● 安!ラスベガス
筆者にとって交通費持ちで取材というのはめったにないチャンスだ。今回はImpress Watch費用持ちにも関わらず、「ダメ貧乏性」が鎌首をもたげる、という「CSI SX」取材だった。
CSI SXは2008年4月27日から5月2日にかけて、「INTEROP」と「Software2008」と併催されるかたちで、「MANDALAY BAY Convention Center」で行なわれた。(去年までのINTEROPはLasVegas Convention Centerだったという)。
と、なるとベストの宿は会場に併設している「MANDALAY BAY HOTEL」だが、ここはMGMグループの中でも高い方に入る宿だ(買収前のサーカスサーカスグループなら一番上)。取材に同行した編集部M氏とSkypeで事前打ち合わせをしていると、こういうセリフが出るあたり、セコさ爆発ぶりがわかる。
小林「この場所での取材でホテルのベストはマンダレイベイですが高いですよ。安さで言えばエクスカリバーかその向かいのトロピカーナ、あるいは隣のルクソール。エクスカリバーとルクソールはモノレールで行けますけど、そこから外れると徒歩だと厳しいですね」
で、結局編集部M氏がチョイスしたのは(「ラスベガスのピラミッド」で知られる)「Luxor」だ。実は、始めて海外旅行に行った時に泊まったのがこのホテルでもある。以前泊まったときは、低階層でナナメベーター(ピラミッドの壁面に沿って上下するので、ナナメに動く)に乗っていなかったのでちょっと期待していたが、加速停止の際に体が横に振られるので違和感があるだけだし、本館は風呂なしなので、あまりよいとは言えなかった(ちなみに隣のエクスカリバーも風呂なし)。
● 前泊宿から安!
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航空券の価格表。4月26日出発だと土曜日発なので表の価格にさらに割り増しが入る
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今年のINTEROPはなんとGWに実施されたので、必然的に航空券が高くなる。編集部M氏は、このイベントの前にサンフランシスコで開かれる「Web 2.0 Expo」にも行くため問題ないが、筆者は通常の前日到着(4月26日)で行くと“GW料金”が反映されるため航空券が高い(土曜発なのでさらに高い)。そこでこんな提案をしてみた。
小林「26日出発と24日出発では航空券料金に5万円以上差があります。24日出発で2泊安宿に泊まれば安上がりですよ」
編集部にしてみれば予算削減になり、筆者にすれば休息タイムになるという一石二鳥の提案は受け入れられた(現実には他誌の原稿で直前までドタバタする羽目に)。となると「提案した通り」安宿に泊まる必要がある。前回のラスベガスに関する原稿で泊まった「Motel6」というのも芸がないので、そのブロック内にある「Travelodge」にしてみた(高い金曜日泊を含めても2泊で12,547円)。燃油サーチャージ分ぐらいの差が生まれた。
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以前使った「Motel6」の裏手にあるトラベロッジ。このクラスなら結構安いが、週末は価格が跳ね上がる
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こちらは前回使った「Motel6」だが、広告塔の下に「無線あり」と目立つ表記がつくようになっていた
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さて、筆者がラスベガス到着後にどこへ行ったのかというと、到着翌日は「Rachel」に行った。と地名を言っても絶対にわからないと思うがココがあったところと言えばわかりやすいだろう(Google Mapsで「AREA 51」で検索すると出る場所から最も近い村。カーネルおじさんの南と西の道は走った)。
実はこの画像のプレスリリースが出て3週間後に(「UFO探知機」ユータンを片手に)見に行ったのだが、すでになかったという悲しい経験がある。また、Google Mapsにこの画像が出るようになったのはつい最近だ。
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2年前はこれを地上から見ようと行ったのに……
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片側一車線の中央分離帯なしでも立派な「国道」。これで時速112キロメートルが制限速度&対向車線に出ての追越も可能。ちなみにこの位置で携帯電話はすべて圏外になった
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「AREA51」観光での定番スポットとなる「Blach Mailbox」。2年前の写真だ。以前は真っ黒けだったらしいが、現在は白ベースになっている
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こちらは今回撮影したもの。道路の脇にポツンとあるため、それなりに有名で落書きやステッカーだらけ
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米国では辺鄙な場所では次のガソリンスタンドまでの距離が長い場合があり、警告看板があるのだけど、これは……
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● レンタカーも安!
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「Hotwired」は予約完了してようやくどこかわかるというちょっと面白いシステムを採用している
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米国も当然ガソリンは高い(この看板は安い部類)。湾岸戦争前なら1ガロン1ドル未満だったのに……
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筆者が米国でレンタカーを借りる場合、ハーツの有料会員(Hertz #1 GOLD)になっていることもあり、普段はハーツを使うが、今回はちょっと冒険をしてみた。
「Hotwire」という予約サイトは、「ホテル闇鍋」と陰口を叩かれるシステムで、ランクとエリアしか選べず、予約完了までどこのホテルになるかわからないというシステムを採用している。
レンタカーもエイビス、ナショナル、バジェット、ダラーから選ばれるというので予約しところ、コンパクトクラスで1日13.95ドルという予約が出てきた(+税金その他で3日トータルで65.74ドル)。
この価格ならナショナルかバジェットだと思ったら、なんとエイビスだった(注:エイビスはハーツ並に高いイメージがある)。当日は「×ドル払えばアップグレード」の誘いを断ったところ、なんとシボレーHHR(おまけに皮シート)が出てきた。
その後、Luxorから会場まで車のほうが快適ということもあり、最終日までレンタカーを借りることになった。やはりHotwireを使ったのだが、今度は会社を選べるようになっていたのでレンタカーだけは闇鍋システムを返上したのかもしれない(こちらはミッドクラス3日でトータル75.82ドル。出てきたのは「Dodge Avenger」で衛星ラジオ付モデル)。
なおこのレンタカー代料金は「保険が別途」なのがワナになる。最低限かけておきたい保険としてはLDW(車を壊した時の損害賠償免除)とSLP(対人追加保険)があるが、今回は遠出する予定がないのでSLPはなしにした。それでもLDWの相場は1日20ドルでレンタカー代よりも高い。
おまけにガソリン代も高い。昔は「1ガロン1ドル以下」だったが、14日時点での全米の平均は「GPW」によれば、1ガロン3.75ドル。ちなみに、1ガロンは約3.8リットル。今回500ミリリットル入りのクリスタルガイザー24本パックを2ドル99セントで買ったが、『ガソリンはミネラルウォーターより安い』と言われたこともあった。景気がよければ関係ないが、現在米国はサブプライム問題(早い話が「住宅バブル崩壊」)で景気的が厳しいのでこれは死活問題だろう。
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かの有名なラスベガスサインはストリップの入り口にある。ただし、中央分離帯にあるので、1人で撮るのはやや面倒
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ベガスサインは夜のほうがサマになる。人を一緒に撮るなら昼。サインだけ撮るなら夜がよいだろう
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● 夕飯も安!
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深夜スペシャルは本来カジノの客寄せで、24時間営業のカフェで提供される。飲み物が高く思えてしまうほどだ。このホテルは今回使わなかった
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かつては安い食事の代名詞だった「ラスベガスのBuffet」も今はこの程度で「ストリップなら安い方」。週末はブランチメニューでさらに高くなるところもある
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ラスベガスの食事と言えば、一般的には“all you can eat”として知られる、“Buffet”が有名だが、今回は昼間の取材の原稿執筆が控えていたため、(営業時間が大体夜10時までの)夜時間に行くのは無理だった。しかし、今回はレンタカーがあるので、少々離れているところへ足を伸ばすことができる。
となると、ラスベガス食事の次の名物「カフェの深夜スペシャル(「GRAVEYARD SPECIAL」という)」の出番だ。(参考リンクだがデータが古い。こちらの参考リンクはもっとデータが古く、おそらく全滅)。
「カフェの深夜スペシャル」は低料金で深夜の食事を提供するので「カジノに来てほしい」という施策だ。以前は、一般的観光客が泊まる「ストリップ」のホテルでも実施していた(Luxorでも2.99ドルのステーキがあった記憶がある)が、現在はダウンタウンや地元民向けホテルだけで実施していると言っても過言ではない。結局ラスベガスに6泊して1回もBuffetにありつけず、筆者がレンタカーで繰り出す各種深夜スペシャルで夕飯を食べる日々になった。
今回の深夜スペシャル三昧の極めつけは、筆者もはじめて行った「JW Marriott Las Vegas Resort, Spa and Golf」。JWの名がつく「筆者に縁のなさそうなリゾートホテル」のはずにもかかわらず、3.21ドルでSTEAK & EGGにありつけるウルトラコストパフォーマンスぶり(おまけにガラすきで常時2グループしか人がいなかった)。参考リンクの後者と比較すれば、いかに安いかがわかってもらえるだろうか?
せめて1回は(高いシーフード)Buffetに行こうと思ったのが、原稿を抱えているとそうもいかず、原稿が上がるのは毎日夜10時以降。編集部M氏は「松屋より安い!」と喜んでいたようだが……それはベガス食事ライフじゃないと思う。ちなみに対極に属するベガスグルメライフといえば、かの三ツ星レストランのロブションを筆頭にいくらでもあるが、筆者には縁がない。(例外的に今年のCESで「mix」のご招待を頂いたが、ここもカジュアルながらドレスコードがあるため、借りてきた猫状態たった)。
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深夜スペシャルはなくても、ストリップでも探せばこの程度の客寄せメニューがあるので無理にバフェに行かなくてもよいのではないかなぁと思う
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「豪勢な粗食」の数々。ストリップ南にある「South Point HOTEL」の深夜スペシャルのステーキで5.45ドル。ちなみにホットケーキとか卵メニューなら3ドル以下だ
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ダウンタウンの「Calfornia HOTEL」の深夜スペシャルでオーダーしたOxtail Soup。7.95ドル。ラーメンどんぶりにテール肉ゴロゴロ。ご飯付きだ
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「JW Marriott HOTEL」の深夜スペシャル。ダウンタウンでもない地の利の悪さから3.21ドルと激安の上に肉も今回で最もうまかった
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こちらは「South Point HOTEL」の24時間提供スペシャルのPorterhouse Special。10.95ドル。連日ステーキ食べまくりだ
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平日の深夜だけというのが多い。さらに「JW Marriott」はカジノのプレイヤーズカードが必要であわてて作りに行った
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● お土産も安!
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自宅向け安土産。いわゆる「カリフォルニアコシヒカリ」は数年前から「無洗米」となった。「日本的最上級」ではないが値段の割にはおいしい。預け入れ荷物の重量制限に引っかかってしまって難儀した
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今回は自宅向け「安!お土産」として、「カリフォルニア米」を買ってみた。もちろん、合法的に米をお土産として持ち込める。
手続きも意外と簡単で空港の植物検疫のカウンターに行き、「米の輸入申請用紙(正確には『輸入数量届出書』)」をもらう。そして、住所氏名と今回の輸入量と今年の全輸入量を記載すればよい。ちなみに個人旅行者は年間100キログラムまでお土産として購入可能だ。
その米だが、前回PBブランドの10ポンドで5ドルほどの米を買ってみたが「まあまあ」で、今回は「最高級クラス」の5ポンドで5ドルほどと、お土産向けにさらによさそうな2ポンドで2ドルほどのパックを購入した。
ちなみに米は植物検疫で開封されてチェックされるが、後者のほうは透明袋だったせいか開封されずに済んだのでよりお土産向けと言えるだろう。ちなみにこの米は無洗米(「Using new milling technology "Just Add Water" MUSENMAI」と書いてある)だ。
関連情報
■URL
CSI SX 2008(英文)
http://www.csisx.com/
( 小林哲雄 )
2008/05/14 11:57
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