「Facebook App AWARDS」開催、グランプリに「Wantedly」と「リブライズ」


 Facebookアプリを表彰するコンテスト「Facebook App AWARDS(FAA)」が25日に都内で開催され、ソーシャルグラフを活用して企業の採用活動を支援する「Wantedly」と、本を通じてコミュニティスペースをより面白くする「リブライズ~すべての本棚を図書館に~」の2作品がそれぞれグランプリを受賞した。

「アワードの部」受賞者の皆さん
「コンテストの部」受賞者の皆さん

 FAAは、Facebook社が企業のマーケティングおよび技術的ソリューションを作り上げるための「Preferred Marketing Developer Program(PMD)」のパートナーである株式会社サイバードが主催となり開催。Facebook利用者数の拡大・成長を担うであろうアプリを表彰し、日本におけるFacebookの普及と成長、また開発者と企業の交流の場を作り、Facebookを通じたビジネスを創出する狙いがある。

 本コンテストは、過去に発表されたアプリの中から優秀作品を選定し、その制作者あるいは企業の功績を讃える「アワードの部」と、個人・企業からアプリを募集し、PMD認定企業の5社と特別審査員による審査を行い、優秀な作品を表彰する「コンテストの部」の2部構成で作品を募集。7月12日から8月31日までの応募期間で、100作品以上の応募を集めた。

 アワードの部では、ソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」がグランプリを受賞した。Wantedlyでは、企業が人材募集要項を掲載し、ユーザーが気になる会社や仕事を見つけたら、その“中の人”に会いにいくリクエストを送信、企業はリクエスト送信者と自社の社員とのつながりを可視化しながら、会社訪問や面談をしてもらう候補者を選定することができる。

「アワードの部」グランプリを受賞したWantedly, Inc. CEOの仲暁子氏
ソーシャルリクルーティングサービス「Wantedly」

 Wantedlyのグランプリ受賞理由について、サイバード執行役員技術統括本部長である落合伸行氏は、「企業が人材採用に関して抱えている課題がたしかにあり、それに答えることができるイメージが見えたから」とコメント。受賞したWantedly, Inc. CEOの仲暁子氏は、「Facebookは立ち上げ当初、はやらないと言われていましたが、今ではこんなに広がっており数多くのFacebookアプリが生まれてきています。WANTEDLYがグランプリを受賞したことで、世の中が変わりつつあるのを感じています。世界中の人が朝起きた時に仕事で心踊る世界を目指し、引き続きサービス改善にまい進します」と胸を張った。

 アワードの部ではこのほか、「ProFinder」「everevo」「すごい時間割」「Happy Flower」が各部門賞を受賞した。

 コンテストの部では、最終ノミネートした20作品の開発者が会場でプレゼンテーションし、審査の結果、本を通じてコミュニティスペースをより面白くする「リブライズ~すべての本棚を図書館に~」がグランプリを受賞した。リブライズでは、本に付いたバーコードと、本を借りたい人がダウンロードした専用アプリに付いたバーコードをバーコードリーダーで読み取り、借りた本がFacebookのタイムラインに共有される。

「コンテストの部」グランプリを受賞した河村奨氏
「リブライズ ~すべての本棚を図書館に~」

 リブライズのグランプリ受賞理由について、落合氏は「コミュニティスペースが本を通じてネットの世界と上手くつながっていき、O2O(Online to Offline)の良い事例になっていくんじゃないか」とコメントし、グランプリ賞金50万円を授与した。リブライズを開発した河村奨氏は、「まだ事業化できていないもので、初めてお金をもらった。とてもうれしいです。いただいた50万円はバーコードリーダーを買いまくり、リブライズをさらに広めるために使います。地元の、本がたくさんある本屋を教えてください」と会場に呼びかけた。

 リブライズはグランプリ以外にも部門賞「新規性の部」「操作性の部」や、各種協賛企業賞を受賞。審査員からは「ネット、本、カフェで人がつながることがワクワクする」「バーコードリーダーを使うという意外性が面白かった」「過疎化が進む地域に本を届けてくれたら」など高い評価とこれからの展開への期待が寄せられた。

 準グランプリに選ばれたのは、スマートフォンで写真に音声を付けて、簡単に家族や友人と共有できるサービス「Voicepic」。「こどもの動画は普段あまり動きがないが、Voicepicでは後から子どもの声を入れたりすることができる」(審査員談)点などが評価された。3位に選ばれたのは、仲間と一緒に旅の計画を立てて記録を行える「ソージャ! ソージャ!」。「旅のプランニングから思い出をまとめるところまでが一直線で設計されている」(審査員談)点などが受賞につながった。

準グランプリに選ばれた「Voicepic」3位に選ばれた「ソージャ! ソージャ!」

 落合氏は「たくさんの応募が集まり、第1回としては大成功だったのではないか。これから第2回、第3回と繰り返していく中でより多くの人にFacebookアプリを使っていただけるようになれば」と述べて、大会を締めくくった。


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(岡 徳之(tadashiku))

2012/9/27 13:36