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権利者団体で導入が進む権利保護技術と共通ID〜CCDシンポジウム


 デジタル時代の著作権協議会(CCD)は13日、「デジタルコンテンツ流通の課題2005〜権利保護技術と権利情報の共有化」と題したシンポジウムを開催した。

 CCDは、日本音楽著作権協会(JASRAC)などの著作権管理団体と、日本映画製作者連盟などの製作者団体によって構成された協議会で、デジタル化やネットワーク化の時代にふさわしい著作権のあり方を検討している。今回のシンポジウムでは、権利保護技術の現状と権利問題に関する加盟団体の意識に関する報告や、コンテンツ流通促進のために著作権者やコンテンツなどにIDを付与するための環境整備に関する報告が行なわれた。


Yahoo! JAPANとの提携により約15,000件の海賊版出品を停止

CCD権利問題研究会の主査を務めるACCSの久保田裕専務理事
 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の久保田裕専務理事は、CCDの権利問題研究会の活動として、権利保護技術の現状と権利問題に関する意識の変化についての調査報告を行なった。権利問題研究会では、最新の技術的保護手段についての情報収集や法的見地からの検討、ブロードバンドコンテンツの流通における権利問題についての検討、国内外の海賊版対応の動向調査などを行なっている。

 久保田氏は、「権利問題については、技術的な保護の仕組み、法律・ルールの策定、著作権教育の3点が必要だと提言しているが、この中では特に保護技術の重要性が高いと考えている」として、国内法が及ばない海外での権利侵害などにも対応するためには、技術的なアプローチが重要であるとの見解を述べた。こうした状況をふまえて権利問題研究会でも、素材そのものに目に見えない形で情報を添加する技術や、データの暗号化・認証技術、ファイル交換ソフトによる流通を防止する技術、あらゆるファイル形式のデータを検索できる技術などの紹介や検討を行なってきたことを紹介した。

 また、ルールの策定という面からは、ACCSがYahoo! JAPANと共同で行なっているインターネットオークションにおける海賊版ソフトウェアの侵害対策についての取り組みを紹介した。ACCSではこれまで海賊版の出品に対して、個別の出品停止要請や出品者への注意喚起のメッセージ送付、警察への通報による刑事罰の適用といった対応を行なってきたが、海賊版の出品の増加を抑えるほどの効果は乏しい結果となっていた。

 そこで、ACCSとYahoo! JAPANでは2004年に海賊版ソフトウェアの出品に対して迅速な削除を行なうことで提携した。これにより、権利者が海賊版の出品を発見した場合にはACCSに連絡し、ACCSでは事前に協議した基準に基づいてYahoo! JAPANに出品停止を要請、Yahoo! JAPANが数時間以内に該当する出品を停止するという体制を構築した。

 この提携により海賊版の出品に対する迅速な対応が可能となり、これまでに約15,000件を出品停止にしたということで、海賊版の出品対策として効果を上げているという。こうしたことから、ネットワーク時代の権利保護にはサービスの提供者と権利者、権利者団体の協力が不可欠だとした。


権利問題研究会の活動内容 Yahoo! JAPANとの連携により約15,000件の海賊版出品を停止

権利保護技術の導入は進むが、技術の安全性に不安も

 また、権利問題に関する会員団体の意識調査として、権利問題研究会が2004年に実施したアンケートの結果が発表された。調査は2000年から継続的に、CCDの会員団体に対して行なわれている。

 アンケートによれば、権利保護について団体として取り組みを行なっているかという設問には、「団体としては何もしていない」という回答が初めてゼロになるなど、各団体は権利保護に高い関心を持っているという。

 一方で、この1年間に団体として違法行為者に対して苦情や警告書を出したことはあるかという設問については「ない」と回答した団体が59%に達した。これについて久保田氏は、詳細については追跡調査が必要であるとしながらも、権利侵害を発見した場合にどのような手続きを取るかというマニュアルや行動規範の策定が、団体として遅れているのではないかという見解を述べた。

 権利保護技術の導入状況については、「団体として統一した技術・規格を導入済み」という回答が18%、「団体として統一した技術・規格を検討中」が9%、「会員の一部が導入、または検討中」が27%となるなど、保護技術の導入が緩やかではあるものの進んでいる状況だとしている。しかし保護技術については、「特に不安なことはない」が9%であるのに対して、「不安な点がある」とする回答が54%となっており、以前の調査に比べて割合は減少しているものの、保護技術に対して漠然とした不安を抱いている団体が多いという結果になった。


権利保護に向けた権利者団体の取り組み状況 保護技術に対しては不安な点があるという声が依然として多い

共通体系IDの導入でコンテンツ流通の促進を

CCD著作権ビジネス研究会の主査を務めるJASRACの菅原瑞夫常任理事
 CCDの著作権ビジネス研究会からは、権利情報を共有することでコンテンツ流通の促進につなげるため、権利者やコンテンツに対してIDを付与する仕組みについての調査報告が行なわれた。

 JASRACの菅原瑞夫常任理事は、「権利情報を整備しただけではコンテンツの流通が活発に行なわれるわけではない」としながらも、「IDなどの導入による権利情報の共有は、これからのコンテンツ流通に向けて整備を進めなければならない課題だ」として、権利者IDやコンテンツIDの導入に向けた研究会の活動内容を紹介した。

 IDの導入はすでに会員団体でも個別に行なわれており、日本写真著作権協会では2004年4月から、プロカメラマン26,000人やアマチュアカメラマンなどに対して、著作権者IDの発行、画像保護、作品の著作権表示といったサービスを提供している。

 CCDでは、こうした各団体が現在利用しているIDをそのまま活用できる形で、「権利団体ID+団体内ID」といった形式の統一IDモデル「CCD ID」を2004年に提案した。この提案により、各団体でCCD IDモデルの導入が進んでいるという。また、現在はコンテンツの権利者に対するID(権利者ID)のみが提案されているが、2005年度はさらにコンテンツそのものに対するID(コンテンツID)の検討も進めていくことを明らかにした。

 コンテンツIDのモデルとしては、コンテンツに10桁のユニークコードを付与し、「映像ソフト」「シナリオ」といったコンテンツ識別ヘッダーや国別コードなどを付け加えるID体系の例などが紹介された。コンテンツIDについては、商品としての品番や、CM業界で既に利用されている共通コードの活用など、どのような形式が望ましいかについてはこれから検討していくことになるという。

 菅原氏は、「共通IDの導入により、権利者団体間や利用者間でのやりとりがスムーズになり、権利者団体もIDの導入に前向きだ。また、IDによって権利者の検索は容易になっても、権利者間でどのように利益を分配するかといったことは、権利者団体間などでさらに検討を進めていかなければならない」として、コンテンツ流通の促進に向けてはIDの導入だけでなく、各種団体などでの討議がさらに必要になるとした。


関連情報

URL
  デジタル時代の著作権協議会
  http://www.ccd.gr.jp/

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ヤフーとACCS、Yahoo!オークションの著作権侵害出品の削除で提携(2004/01/15)


( 三柳英樹 )
2005/04/13 20:21

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