第408回:クラウドとの連携も想定された次期SBS 「Aurora」を使ってみる


 さる8月16日、Microsoft Connectのサイトにコード名「Aurora(オーロラ)」として知られる次期Small Business Serverのプレビュー版が公開された。Auroraとはどのような製品なのか、実際に試すにはどうすれば良いのかを紹介していこう。

打倒NASで中小市場の開拓を目指す

 中小、もしくは、さらに小規模なSOHOの市場では、次期SBSとなる「Aurora」は、これまでのシステム環境を大きく変える、とても面白い存在になるかもしれない。

 8月16日、Microsoft Connect経由で、次期Windows Home Serverとなる「Vail」のプレビュー版のリフレッシュが実施されたが、これと同時に次期Windows Small Business Serverとしてのリリースが予定されている「Aurora」のプレビュー版の提供が開始された。

SBSの後継としてリリースが予定されているコードネーム「Aurora」。プレビュー版がConnectからダウンロード可能となっている

 現状、Windows Small Business Server(以下SBS)は、「Windows Small Business Server 2008」という製品名で提供されており、文字通り、Windows Server 2008をベースに、Exchange Server 2007 Standard Edition、Windows SharePoint Services 3.0、Forefront Security for Exchange Server、Windows Server Update Services 3.0、Windows Live OneCare for Server、SQL Server 2008 Standard for Small Business(Premiumエディション)などのサーバー製品を統合した製品として提供されている、

 しかしながら、多機能すぎることが影響してか、SBSを実際に利用している例はあまり多くない。時代の波もメールなどはクラウド上のサービスを利用する例が多くなってきており、ローカルのサーバーは、よりシンプルで低価格なNASが重宝されることの方が多くなってきている。

 このような状況の中、今後、マイクロソフトが巨大な中小市場に攻め込むための新製品として開発したのが今回の「Aurora」というわけだ。

 Auroraは、SBSの名前が使われているものの、製品としては家庭向けとしてこれまで提供されてきたWindows Home Severに近く、Windows Server 2008 R2をベースに、クライアントの管理やバックアップ、リモートアクセスなどの機能を提供する製品となっており、これまで統合されてきたExchangeなどは、Auroraからは省略され、オンラインのサービス(BPOS)を利用する形態へと変更されている。

Auroraは、Windows Server 2008 R2をベースにバックアップやリモートアクセスなどの機能を追加し、さらにアドオンによるクラウド連携モジュールによってBPOSなどのサービスを利用できるようになっている

 実は、従来通り、Exchangeなどを統合したオンプレミス型の「SBSv7」も登場予定だが、現状、ストレージはNAS、サービスやアプリケーションはオンラインという棲み分けが進みつつある国内の中小市場では、Auroraのようなクラウドとオンプレミスのハイブリッド型のシステムの方が受け入れられやすい。

 SBSと異なり、CAL不要で25クライアントまで利用可能なうえ、BPOSなどの必要なサービスも後から必要な分だけ追加すれば良いため、初期導入費用を抑えたい中小企業にはまさにうってつけの製品というわけだ。

 なお、Auroraに加え、次期Windows Home ServerのVail、SBSv7など、同じような製品が存在するため、その違いが若干わかりにくい。各製品の比較を簡単にまとめておくので参考にしてほしい。

【Vail、Aurora、SBSv7の比較】
VailAuroraSBSv7
ターゲット家庭~SOHOSOHO~中小中堅~
クライアント規模~10台~25台25台~
CAL不要不要SBS CAL
ベースOSWindows Server 2008 R2
ファイル共有
クライアントバックアップ
サーバーバックアップ
リモートアクセス
クライアント管理
Active Directory×
Exchange×クラウドオンプレミス
SharePoint×クラウドオンプレミス
Office Live Meeting×クラウドオンプレミス
Office Communications×クラウドオンプレミス
WSUS××オンプレミス
Forefront××オンプレミス

Microsoft Connectのキソ

 というわけで、実際に製品を使いながらその概要について紹介していきたいと思うが、その前に、Auroraを実際に試すための前準備について少し触れておく。

 現状、Auroraのプレビュー版はMicrosoft Connect(以下Connect)からダウンロード可能だが、Connectを使ったことがないという人も少なくないようで、登録ページが表示された状態で早々にダウンロードをあきらめてしまったという例も少なくないようだ。

 もともとベータ版のフィードバックを目的としたサイトとなっているため、製品ごとの登録が必要だったり、登録後もダウンロードページがどこにあるのかが見つけにくいなど、若干、敷居が高い印象がある。今後、他のプロダクトのテストもやってみたいという人のためにConnectの汎用的な使い方を紹介しておこう。すでに使ったことがある方は読み飛ばしていただいてかまわない。

 Connectのサイトにアクセスすると、バグ報告や提案募集中の製品数や最新情報などが表示されるページが表示される。これだけでも、すでに離脱したくなるかもしれないが、少々ガマンして右上の「Windows Live IDでサインイン」をクリックする。

 Windows Live IDを入力してサインインすると(所有していない場合は新規取得)、Connectへの登録画面が表示されるので、使用条件への同意や姓名などの情報を入力して登録すると、IDにひも付けする形でConnectへの登録が完了する。

Connectのサイト。フィードバックを目的としてサイトのため、ダッシュボートやディレクトリなど慣れないとわかりにくい構成になっているConnectはWindows Live IDがあれば誰でも、もちろん無償で利用可能。サインインして登録することでテストに参加することができる

 これでConnect自体に参加できるようになったので、続いてAuroraのテストプログラムに参加する。右上の「ディレクトリ」をクリックすると、現在、募集中のベータテストプログラムが一覧表示されるので、その中から「Windows Small Business Server」を見つけ出し、「申し込む」をクリックする(もしくはhttps://connect.microsoft.com/SBSから直接アクセスすることも可能)。

 再び姓名などの入力画面が表示されるので、必要事項を入力するとAuroraのサイトに接続できるようになる。このように、製品ごとにページが用意されており、ここからダウンロードやバグ報告などのフィードバックなどができるわけだ。

 ここまでたどり着けばあとは簡単だ。Public Previewへのリンクをクリックすると、ダウンロードぺージに移動するので、ファイルをダウンロードすれば良い。

Connectではさまざまな製品のテストが募集されている。Auroraのテストへは「Windows Small Business Server」から参加可能簡単な情報を登録するとベータプログラムに参加できる。ここからプログラムのダウンロードやフィードバックが可能となる

 Auroraは、全部で4つのファイルで構成されている。インストール用の「InstallDVD.iso」、クライアントをリストアするときに利用する「RestoreCD.iso」、サーバーのリカバリに利用する「SrvRecovery.iso」、そして重要な更新プログラムのKB2314472だ。

 最低限必要なのは、「InstallDVD.iso」と「Windows6.1-KB2314472-x64.msu」の2つだが、バックアップやリストアの検証までする場合はすべてダウンロードしておこう。

 また、プロダクトキーもConnectのサイトから発行することができる。とは言え、今回のPreview版はアクティベーションなしでも60日間利用できるのであまり必要ない。万が一、期限が切れたらその時点で発行すれば良いだろう。

Auroraは4つのファイルで構成される。インストールに必要な「InstallDVD.iso」はISO形式となるため、DVDなどに書き込んでおく

Auroraのインストールと初期設定

 さて、ConnectからAuroraをダウンロードできたら、続けてインストールについて解説していこう。

 システム要件は2GHz以上の64bit対応CPU、2GBのメモリ、160GBのHDDとなっている。ATOMベースのPCにもインストールできたWHS v1と比べると若干敷居が上がっているが、実用環境を考えてもこれくらいのスペックのPCは用意しておきたいところだ。

 PCが用意できたら、ダウンロードしたInstallDVD.isoをDVDへと書き込み、インストールを開始する。インストール自体は特に難しいことはないうえ、初期設定も後から変更できるので標準のまま進めてかまわないが、唯一注意するとすればドメインの設定くらいだろうか。

 Auroraでは、Active Directoryを利用してネットワーク上の資源を管理するため、セットアップ時にドメイン名を入力する必要がある。適当な名前を付けると、そのままさまざまなサービスがセットアップされてしまう。ドメイン名の変更というのは影響の大きな設定となるため、実際の利用シーンを考慮してセットアップ時にきちんと設定しておいた方が良いだろう。

インストール自体は特に難しい設定はない。ドメインの設定だけあらかじめきちんと考慮しておいた方が良い程度

 なお、既知の問題として、Western Digital製品の一部で採用されているAdvanced FormatのHDDを利用するとインストールに失敗することが報告されている。インストールする際はHDDを事前にチェックしていおいた方がいいだろう。

 また、Hyper-Vを利用した仮想環境にインストールすることも想定されているが、この場合はディスク容量に注意が必要。システム要件で最低160GB以上となっているので、仮想ディスクの容量を標準の127GBから増やしておく必要がある。

 また、今回のプレビュー版はそのままインストールすると途中でエラーが発生してしまう場合がある。どうやらIPアドレスの設定に失敗するようなので、セットアップがエラーで停止した場合は、「Ctrl+Alt+Del」を送信してタスクマネージャを起動し、セットアップを強制終了し、ネットワークアダプタの設定で手動でIPアドレスを設定後、再起動することでうまくインストールすることができた。機能の検証だけなら、仮想環境でも十分利用可能なので、気軽に試してみると良いだろう。

Hyper-Vにインストールする場合はディスク容量を160GB以上に設定する途中でインストールが中断されてしまった場合はIPの取得に失敗している可能性がある。インストーラーを強制終了し、ネットワークのプロパティでIPを固定で設定することで回避できた

 インストールが完了すると、Windows Server 2008 R2のデスクトップが起動する。通常であれば、サーバーマネージャから役割を追加したり、ADの管理をするところだが、Auroraの場合は、このような管理に「Dashboard」という専用のプログラムを利用する。Windows Home ServerやSBSの管理ツールと同じようなものだと考えれば良いだろう。

 DashBoardには「Home」、「Users」、「Computers and Backup」、「Server Folders and Hard Drives」、「Add-ins」という5つのタブから構成されており、サーバーの管理が簡単にできるようになっている。

 たとえば、ユーザーを追加したい場合は「Users」タブから「Add a user account」をクリックすれば良い。ウィザードが起動するので、名前やパスワード、権限、共有フォルダーへのアクセス許可、リモートアクセスの許可などを設定するとユーザーを追加できる。

 ポイントは、ADでユーザーを管理するものの、その内容が大幅に簡略化されている点だ。ユーザーのアクセスレベルは「Administrator」か「Standard user」の2択になっており、グループなどは選択できない。もちろん、OUのような概念もDashBoardからは利用できない。

サーバーのデスクトップ画面。サーバーマネージャも利用できるが、基本的な構成は専用ツールであるDashBoardを利用する
ユーザーの追加はウィザード形式で簡単。ただし、グループによる管理はできず、AdministratorかStandard Userかの2択でユーザーを管理する共有フォルダーの管理も同様。ユーザーごとにRead、Read/Write、No accessの3種類を選択するだけとなっている

 このあたりは、誰にでも手軽に扱える一方で、人によっては物足りないポイントかもしれない。Auroraの想定する環境は最大25クライアントだが、場合によっては2~3のグループを使って管理したいという場合もあるかもしれない。

 同様に共有フォルダーの作成もウィザード形式で簡単に作成できるが、ユーザーごとに「Read」、「Read/Write」、「No access」を個別に選択できるだけとなっている。小規模な環境の場合、管理はシンプルであるに越したことはないが、Windows Serverの作法に慣れたユーザーには少々物足りなく感じるかもしれないところだ。

 もちろん、従来通り、サーバーマネージャーを利用したり、フォルダーのプロパティでアクセス権を設定すれば詳細な管理は可能だ。ただし、Dashboard以外からの管理が、システム的に悪影響を与えないかどうか、そもそもライセンス的に許可されるかどうかは、慎重に検討する必要がある。このあたりは、最終的なリリース版やその際のEULAで確認する必要がありそうだ。

簡易サーバーと侮るべからず

 では、Auroraとは、単にWindows Server 2008 R2にわかりやすいシェルをかぶせただけなのか? というと、決してそうではない。Windows Server 2008 R2などを利用した汎用サーバーにはない機能的な特長も備えている。

 たとえば、クライアントのバックアップが代表的だ。Windows Home Serverから受け継いだ機能ではあるが、クライアントにモジュールをインストールすることで、データはもちろんのことOSやアプリケーションなどを含めたHDDのイメージをネットワーク経由でAurora上にバックアップすることができる。

 このバックアップ機能が良くできていると感心させられるのは、さまざまなクライアントに対応している点だ。AD環境というと、通常は法人向けのクライアントの利用が前提となるが、Auroraでは、Windows 7であればHome BasicやHome Premium、Starter。Windows VistaであればHome BasicやHome Premium(いずれもSP2)、さらにはWindows XP HomeやMedia Center Edition 2005(いすれもSP3)のクライアントも利用可能となっている。

さまざまなクライアントを接続可能。ドメイン参加できないOSもバックアップなどの機能は利用できる

 これら家庭向けのクライアントOSは、ADに参加することはできないため、これまでビジネスシーンでの利用が難しかった。しかしながら、その一方で、PCにプリインストールされるエディションとして使われることも多く、中小、SOHOなどの環境で多く使われているという矛盾が発生していた。

 もちろん、Auroraを利用しても、これらをADに参加させることはできないことに変わりはないが、共有フォルダーにアクセスしたり、バックアップを実行したりと、Auroraのクライアントとして利用することは問題なくできる。

 これを活用すると、XPからWindows 7への移行などもスムーズにできる。XPをAuroraのクライアントとして登録し、バックアップを実行。その後、必要に応じてHDDの交換などを行って、XPをAuroraからリストア(Auroraのリストアなら容量も自動的に拡張可能)。Windows転送ツールでデータをAurora上に待避。その上で、Windows 7へのアップグレードを行えば、移行のリスクを最小限に抑えることができる。

クライアントのバックアップは非常に完成度が高い。容量の異なるHDDへのリストアも可能なため、XP環境でバックアップ→HDD交換→リストア→XPからWindows7へ移行というシナリオも描きやすい

 Windows 7の発売からそろそろ1年。中小、SOHOなどの環境でも、XPからWindows 7への移行を検討しているところだと思われるが、こういった移行に際してAuroraを活用するというのも1つの手だろう。

 このほか、現状のプレビュー版ではまだ機能が実装されていないが、Mac OS XのTimeMachineバックアップにも対応している(クライアントモジュールは利用可能で共有フォルダーへのアクセスなどは実装済み)。

 このMac対応も中小やSOHOなどの環境ではうれしい機能だ。ホームページの制作やデザインなどを扱う企業はもちろんのこと、オンラインサービスやオンラインショップの展開などで検証用にMacを利用している場合が少なくない。

 このような環境では、これまでMacだけ別の環境(TimeCapsuleやUSB HDDなど)を用意して個別にバックアップするか、もしくは思い切ってまったくバックアップしないという状況であったと思われるが、Auroraがあれば、Macも含めたファイル共有、そしてバックアップ環境が1台で実現できるようになる。これは大きな魅力だろう。

Mac対応もAuroraの大きな魅力。現行バージョンではまだ実装されていないがTimeMachineによるバックアップも可能となる

 バックアップ以外の付加機能としてはリモートアクセスの環境も手軽に構築できるようになっている。環境によってはルーターのポートフォワードの設定なども必要だが、基本的にはDashBoardからリモートアクセスを有効にすることで、インターネット経由でAurora上のファイルにアクセスしたり、Aurora自身やネットワーク上のクライアントにリモートデスクトップで接続することができる。

 こういった機能はWindows Server 2008 R2だけで構築しようとするとかなりの手間がかかる(場合によっては別途アプリやコードの開発が必要)。しかし、Auroraなら機能をオンにするだけで良いわけだ。

 しかも、新しいAuroraのリモートアクセスでは、iPhoneなどのスマートフォン向けのページもしっかりと用意されており、スマートフォン経由でファイルを参照することなども手軽にできる。今後、中小やSOHOの環境では、ビジネスにスマートフォンをどのように活かすかが重要なポイントとなる。これを手軽に実現できる環境としてもAuroraは重宝しそうだ。

リモートアクセス環境も手軽に構築できる。外出先や出張先から社内のリソースを参照したい場合に重宝するiPhoneなどのスマートフォンからもアクセス可能

 このほか、Windows Home Serverから受け継いだDrive Extender(記憶域の追加やフォルダの複製などを実現する機能)もV2へと進化し、リアルタイムの複製処理(WHS V1では1時間に1回の処理がシステムに負荷をかけることがあった)に対応したり、V1で無効化されていたボリュームシャドウコピーが使えるようなったなど、さまざまな機能が追加、強化されている。

 中小企業やSOHOなどでは、いかにコストと管理の手間を減らしつつ、利便性を向上させたり、業務の効率化を果たせるかが大きな課題になるが、そういった意味では、Auroraなら、ファイルサーバー、バックアップサーバー、リモートアクセスサーバー、クライアント管理(更新プログラムやセキュリティ対策のチェック)などの複数の環境をまとめて1台で運用することができるため、こういったニーズにも応えることができそうだ。

早く実働環境を見てみたいクラウド連携

 このようにAuroraは、これまでのサーバーやNASを置き換える存在として、大きな期待ができる製品だが、実は、真の実力はまだ発揮されていない。

 冒頭でも紹介したが、Auroraは、ExchangeやSharePointなどはローカルに実装しておらず、クラウドのサービス(BPOSなど)を利用することが想定されているのだが、これらの機能は、現在のプレビュー版ではまだ実装されていないからだ。

 もちろん、単にBPOSが使えるだけではない。次期BPOSとAuroraの組み合わせでは、AD FS(Active Directory Federation Service)によるシングルサインオン環境が提供される。

 現状、BPOSを利用しているユーザーであれば、体験済みだと思われるが、現状のBPOSの認証環境はとてもスマートとは言えない。アカウントをオンラインで管理し、専用のクライアントを使ってサインインする必要があるため、アカウントの管理やユーザーの利便性が今ひとつ好ましくない。

 しかし、Auroraと次期BPOSを利用すれば、AD FSによってローカルのADとオンラインのBPOSの認証を連携させることができるため、基本的にローカルにログオンするだけで、シームレスにBPOSを利用可能になる。

 もちろん、BPOSだけとは限らない。サービス側の対応が必要だが、会計、給与、営業支援、開発など、さまざまなサービスをAD上のアカウントのみでシームレスに使えるようになる可能性があるわけだ。

Auroraのアドインと次期BPOSとの組み合わせによってクラウドサービスがより身近になる。言わばAuroraがクラウドへの橋渡しをする存在となる

 逆に言うと、クラウドサービスを提供する企業は、Auroraと連携させることで、これまでサービスが認知されにくく、契約に結びつきにくかった中小・SOHOといった市場にまでリーチすることも可能だろう。

 「乱立するクラウドサービスを使いやすくまとめて管理する」、今後、ローカルサーバーは、単なるストレージとしてだけでなく、そういった役割も兼ね備える機器として存在感を増してくるのではないだろうか。実際にAuroraを使ってみると、まさにそんな印象を受ける。

 Auroraのリリースはまだ先でおそらく来年春ごろになると予想されるが、前述したバックアップ、リモートアクセスなどの機能は今すぐ試すことができる。今後の中小、SOHOのシステム環境の行方が見えてくる製品となっているので、ブレビュー版をダウンロードして、今から検証を始めてみてはいかがだろうか。


関連情報

2010/9/21 06:00


清水 理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるWindows 8.1/7 XPパソコンからの乗り換え&データ移行」ほか多数の著書がある。