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Amazon限定クラフトビール発売、家庭内独身含む「40代こだわりソロ活動男」向け

ヤッホーブルーイングとのコラボ商品「月面画報」

 アマゾンジャパン株式会社(Amazon.co.jp)は、Amazon限定のクラフトビール「月面画報」の予約販売を11月25日に開始した。株式会社ヤッホーブルーイングとのコラボ企画による商品。

 価格(税込)は、1ケース8缶(1缶350ml)入りで2695円、1ケース24缶(同)入りで6912円。初回2000ケースを用意しているが、予約が殺到しており、数日中には完売する見込みだという。2回目の出荷は12月後半を予定。なお、缶ビールはAmazon限定だが、生ビールに関しては「よなよな BEER KITCHEN 赤坂」(東京都千代田区)のほか、順次クラフトビールを取り扱う飲食店でも飲めるようになるという。

(左から)株式会社ヤッホーブルーイング代表取締役社長の井手直行氏、アマゾンジャパン株式会社バイスプレジデント兼消費財事業本部本部長の前田宏氏
Amazon限定商品「月面画報」

 ヤッホーブルーイングは、1996年に長野で創業し、今年で18年目になるクラフトビールメーカー。「よなよなエール」をはじめとして個性的なビールを販売し、画一的な日本のビール市場で際立った存在として注目を集めている。

 月面画報は、ペールエールをベルジャン酵母で造った「ベルジャンペールエール」というスタイル。「バナナを思わせるフルーティーなアロマが特徴のベルジャン酵母と、アメリカンホップが織り成す、芳醇で華やかな香りが特徴。かすかに感じられるモルトのやさしい甘みが調和する飲み心地の良いビール」としている。一般的なビールのスッキリ爽快テイストとは異なり、ゆっくり味わいながら、多少ぬるくなっても美味しく飲めるという。

 パッケージデザインは、昼間の顔とは違う「夜を楽しむ別の自分」をミステリアスなキャラクターで表現した。ロゴ、イラスト、商品説明文などバーコード以外はすべて斜めに配置されており、Amazon.co.jpの商品ページでも、缶の写真がすべて斜めに掲載されている。なお、月面画報という商品名は、月面という現実から離れた別世界を表したものだ。

Amazonの商品ページに掲載されている「月面画報」の写真
「月面画報」の特徴

 月面画報のコアターゲットは、「40代のこだわりソロ活動男」。好きなモノを楽しむ自分だけの時間を大切にしている男性のことで、家庭内独身も含む。商品コンセプトとしては、「人とは違うこだわりを持つ男性が自分ひとりだけの世界を楽しむ時のビール」と位置付けている。なお、フルーティーな味わいのため、女性でも美味しく飲んでもらえるとしている。

Amazon「お酒ストア」の起爆剤に

 Amazon.co.jpは、12月1日に都内でマスコミ向けのお披露目会を開催。同社バイスプレジデント兼消費財事業本部本部長の前田宏氏が登壇した。Amazon.co.jpは、ビール、ワイン、日本酒、焼酎など、酒類を取り扱う「お酒ストア」を4月にオープン。4月以降5000種類のお酒を提供しており、出店者が提供する商品を含むと15万種類以上の品ぞろえになる。

 Amazon.co.jpでは「クラフトビール」の検索数がここ数カ月で急激に増加したほか、お酒ストアでの年間ランキングでも、ヤッホーブルーイングのよなよなエールが3位にランクイン。また、月面画報を取り扱うにあたりユーザー1000人にアンケート調査を実施したところ、66%がクラフトビールを認知しており、クラフトビールの関心の高さを実感しているという。

アマゾンジャパン株式会社バイスプレジデント兼消費財事業本部本部長の前田宏氏
お酒ストアを4月にオープン
クラフトビールの検索数がここ数カ月で急上昇
お酒ストアの年間ランキングで「よなよなエール」が3位にランクイン

 株式会社ヤッホーブルーイング代表取締役社長の井手直行氏も、月面画報に描かれてあるミステリアスなイラストのコスプレとともに登場した。ヤッホーブルーイングでは、Amazon.co.jpのほかに楽天市場でも商品を展開しているが、クラフトビールの販売が非常に伸びている楽天市場と異なり、Amazonお酒ストアでのクラフトビールの販売はまだまだ少ないという。

 ただし、趣味系のものを含め、商品にこだわりを持つAmazonユーザーとクラフトビールの親和性は高く、Amazon限定商品を投入することでお酒ストアの魅力・売上拡大を促すための起爆剤としている。また、ヤッホーブルーイングとしては、インターネット上でのクラフトビール販売を加速させる戦略商品として位置付けている。

株式会社ヤッホーブルーイング代表取締役社長の井手直行氏
縮小中のビール市場と比べるとクラフトビール市場は堅調に推移
井手氏は、楽天市場やAmazon.co.jpのほか、ローソン、イオン、西友などリアル店舗でも購入でき、手軽にクラフトビールを楽しめる時代になったとしている
井手氏は、「インターネットのビール売り場は『月面画報』が変える」と意気込んだ

 なお、今回のコラボ企画は、ヤッホーブルーイング側から持ちかけて実現したもの。Amazon.co.jpでは、月面画報以外のクラフトビールでのコラボ商品は現時点では予定しておらず、当面、月面画報の販売に注力する。

(山川 晶之)