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マウス発明者のダグラス・エンゲルバート氏、88歳で死去

 米国の著名な発明家で、マウスをはじめとするコンピュータのユーザーインターフェース開発に多大な貢献を行ったダグラス・エンゲルバート(Douglas Engelbart)氏が2日、88歳で亡くなったことが明らかになった。

 コンピュータ歴史博物館がツイッターで発表したほか、エンゲルバート氏の娘であるクリスティーナ・エンゲルバート氏も確認した。

 エンゲルバート氏の最もよく知られた発明はマウスだ。彼は1967年6月に現在マウスとして知られている機器の特許を申請し、1970年に取得した。

 この研究は、彼が大学卒業後に長期間籍を置いたスタンフォード大学と関わりの深い研究機関、Stanford Research Institute(後のSRI International)で行われた。ここでの研究成果の多くは、今日コンピュータで日常的に使用されている。例えば、ハイパーテキスト、画面共有によるコラボレーション、ウィンドウユーザーインターフェイス、テレビ会議などだ。

 エンゲルバート氏は1968年12月8日、サンフランシスコでこれらの技術をまとめたデモンストレーションを行った。このライブは「すべてのデモンストレーションの母」と呼ばれるほど後世に多くの影響を与え、現在スタンフォード大学のウェブサイトにてそのストリーミング映像を見ることができる。

 エンゲルバート氏は1925年、米国ポートランド州オレゴン生まれ。オレゴン州立大学で電気工学の学士号、その後カリフォルニア大学バークレー校にて電気工学の修士号と博士号を取得。生涯に25の論文を発表し、20以上の特許を取得したほか、1997年にはチューリング賞、2000年にはアメリカ国家技術賞を授与されている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)