手書きも読み込める！　「画像、写真から文字を認識するOCRアプリ」

テキストがあると助かるシーンは何気に多そう

　校正や文字チェックのために印刷した直後に元のファイルをうっかり別のファイルで上書きしてしまった、すでに印刷物しかない原本を大至急PCに取り込んで編集する必要が生じた、まとまった量の文章からなる資料を翻訳ツールに流し込んで速やかに理解したい、こんなとき便利なのが、OCR機能です。

　高品質のスキャナアプリには、印刷された文字を検索可能なレベルでテキストデータ化までしてくれるものが増えています。しかし、そこからさらに必要なテキストだけをきれいに抜き出すのは、手間が掛かるものです。単純に目の前の文字列を読み取ってテキストにしてくれるだけでいい、そんなときに便利なアプリを紹介しましょう。

OCRに特化したアプリ

　「画像、写真から文字を認識するOCRアプリ」（以下、OCR）は、印刷された文字をテキスト化することだけに注力したシンプルなアプリです。Android版とiOS版があり、いずれもユーザー登録は不要で、無料で利用できます。認識できる言語は、英語、中国語、ポルトガル語、日本語、スペイン語など86カ国語に及びます。手書きのメモをテキストに変換できるというのが大きな特徴です。

「画像、写真から文字を認識するOCRアプリ」の画面

メニューはとてもシンプルです

　使い方は非常に簡単。変換したい画像を選択するか、カメラで撮影するだけ。アプリで画像を読み込むと即変換が行われ、そのまま拡張子「.txt」のファイルとして保存できます。保存した後のテキストは、メールに添付して送信できます。テキストファイルの保存履歴も残るので、過去に遡ってファイルを送信することもできます。機能としてはこれだけで、指定した画像を読み取ってテキスト化し、メールするだけと実に割り切っています。ただし、取り込まれたテキストをコピー＆ペーストして、ほかのアプリで使うこともできます。

「画像を選ぶ」から、こちらのスクリーンショットを読み込んでみます

最後の最後で文字が化けていますが、スクロールの都合で文字の下半分が隠れた箇所でした

任意のファイル名を付けて保存できます

　画像の読み込み時にはインターネットに接続されている必要がありますが、その文字変換の精度はなかなかのものです。例えば、スマートフォンでメモ代わりに撮った画面のスクリーンショットでは、文字がほぼ完璧と言えるくらいの精度でテキスト化されました。これなら、手入力の手間が大幅に省けそうです。PCの画面をスマートフォンで撮影しても文字変換ができます。

　アプリの機能としてうたわれている“手書き文字”は、確かに認識・変換できましたが、書き手のクセ次第といったところもあります。筆者が試したケースでは、2行のうち1行しかテキスト化されませんでした。誤認識というよりは、文字が認識されていない状態ですが、変換そのものはお見事。上手に活用すれば、かなりの時間短縮が狙えそうです。

PCのディスプレイ越しにも使えます

こちらも高い精度でテキスト化されました

メモ帳に書かれた手書きの文字を撮影して、文字に変換してみます

手書き文字も高い精度でテキスト化されましたが、2行目を文字として認識せず。書き手のクセにも左右されるようです