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2006年中国インターネット事情
第2回:中国の有力ネット企業とそのサービス


 百度の日本市場進出が成功したら、中国のネット企業が今後続々と日本進出するのでは、と思われた方も少なくないだろう。そこで、第2回では、中国国外の証券取引市場に上場した中国の欧米資本ではない著名サイトや、Alexaで上位にくるサイトをご紹介しよう。いずれも知っておいて損はない、中国の代表的なサイトだ。


新浪網(SINA)~中国最大のポータルサイト

 「新浪網(SINA)」< http://www.sina.com.cn/ >は、中国3大ポータルサイト中でも頭ひとつ抜けた存在で、中国を代表するポータルサイトだ。1998年12月サービス開始、登録ユーザー数は2億3,000万人。各種有料サービス利用ユーザーは6,000万人で、1日のアクセス数は最大で4億5,000万。台湾や香港にもサイトを持つ。

 政治から車、コンピュータ、育児まで幅広いニュース記事を提供する。最近までニュースは静止画のみを扱っていたが、動画ニュースも提供すると方針転換をアナウンスした。これにより、他のポータルサイトでも動画ニュース提供の動きが波及する可能性がある。

 新浪と言えば「新浪網」サイトが最も有名だが、そのほかにも、携帯電話向けサービス「新浪無線(SINA Mobile)」、フリーメールやオンラインゲームの「新浪熱線(SINA Online)」、検索サイト「iask」や企業向けシステムを提供する「新浪企業服務(SINA.net)」、ショッピングモールを提供する「新浪電子商務(SINA E-commerce)」を運営する。

 米国ナスダックに上場し、売上高は前年同期比13%増の5,610万米ドル(約65億6,000万円)で、うち半分以上が広告による売上。純利益はアメリカ会計基準で1,070万米ドル(約12億5,000万円)。


捜狐(SOHU)~中国3大ポータルの1つで、スポーツ系コンテンツに強い

 「捜狐(SOHU)」< http://www.sohu.com/ >も中国3大ポータルサイトの1つだ。1998年2月サービス開始。こちらも基本的には「新浪網」と同様、さまざまなジャンルの記事配信がメインだが、サッカーのワールドカップやバスケットボールのNBAの動画配信を行なうなどスポーツ系の動画配信に強く、北京オリンピックの公式スポンサーにもなっている。

 運営するサイトは「捜狐」だけでなく、Alexaの世界のサイトランキングで上位にランキングされる、Googleライクなシンプルデザインの検索サイト「捜狗(Sogou)」、学生など若者向けにコンテンツを絞った「ChinaRen」、不動産情報サイトの「焦点房産網」も捜狐の配下にある。

 米国ナスダック市場に上場しており、売上高は前年同期比29%増の3,540万米ドル(約41億4,000万円)、うち広告収入が半分以上の売上を占める。純利益はアメリカ会計基準で660万ドル(約7億7,200万円)。


網易(NetEase)~中国3大ポータルの1つでオンラインゲーム大手

 「網易(NetEase)」< http://www.163.com/ >も中国3大ポータルサイトの1つ。ネットゲームに強いのが特徴だ。1997年6月サービス開始。ユーザー数は4億9,600万人、1日平均ページビューは7億1,900万。

 PC向けポータルサイト運営のほか、携帯電話向けのポータルサイト運営と、オンラインゲームが同社の柱となるサービスだ。2006年後半、中国の著名ポータルサイトとしては初となる、文字が詰まった密なWebデザインからシンプルなWebデザインへの脱却を行なった。昔から“フリーメールの網易”というイメージがあり、フリーメールサービスの利用者は1億6000万人に上る。

 オンラインゲームでは、「夢幻西遊」と「大話西遊II」という2タイトルがヒットし、「夢幻西遊」はユーザー数9,000万強、同時オンライン人数は131万強、「大話西遊II」はユーザー数8,300万人強、同時オンライン人数は58万人強を記録した。

 米国ナスダック市場に上場し、売上高は前年同期比23.6%増の7,240万米ドル(約84億7,000万円)。売上の内訳は、広告収入が1,050万米ドル(約12億3,000万円)、オンラインゲーム事業の収入が5,920万米ドル(約69億2,500万円)と、収益の多くがオンラインゲームによるものだ。純利益は、アメリカ会計基準で3,980万米ドル(約46億5,660万円)。


騰訊(Tencent)~中国のキラーアプリ、チャットソフト「QQ」の会社

 「騰訊(Tencent)」< http://www.qq.com/ >は、中国でのキラーソフトである、チャットソフトの「QQ」をリリースする企業。会員数は5億7,230万人、最高同時オンライン数は2,210万人。個人ユーザーではQQを利用するためだけにPCを購入することが少なくない。また、ビジネスシーンにおいても、メールアドレスの代わりにQQの番号を伝えたり、企業のWebページの連絡先にQQの番号が表記されるほど普及している。もはやプライベートでもビジネスでもなくてはならないサービスだ。1999年2月サービス開始。

 旧名は「OICQ」で、インターフェイスはチャットソフトの元祖「ICQ」に似ていたが、頻繁なバージョンアップを繰り返し、中国人に受け入れられるデザインに変貌した。また、QQのIDを使ったオンラインゲーム、アバター、ブログなどさまざまなサービスを提供し人気を集めている。QQで培った技術をビジネスシーンに応用したシンプルな企業内チャットシステムの「RTX」というシステムもリリースしている。以前は有志によるQQ Japanという日本語版もリリースされていた。

 香港証券取引所に上場。売上高は前年同期比103.1%増の7億3,690万元(約112億円)、純利益は前年同期比263.4%増の2億8,260億元(約43億円)。主な収入源はQQの専用バーチャルマネー「QQ幣」の売上で、売上高の半分以上を占める。


淘宝網(TAOBAO)~中国最大のショッピングサイト

 「淘宝網(TAOBAO)」< http://www.taobao.com/ >は、世界最大のオークションサイト「eBay」の中国サイトに勝る人気を誇る、中国ナンバーワンのオンラインショッピングとオークションのサイトだ。2003年5月サービス開始。

 中国の商習慣に合わせて値引き交渉をサポートし、また、赤の他人同士を信用できない中国において、落札・購入確定後の配送から支払いまでをシステム側である程度管理する。お国事情に合わせた、こうしたサービス内容が中国の先進的ネットユーザーから支持を得て、急速に大都市圏を中心にこのサイトが浸透しつつある。

 日本にも進出した「アリババ」の系列下にあるサイトで、「アリババ」が構築した電子マネープラットフォーム「支付宝」を利用できる。「淘宝網」とリサーチ会社の「易観国際」が発表した「2006年第三季度淘宝网上購物報告」によると、2006年9月末で「淘宝網」の会員数は2,670万。3カ月で420万、1年で1,700万と会員数が急激に伸びている。四半期での総取引金額は43.5億元で、1回あたりのショッピング額平均は572元。トラフィック量に関しては、親会社アリババのトラフィック量を凌駕した。中国ではこれからオンラインショッピングが全国的に普及していくと見られており、今後しばらくは総取引金額や会員数は激増していくだろう。


TOM在線~携帯電話向けサービスとFlashなどリッチコンテンツに強い

 「TOM在線」< http://www.tom.com/ >は、中国3大ポータルサイトに続く著名ポータルサイトだ。携帯電話向けコンテンツが特に強い。中国3大ポータルサイトと同じくさまざまなジャンルの記事を提供するほか、中国で人気のFlashコンテンツのポータルである「TOM Flash頻道」やブロードバンド向け映像サイトを提供するなど、リッチコンテンツに積極的に取り組んでいる。また、中国におけるSkypeのパートナーとなっておりSkype会員数743万人を擁するほか、中国では「淘宝網」に押されている「eBay中国」を買収するとも噂されている。

 1日の平均ページビューは2億2,500万。携帯電話向けサービスでは、SMS、MMS、IVR、着信メロディなどさまざまなコンテンツを提供し、中国3大ポータルサイトに引けをとらない1億5,000万人の会員数を抱える。米国ナスダックに上場。売上高は前年同期比15.2%減の3,895万米ドルで、そのほとんどを携帯電話向けサービスでの売上で占める。純利益は前年同期比59.0%減の528万米ドル。親会社の「TOM集団」は香港GEMに上場。


迅雷(Xunlei)~中国最大のダウンロードサイト

 「迅雷(Xunlei)」< http://www.xunlei.com/ >は、2003年1月にサービスが開始された中国最大のダウンロードサイト。フリーウェアやシェアウェアなどのゲームソフト、ユーティリティソフト、動画ファイル、静止画ファイルなどがダウンロードできる。

 利用者は、P2Pを用いた専用ソフト「迅雷」または「WEB迅雷」でWeb上のファイルをダウンロードする。1日平均で5,000万回以上のダウンロードが行なわれる。中国でも指折りの著名サイトではあるが、アップされているコンテンツの中には海賊版コンテンツも混じっている。このサイトに限った話ではなく、この類のサービスにつきまとう話ではあるが、海賊版対策をしない限り、百度のような中国国外への進出は難しいかもしれない。


猫撲~Web

 「猫撲(MOP)」< http://www.mop.com/ >は、さまざまなWeb 2.0的サイトを構築した企業「千橡(Oak Paciffic)」が提供するニュース系ポータルサイトだ。2004年に開設されたサイトだが、急激に利用者が増加しており、Alexaのランキングに入るまでになった。現在はブログやSNSを提供しているが、将来的には中国版の「MySpace」を目指しているという。

 「千橡」はこの「猫撲」のほかにも、数多くのサービスをを運営している。中国版YouTubeと言えるほどYouTubeによく似た動画共有サイト「UUme」や、IPアドレスからプロバイダーのある都市を割り出し、その都市のニュースや天気などの情報提供を行なう地域情報サービスの「Renren」、Webブラウザ上であたかも専用プレーヤーで再生するかのような感覚でニュースコンテンツを閲覧できる「iMOP」」、動画ニュース専門サイト「iTV」、フリーウェアやシェアウェアを専用ソフトを用いてP2Pで提供するサイト「DuDu」などだ。


携程旅行網(ctrip)~中国で最も著名な旅行予約サイト

 「携程旅行網(ctrip)」< http://www.ctrip.com/ >は、1999年に開設された中国で最も著名な旅行予約サイトだ。中国語簡体字のほか、中国語繁体字と英語のサイトもある。会員数は1,300万人強。

 会員になると、28,000軒を越える中国国内のホテルをディスカウント価格で予約できるほか、ツアーの予約や中国発国内線国際線航空券の購入も可能だ。航空券は中国の大中都市47都市に無料で配送を行ない、1カ月に60万枚を販売する。

 中国のサイトでは珍しく、日本のようなポイント制度があり、ポイントを貯めると景品に交換ができる。中国全土の都市について見どころなど基本情報を提供するほか、感想欄もあり、サイトの会員は訪れた都市の感想を書き込んだり、旅行記そのものを特設の掲示板に書き込むこともできる。

 米国ナスダック市場に上場。最近の四半期の売上高は前年同期比47%増の2,600万米ドル(約30億4,000万円)、純利益はアメリカ会計基準で前年同期比23%増の1,000万米ドル(約11億7,000万円)。


URL
  山谷剛史のマンスリー・チャイナネット事件簿
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/column/m_china/
  山谷剛史の海外レポート
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/others/travel/060126/


( 山谷剛史 )
2006/12/26 11:08

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