いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
使うと笑いが止まらない! その一瞬が勝負のメッセージングアプリ「Snapchat」
2016年8月3日 06:00
サービス名 | Snapchat |
リリース日 | 2011年9月 |
運営会社名 | Snapchat, Inc. |
料金 | 無料 |
登録 | 必要 |
URL | https://www.snapchat.com/ |
年齢層によって、知っている人は知っているけれど、知らない人はまったく知らない可能性の高いサービス(アプリ)があります。それが「Snapchat(スナップチャット)」です。
実際、筆者の周りでは、名前を出しても反応する人はほとんどいません。しかし、米国では若者を中心に大ヒットしており、日本でも10代の若者を中心に「スナチャ」の呼び名で使われているといいます。
若者の間で爆発的な人気を得たメッセージングアプリ
「Snapchat」とは、ひとことで言えばメッセージングアプリです。iOS版、Android版があり、個人またはグループ間で、テキストメッセージや音声通話、動画、ビデオ、スタンプなどのやりとりができます。
フォロワーなら誰でも見られる「ストーリー」と呼ばれる、コンテンツのストック機能もあり、ジェシカ・アルバやアリアナ・グランデ、ジャスティン・ビーバー、リアーナ、カイリー・ジェンナーといったセレブリティだけでなく、ホワイトハウスまでがアカウントを持っており、日々情報を発信しています。日本ではタレントのローラさんや渡辺直美さんらがアカウントを持っているようです。
世界中では2016年2月時点で、80億本の動画が毎日閲覧されるようになったと言われるほか、2016年5月3日の公式ブログによれば、「1億人以上の人々が毎日Snapchat使用している」そうです。
Snapchatを作ったのは、当時スタンフォード大学の学生だったエヴァン・スピーゲル(CEO)と、ボビー・マーフィー(CTO)の2人。2人は知り合うと、学生だった2011年5月に会社を設立。Snapchatのもととなるアプリを開発し、2011年9月にSnapchatが誕生します。
当時スピーゲルはまだ21歳。同じく学生時代にFacebookを作り上げたマーク・ザッカーバーグを超える若さでした。そのFacebookが2013年、Snapchatに30億ドルという巨額で買収を打診したものの、けんもほろろにあしらわれたというニュースが世界を驚かせました。また、スピーゲルはつい最近、世界的に有名なファッションモデルであるミランダ・カーと婚約したことでも話題になっています。
Snapchatの人気の秘密
正直、アプリの使い勝手はちょっと難しく、筆者の周辺では使いこなしにくいという声が聞かれます。どうやったら再生中の動画を停止して前の画面に戻れるのか、設定にたどりつけるのかなど、分からなくなることも多々。それでも、あまたあるメッセージングアプリの中で、なぜSnapchatがこれほどまでに若者に支持されているのでしょうか。
その答えは、友達から送られてきた動画や写真を含むメッセージ、およびストーリーは、時間が経てばすべて消えてしまうという大変ユニークな機能と、何度も試したくなるエフェクト機能にあるようです。
通常、1度インターネット上に流出させてしまった写真や言動をなかったことにするのはまず不可能。若者なら、その場の気分や思い付きで、常識では考えられないような言動をポストすることもあるわけで、時間が経ってから後悔することもあるはず。ときには、その後の人生さえも左右しかねない汚点を残すこともあります。事件や事案にならなくとも、相手に送ったメッセージ内容を見返して、送らなければよかった、と思うことは誰にでもあるはず。
Snapchatは、送ったメッセージはすべて消えてしまう仕組みになっています。写真や動画を送るとき、最大10秒まで再生時間を指定でき、受信者はその間だけ見ることができます。時間が経過したら1度だけリプレイで見られますが、その後は消えてしまうので二度と見られません。そんなことをいってもスクリーンショットを撮ればいいだろうと思うでしょう。確かにスクリーンショットを撮ることはできますが、撮ったことは相手にしっかり通知されます(リプレイしたことも通知されます)。
どんなにやりとりしても、翌日見てみると、その内容は写真や動画だけでなく、文字ですら綺麗さっぱり消えているのです。これは、友達が「(送ったメッセージが)勝手に消えればいいのに」と言った言葉がヒントだといいます。
撮影した写真や動画はスマートフォンの中に残して、他のSNSに投稿することはできますが、基本的にSnapchatのやりとりはSnapchatの中に閉じており、記憶には残るけれど、痕跡は残らない。Snapchatのやりとりは、まるで口から発した言葉のようでもあります。ここが若者に支持される一番大きなポイントのようです。
試したいあんな効果、こんな効果
そのかわり、動画の撮影機能はとてもおもしろく、刺激に満ちています。カメラを起動させたら、そのまま普通に撮影したり、テキストや絵文字を合成して送信することもできますが、おすすめはやはり動画でしょう。
インカメラで自分の顔を長押しして認識させたら、表示される効果の中から好きなものを選ぶだけ。すると、自分の顔もしくは一緒に写っている友達の顔にさまざまな効果が合成され、別人に変身することもできます。
単に変身できるだけでなく、目、口、眉など表情を動かすことで、口から虹や煙りが出たり、舌を出したり、爆発したりといろんなアクションもあり、まさに一発芸的な効果で、試してみるだけでもかなり楽しめる内容です。
気に入ったものがあれば、画面下の「○」を押し続ければ、その間動画として保存することができます。動画は友達に送信する、自分のマイストーリーとして保存する、ローカルに保存するなどが選べます。自分でも繰り返し再生して楽しみたいときは、いったんローカルに保存してから友達に送るといいでしょう。
カップルや友達、家族で一緒にいるなら、リアルタイムに顔を入れ換える効果もぜひ遊んでみたい機能の1つ。まるで別人になったお互いの様子に爆笑間違いなしです。親子なら顔を交換しても違和感がなかったりするかもしれません。
米国のセレブも、これらの顔合成効果を楽しんでいるようです。たとえばアリアナ・グランデのストーリーを見ると、いろんな効果で顔を変えながら歌っている様子を見ることができます。ファンサービスにはもってこいなのでしょう。
操作の基本を抑えておけば、使いこなせる日も来そう
Snapchatを使う上で覚えておきたいのは、その操作方法です。縦横のスワイプを多用するため、コツを覚えておくと操作しやすくなります。
まずアプリを起動するとインカメラになりますが、撮影画面を中心に、右側が「ストーリー」、左側が友達とのチャットとなっており、それぞれは左右のスワイプで切り替えます。
「ストーリー」には、自分が撮影したものを保存しておくことで、友達にまとめて見てもらえる「マイストーリー」と、自分がフォローしている友達や有名人の「ストーリー」、Snapchatと提携していると思われる米国のさまざまな媒体によるコンテンツの3つを見られます。
ストーリーの中で、任意のユーザーのストーリーまたは媒体を選択すると自動的に再生されますが、再生を終了したいときは画面の上から下に向ってフリックすればOK。そのまま画面を左から右にフリックすると、撮影画面に戻れます。
撮影画面からさらに左にいくとチャット画面になり、これまでやりとりのあった相手が一覧で表示されます(大抵中身は空ですが)。すでにやりとりがあった相手に再び送りたいときは、その相手の名前を右にフリックすることで編集画面を表示できます。
新しい相手にメッセージを送りたいときは、画面左上の吹き出しようなアイコンをタップし、チャット相手を選びます。
肝心の友達ですが、これは撮影画面の上にあるおばけのアイコンをタップすることで追加できます。ユーザー名の検索、アドレス帳、スナップコード、位置情報などが使えます。
スナップコードとは、穴がぼこぼこあいた黄色いアイコンのことです。これ自体がコードになっており、読み込むと登録できるのです。
QRコードやバーコードのような専用リーダーがあるわけではありません。目の前にいる相手に自分を登録してもらいたいときは、スナップコードを写真に撮ってもらい(普通のカメラ機能でOK)、それをギャラリーやカメラロールから選ぶだけです。
ちなみに「フレンド」を開くと、フォローしている有名人などもリストにでてきます。何か送ってやろうと思う方もいるかもしれません。しかし、相手からフォローされない限りメッセージを送ることはできませんのでご注意ください。
有名人にとって、一方的な言いがかりやクレーム、誹謗中傷は悩みのタネかもしれませんが、Snapchatでは相手をフォローしない限り送り付けられる心配はありません。だからこそ、自然体の日常をストーリーで公開するなどして、ファンを楽しませることに注力できるのだなと想像できます。
大人も楽しめるメッセージングアプリ
Snapchatは、そのクセのあるインターフェイスが、むしろ大人の流入を阻んでいる気すらするわけですが、使ってみると、送ってしまった恥ずかしいメッセージを繰り返し目にして、いたたまれない気持ちになることもありません。毎日リセットされているようで、ちょっと新鮮です。
また、一瞬のウケは狙っても、「いいね」機能がないため、下手に承認欲求をかき立てられないというのも魅力の1つと言えそうです。
むしろ、顔のエフェクトなどは、大人でも十分楽しめるものです。一切のログが残せないので、さすがにビジネス用には使えませんが、使っているうちに、自分なりの活用方法が見つかるかもしれません。