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ヤフーの法務部長別所直哉氏
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ACCSの葛山博志氏
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コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)とYahoo!オークションを運営するヤフーは15日、Yahoo!オークションを悪用し海賊版ソフトウェアなど著作権を侵害したソフト販売を防ぐため、さまざまな協力をしていくことで合意した。両社では、オークション利用者に対して著作権保護を呼びかける啓蒙活動も共同で行なうという。
今回の提携で合意されたのは、「著作権侵害出品の削除強化」と「著作権保護の呼びかけ」の2点に関して。従来、ヤフー側と権利者側で個別対応していたものを統合・効率化し、違法販売の未然防止を目指すという。
Yahoo!オークションは現在、常時446万件の出品があり、国内最大のオークションサイトとして利用されている反面、2003年度には海賊版販売による刑事摘発13件のうち11件(84%)がYahoo!オークションへの出品によるものなど、犯罪に悪用されるケースが増加している。これを受けて、ヤフーでは2000年8月にパトロールチームを結成し、独自に出品物の削除やID停止処置などを行なっていたという。
一方、ACCSでは独自の監視体制により、著作権侵害出品者に対しては質問フォームから警告文メッセージなどを書き込むほか、ヤフーに対して削除依頼をしていた。このようなACCSによる個別対応は、2003年7月から11月末までで約4,000件に達し、通知後にオークションを終了する割合は約20%あるなど、ある程度の効果が出ていたという。ACCSの葛山博志氏によると、「著作権侵害出品者は、故意に行なっているユーザーがほとんどであり、なかにはこちらの警告後“質問受付停止ID”に我々のIDを登録し、警告文すら受け付けないようにする悪質な例もあった」とコメントした。
両者では、今後それぞれが培ってきたノウハウをできるかぎり共有し、監視体制の強化と著作権侵害出品の削除の迅速化を図りたいとしている。ヤフーのパトロールチームは「正規品」か「著作権侵害出品」か判断しかねる場合には、その都度権利者に問い合わせを行なっている。今後は、ACCSのノウハウを取り入れた詳細な削除基準を設け、パトロールチームが問い合わせを行なう回数を減らしていきたいという。
ヤフーの法務部長別所直哉氏は、「海賊版と知りながら購入しているユーザーにも問題がある。そのようなユーザーに対して、著作権保護を啓蒙していきたい。従来当社だけで行なっていたが、限界があった。今回の提携を第一歩として、今後この活動を拡大していきたい」と語った。
なお、質疑応答では「現在でも、著作権侵害出品者の評価が数百となっている事例が多く見受けられる。これは、評価が数百に達するまでチェックが入っていないという対応の遅さを表わしているのではないのか」、「ヤフーでは、権利者からの指摘を受け付ける“知的財産保護プログラム”に参加する際に、ヤフーの免責を認めなければ参加できないとするなど、権利者への配慮が少ないのではないか」などの批判的な質問が寄せられたが、ヤフーからは「今後努力して改善していく」という回答に止まった。
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ACCSが著作権侵害出品者に対して送信する警告メッセージの例
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Yahoo!オークションにおける刑事摘発数の推移。年々件数と全体に占める割合が増加していることがわかる
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ヤフーのパトロール体制のステップ。実際には“ステップ1.5”という段階も存在しているという
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両者の今後の啓蒙活動の一例
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ACCSが実際にYahoo!オークションで購入した海賊版の例。この場合、見た目も同じように印刷しているため、一見での判別は難しい
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ACCSが実際にYahoo!オークションで購入した海賊版の例。これは「認証破壊」を推奨している悪質な例だ
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関連情報
■URL
ACCS
http://www.accsjp.or.jp/
Yahoo!オークション
http://auctions.yahoo.co.jp/
・ ACCS、Yahoo!オークションのソフト出品者に“質問”を送る活動(2003/08/04)
( 大津 心 )
2004/01/15 19:32
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