NEC、現場業務支援用ウェアラブルコンピューター「Tele Scouter」を発売


NECのウェアラブルコンピューター「Tele Scouter(テレスカウター)」

 日本電気株式会社(NEC)は17日、ウェアラブルコンピューター「Tele Scouter(テレスカウター)」の新製品を発売した。保守点検業務や組み立て業務などの支援向けの製品で、価格は1台40万円から。遠隔業務支援ソフトとの組み合わせが1台199万円から(価格はいずれも税別)。

 「Tele Scouter」は、ブラザー工業株式会社のヘッドマウントディスプレイ「AiRScouter」と、NECが開発したWindows Embedded CE 6.0ベースの小型コンピューター端末を組み合わせたウェアラブルコンピューター。AiRScouterは光源部に高精細の液晶パネルを用いており、高画質で12ポイントの細かい文字まで視認が可能。端末は、AiRScouterとの接続用に新たに開発されており、大きさ(140×90×55mm)や重さ(約360g)は従来製品の約半分。腰ベルトなどに違和感なく装着できる。

ヘッドマウントディスプレイと小型コンピューター端末従来品との比較

 作業者は、ヘッドマウントディスプレイで視界の一部に表示される半透明の映像を見ながら、両手で作業が行える。端末は無線LAN(IEEE 802.11a/b/g)とBluetoothによる通信に対応し、バーコードリーダーやセンサーなど外部機器との連携も行える。

 NECでは、Tele Scouter専用のアプリケーションとして、遠隔業務支援を行えるソフトを開発。専用のカメラ付きメガネフレームや市販のイヤホンマイクと組み合わせることで、オペレーターが作業員視点の映像をリアルタイムに見ながら指示を出すことや、説明書などを作業員のディスプレイに送信することができる。

遠隔業務支援ソフトの画面。作業員視点の映像をリアルタイムに確認できるカメラ映像に指示を書き込んで作業員に送信といったオペレーションが行える

 今回の製品は現場作業の支援向けだが、NECではウェアラブルコンピューターの将来の展開として、顔認識や音声認識など各種認識技術との組み合わせや、クラウド上のデータを活用し、AR(拡張現実)やエンターテインメントなどの応用分野にも展開していきたいとしている。


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(三柳 英樹)

2011/10/17 13:50