像ファイルだけでなく、Windows Mediaのオーディオ・ビデオ形式やMPEG形式など、音声・動画ファイルにも対応する。ただし、保存容量は50MBまでのため、動画ファイルでは1ファイルで容量制限を超えてしまう可能性もあり、容量には注意が必要だ。
携帯電話はiモード、Vodafone、EZwebに対応し、PCと同一のURLでアクセスできる。携帯電話で撮影した写真はフォトメール宛に送信すれば、後からアルバムにアップロードすることもできる。
作成されたアルバムには標準で「閲覧数」がつき、任意でゲストブックをつけたり、見せたい相手を限定するパスワード認証機能も使える。アルバムの保存期限はとくに設けられていないが、1年間以上更新のないアルバムは削除される場合がある。
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画像の編集機能が充実
「つくるモード」で[写真の情報]を選択すると、[画像の編集]ボタンが現われる。画像の編集機能が充実しており、写真編集ソフトがなくても簡単な補正ならできてしまう
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「写マップ」
投稿された写真がキーワードで次々とリンクされる「写マップ」も用意されている。リンクをたどってゆけば、写真を通じて日本全国を観光する不思議な旅の気分も味わえるかもしれない
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● コニカミノルタ オンラインラボ
デジカメ写真のプリントサービスやポストカード制作、写真入りグッズといった多彩なサービスを展開しているコニカミノルタの「オンラインラボ」。この中にオンラインストレージも兼ねて提供されているサービスが「オンラインアルバム」だ。
「オンラインアルバム」は、会員登録すれば誰でも無料で利用できる「ピクチャーボックス」と「パーソナルアルバム」で構成されている。いったん「ピクチャーボックス」に画像をアップロードし、その画像から作成するのが「パーソナルアルバム」だ。50MBまでは無料で、それ以上の容量が必要な場合は、月額315円で500MBまで、月額525円で1GBまで増設できる。アップロードできる画像はJPEGのみ。保存期間は無料の場合は画像単位で1年間だが、有料では無期限となる。
「ピクチャーボックス」はユーザー自身しか閲覧できないが、外部にも閲覧許可したい場合は「パーソナルアルバム」を作成して、シェア設定を行なう必要がある。アルバムの閲覧期間は公開日から1カ月間となる。
さらに、不特定多数の人に広く見てもらいたい場合は、オンラインラボのカテゴリに公開しよう。iモード、EZweb、Vodafoneといった携帯電話からの閲覧にも対応する。
アップロードした画像の編集機能も多彩で、トリミング、リサイズ、特殊加工(エンボス、油絵、木炭)、明度(明度、コントラスト、オートコントラスト)、色調整(反転、色相、彩度)、色調変換(グレイ、赤、オレンジ、黄色、緑、紫、藍、青)が可能だ。
「オンラインラボ」はオンラインアルバム以外のサービスも非常に充実しているので、アルバムを活用しながらプリントもオリジナルグッズもオーダーもしたいという方には便利なサービスと言えるだろう。
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ピクチャーボックス画面
画像をアップロードした「ピクチャーボックス」。編集したい画像にチェックし、[編集]ボタンをクリックすると、タイトル、コメント、撮影日時の編集ができるほか、画像の回転もできる
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「シェア設定」されたパーソナルアルバム。「掲示板」「プリント注文」「画像を追加」「撮影詳細情報」はシェア設定時に選択できる。シェアしたい相手にはメールで「オンラインアルバムの閲覧用URL」といった情報が送信される
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● LUMIX Club Photo
「LUMIX CLUB Photo」はその名の通り、パナソニック製のデジタルカメラ「LUMIX」ユーザーをおもなターゲットとして、プレオープン中のサービスだが、LUMIXユーザー以外も利用できる。
利用料については、2005年9月30日まではプレオープン中で150MBを無料で試用可能。10月1日以降の利用は、月額315円(容量256MB)~945円(容量1GB)の利用料が必要となる。試用するならいまがチャンスというわけだ。
「LUMIX CLUB Photo」では、ワンタッチで写真を鮮やかに補正する機能や、24種類ものスライドショー機能が用意され、写真を楽しむための工夫が凝らされているのが特長だ。
他のオンラインアルバムに見られない珍しい機能として、画像の「改行」「改ページ」がある。「改行」は1つのページ内で写真の位置を改行させ、「改ページ」はページ内の表示枚数に関係なく、強制的にアルバムを改ページさせることができるのだ。「ページ」を意識したアルバム機能は珍しい。インデックスサイズの指定機能と合わせて利用すれば、メリハリのある演出ができそうだ。
携帯電話向けサイトも用意されており、iモード、Vodafone、EZwebに対応。携帯電話からログインすると、作成したアルバムが確認できる。
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ワンタッチの画像補正
アップロードした写真は画像編集もできる。補正はいずれもワンタッチ操作で、表示されたサンプルから選ぶ仕組み。補正後の画質は鮮やかで、なかなかの優れもの
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Flashによるスライドショー
Flashを使った「スライドショー」には24種類のテンプレートが用意されているが、さまざまな表示効果をランダムに盛り込んだオリジナルテンプレートも作成できる
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● EPSON PHOTO GARDEN
今回ご紹介するオンラインアルバムサービスの中では、もっともシンプルなアルバムサービスが「EPSON PHOTO GARDEN」の「Photo Album」である。利用には「My EPSON」に無料の会員登録が必要。エプソン製品ユーザーではなくても登録および利用ができる。
容量は20MBと、かなり少ない。対応ファイル形式はJPEGのみ。アルバム作成時につけたタイトルとコメント以外、サムネイルをクリックするとオリジナルサイズの写真が表示されるだけというシンプルな作り。画像の編集機能も一切なく、パスワード認証機能もない。ある意味、非常に割り切った潔いサービスと言えるかもしれない。
ただし、携帯電話には対応しており、携帯電話から所定のアドレスにログインすると作成したアルバムを見ることができ、そのままアルバムの招待状を送信すれば、相手の携帯電話からアクセスしてもらえる。
アルバムサービスそのものの機能はあまりないのだが、「EPSON PHOTO GARDEN」の中のサービスである「Photo Community」に公開したり、「Photo Gallery」に応募するなどでデータ活用できる。
容量が20MBとかなり少ないため、高画質のデジタル写真を撮ったまま転送するとあっという間に一杯になってしまう恐れがある。また大きな画像はグリーティングカード作成時にもファイルサイズの増大を招くので、アップロードする前にあらかじめ画像のサイズを縮小しておくといいだろう。
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Photo Album
「Photo Album」の中は、「マイアルバム」と「グリーティングカード」に分かれている
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招待状を送る
アルバムを見てもらうには招待状を送る。宛先には携帯電話のアドレスでもよい。PC用のメールアドレスを指定すると、携帯電話用とPC用の2つのアドレスが送られてくる
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● CANON iMAGE GATEWAY
「CANON iMAGE GATEWAY」はIXY DIGITALシリーズ、PowerShotシリーズ、EOS DIGITALシリーズ、デジタルビデオカメラ、コンパクトフォトプリンタの利用者で、付属のCD-ROM(SOLUTIONDISK)を使って無料の会員登録を済ませた人のみが利用できる。キヤノンユーザー限定のアルバムサービスだ。
容量は50MBで、対応形式はJPEGのみ。作成するアルバム数に制限はなく、1枚あたりの画像サイズにも制限もない。付属のソフトウェア(ZoomBrowser EX/ImageBrowser)を使えば、動画・静止画をまとめてアップロードできるほか、ドラッグ&ドロップでアップロードできるブラウザのプラグインも別途提供されている。
アルバム台紙は常時160種類が用意され、季節に応じて選択可能。表示レイアウトも3パターンから選択できる。アルバムの保存期間に制限はない。アルバムの閲覧を許可された非会員は、アルバムを見るほか、画像のプリントやダウンロードまでは可能(いずれも設定上可能な場合)。携帯電話からもパソコンと同一のURLで閲覧できる。
1冊から本格的写真集が作れるという「フォトブック」サービスも「CANON iMAGE GATEWAY」から注文可能だ。自慢の写真や子供の写真を1冊にまとめてみたいというキヤノンユーザーは、一度利用してみるといいかもしれない。
(図)no3-canon1.jpg
(キ)「CANON iMAGE GATEWAY」のTOPページ。オンラインアルバムだけでなく、撮影ノウハウを紹介したコーナーや起動画面と起動音をカスタマイズできるコーナーなど、キヤノン製カメラを活用するためのコンテンツが多数用意されている。
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レイアウトや背景を選択
レイアウトは「交差表示」、背景色は「シンプルカラー」で作成したアルバムの例。アルバム編集操作で3種のレイアウト、160種の背景から選択できる
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画像の詳細表示画面
タイトルやコメントの編集、画像の回転やオリジナルサイズの表示のほか、プリント回数、訪問者数が確認可能。JPEGファイルにExifデータがある場合は撮影時の設定も参照できる
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● できればもう少し容量がほしいところ
カメラメーカーが提供するオンラインアルバムは、訪問者数がわかるカウンタがつけられること、ほとんどが携帯電話に対応していること、ゲストブックがつけられること、補正・編集機能に力を入れている点が似通っている。
しかし、無料で使える容量は、ほとんどが50MBもしくはそれ以下という状態だ。9月6日より、ニコンではニコンユーザーのみ100MBとなった。ほかのカメラメーカーにも、自社製品ユーザー限定でもよいから、容量アップを検討してほしいところだ。高画質・高品質を謳うカメラメーカーのサービスだからこそ、もう少し容量を増やしてもらいたいと思うのは筆者だけではないだろう。
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さて、2回にわたってデジタルアルバムサービスをご紹介してきたが、次回はオフラインで使えるデジタルアルバムソフト「蔵衛門(フリー版)」を中心に、デジカメ写真活用に便利なフリーソフトをご紹介する。
■URL
ニコン オンラインアルバム
http://album.nikon-image.com/nk/
オンラインラボ - コニカミノルタ
http://onlinelab.jp/
LUMIX CLUB Photo
http://lumixclub.jp/photo/
EPSON PHOTO GARDEN
http://www.photogarden.jp/
CANON iMAGE GATEWAY
http://www.imagegateway.net/
( すずまり )
2005/09/08 19:25
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