Twitterの共同創業者であるEvan Williams氏の来日に合わせて、日本のTwitterユーザーや開発者との懇親会が26日に開催された。Williams氏は、仕事ではなくプライベートな来日とのことで、懇親会でも多くのユーザーとのフランクな意見交流が行われた。
懇親会の直前に、Williams氏にTwitterの現状と今後の方針について聞いた。
● サービスに問題が発生しても短時間で対処可能に
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Twitter共同創業者のEvan Williams氏
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――Twitterのユーザーは日本人も多いと聞きますが、現状ではどのくらいでしょうか。
Williams氏:トラフィックで言えば日本からのアクセスが25%程度を占めます。日本のユーザーがどのくらいの割合かというのは、アクセス解析でしか見ていないので正確な数値はわからないですが、もちろん割合としては大きいです。
――以前はTwitterで「くじらのページ」(エラーページ)を見ることが多かったのですが、最近ではだいぶ減ったように思います。
Williams氏:7月に実施したメンテナンス以降、これまで6週間ほどは順調にサービスを提供できています。今後もぜひこの調子を継続していきたいと思っています。残念ながら保証はできませんが。
――サービスがよくダウンしていたのは何が原因だったのでしょうか。リソースが足りないという問題だったのか、それとも技術的に難しい部分があったのでしょうか。
Williams氏:複雑な問題で簡単には言えませんが、ただ、以前は「どこに問題があるのか」ということ自体がなかなか分かりにくかったので、それを分かりやすくするための努力をしてきました。この試みはかなりうまくいっていまして、問題が発生しても短時間で対処できるようになりました。
――たとえば、日本向けのサーバーを国内に設置するといったような分散処理などは検討していますか。
Williams氏:必要であれば検討しますが、今のところはその予定はありません。また、今はすべて同じ場所に集約していますので、それを分散させるとなると現在とは違う運用の形になるので、その点も考える必要があります。
● Twitterの存在がユーザーから見えなくなるのは避けたい
――Twitterはとてもシンプルで、ほぼ完成されたサービスのように思えるのですが、さらに改良を加えるとすればどの部分になるのでしょうか。
Williams氏:まずは見た目の部分をさらに格好良くするような変更を考えていますが、さらに新しい機能を追加しやすいようなユーザーインターフェイスにしたいと思っています。
――TwitterはWebサイトからだけでなく、APIから利用するユーザーも多いと思うのですが、WebサイトとAPIではどちらを使ってもらいたいですか。
Williams氏:ユーザーにはどちらも使ってほしいと思っていますし、日本では「movaTwitter」のようにAPIを使って携帯電話から利用できるサービスもすごく人気があります。
――APIでの利用が増えていくと、Twitterはインフラのような存在になっていくのでしょうか。
Williams氏:ユーザーにはいろんなTwitterの使い方をしてもらいたいですが、Twitterの存在がユーザーから見えなくなるような状態になるのは避けたいと思います。
――日本でもmixiが同じようなサービス「エコー」を始めましたが。
Williams氏:嬉しくはありませんね(笑)。ただ、開拓すべき市場はまだどちらにもたくさん残されていると思いますので、今の時点ではたとえばどのような影響があるのかといったことは言える段階ではないと思います。
――日本では携帯電話からの利用のニーズが高いと思います。携帯電話を前提とした新たな機能であるとか追加してみたい機能などはありますか
Williams氏:まずは現状の改善が先だと考えています。たとえばNTTドコモの端末がきちんとサポートされていないといった問題であるとか、そうした点から取り組んでいって、本来あるべきサービスの姿にしていきたいと思います。その上で、さらに必要なサービスについて検討していきます。
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■URL
Twitter
http://twitter.com/
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