いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

かんたん取引、かんたん決済で便利になったオークションサービス「ヤフオク!」

サービス名ヤフオク!
リリース日1999年9月28日
運営会社名ヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)
料金無料
URLhttp://auctions.yahoo.co.jp/jp/
登録Yahoo! JAPAN IDが必要
ヤフオク!

 新しい土地で新生活を控える方がぞくぞく生まれ、引っ越しが増えるシーズンです。そんなとき決まって生じるのが不要品。まだ使えるのに捨てるのはもったいないと思ったとき、便利なのが新しいオーナーを探せるオークションサービスでしょう。

 「ヤフオク!」は、ヤフー株式会社が運営する、年間利用者数約1018万人の日本最大級のオークションサービスです。最近ではスマートフォンを持つ若者をターゲットにしたフリーマーケットサービスも増えていますが、「ヤフオク!」は1999年9月に「Yahoo!オークション」の名前でサービスを開始してから、約16年という歴史をもつ老舗。「ヤフオク」の通称で知られてしましたが、2013年3月に「ヤフオク!」に名称を変更しました。日用品から不動産まで非常に幅広いカテゴリーを持ち、官公庁のオークションも行われています。ときには想像を超えるようなレアなアイテムが出品され、話題になることも多いオークションサービスです。

Yahoo! JAPAN IDだけで入札できるように

入札のハードルが大幅に下がりました

 「ヤフオク!」は、パソコンやモバイル端末のウェブブラウザー、およびスマートフォン用のアプリで利用できます。利用できるのは満15歳以上(中学生を除く)で、Yahoo! JAPAN IDの取得が条件となり、入札や落札での利用料はかかりません。

 以前は入札でも有料サービスのYahoo!プレミアム会員(2016年3月から税抜で月額462円)になることが必須でしたが、2013年10月からはYahoo! JAPAN IDだけで可能になり、5000円以下という制約も撤廃されています。ただし、自動車車体、トラック車体、オートバイ車体、不動産などの一部カテゴリーの入札に関してはYahoo!プレミアム会員への登録が求められます。

Yahoo!プレミアム会員になるとヤフオク!の利用でも「お買い物あんしん保障」が利用できます

 入札そのものはYahoo!プレミアム会員でなくても問題はありませんが、入っておくと事故や破損、盗難、修理時に保障する「お買い物あんしん保障」(http://hosho.yahoo.co.jp/okaimono/)が利用できます。

 支払い方法は出品者の提示する内容次第ですが、都市銀行、ゆうちょ銀行、ジャパンネット銀行などへの振込のほか、切手を選択できる場合もあります。

「Yahoo!かんたん決済」の手数料を無料化

Yahoo!かんたん決済
落札者の支払いにおける決済手数料が撤廃されました

 2016年1月15日からは、中古車、不動産などの特定カテゴリーを除き、「Yahoo!かんたん決済」を利用する場合の決済手数料が支払い方法、金額にかかわらず無料化されました。

 「Yahoo!かんたん決済」は、クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、Diners、American Express)や、インターネットバンキング(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、ジャパンネット銀行、楽天銀行など)を使った決済を、「ヤフオク!」を仲介して行えるサービスです。

 出品者は個人情報や口座番号を伝えずに振込を依頼できるほか、支払後には双方に通知が行くため、連絡漏れもありません。また、落札者は入力ミスによる振込間違いや、トラブルが多数報告されている口座への振込を防げるというメリットもあります。支払いにTポイントが使えるのも特長の1つです。

 これまで出品者に直接支払う場合、手数料を抑えるために同じ銀行に口座を持つ商品を選ぶといった工夫もしていたはず。しかし、これからは「Yahoo!かんたん決済」さえあれば迷うことはないでしょう。 手数料がかかる特定のカテゴリーはサイト(http://payment.yahoo.co.jp/buyer/fees/)で確認してください。

出品は無料。落札システム利用料は値上げへ

落札システム利用料が改訂されます

 出品する場合は、Yahoo! JAPAN ID、Yahoo!プレミアムの登録、モバイル確認または本人確認の3つが必要となります。

 かつては出品1件につき10円の出品料がかかりましたが(毎月10件まで無料の時代もありました)、2013年10月より個人の出品システム利用料が無料になりました。また、現在はストアの月額システム利用料も無料化されています。

 実際の出品時にかかる費用としては、1出品あたり10.80円(税込)など、利用した時点でかかる「オプション利用料」などがあるほか、入札のあったオークションを取り消すと、1出品あたり540円(税込)の出品取消システム利用料がかかります。商品が落札された場合は、落札システム手数料が発生します。

 出品はしやすくなりましたが、その分落札システム手数料は値上げされました。2016年2月16日午前0時以降に終了したオークションから、落札システム手数料を、625円以上のオークションで現在の5.40%から8.64%(個人出品)、または7.56%(ヤフオク!ストア出品)にすることが発表されています。

「かんたん取引」で出品後のやりとりが圧倒的に楽に

現在ヤフオク!では出品改善宣言を出しています

 「ヤフオク!」16年の歴史の中で、最近もっとも大きく変わった点といえば、「かんたん取引」かもしれません。初期の頃は取引相手と直接メールで連絡を取り合う必要がありました。それが2007年5月からはメールアドレスを伝えずに連絡できる掲示板風の「取引ナビ」機能が追加されました。

 1取引に15回までやりとりできるというもので、タイトルも一覧から選択できるなど簡便になりましたが、それでも文面は各自が作成しなくてはなりませんでした。それが、2014年9月に登場した「かんたん取引」(http://topic.auctions.yahoo.co.jp/promo/tradingnavi/)では、1文字も書かずにクリックだけで取引が終えられるようになったのです。

これまでの「取引ナビ」。メッセージは自分で書かなければなりません
「かんたん取引」で出品された商品は、ボタンをクリックしていくだけで取引が進みます。送り先も設定した住所を連絡できるので、こちらから入力しなくて済みます
クリックしていくだけで簡単に取引を行えます

 クリックだけで済ませられるのは、出品者が「かんたん取引」で出品した商品に限られます。あらかじめ連絡先や支払い方法、振込先を設定しておくことで、必要に応じて落札者に自動的に開示されるため、文面に悩む必要もなく、連絡の手間も回数も最小限に抑えられるというメリットがあります。取引に慣れた方なら、落札通知メールに必要事項をすべて記載しておき、あとは落札者からの送付先と入金連絡を待つだけという最短コースも可能ですが、通常は振込先を聞くだけで1往復、発送まで平均して2~3往復はかかり、都度返事を書くことになります。「かんたん取引」ならメールが苦手という方でも取引しやすいこと間違いなしです。

今後もさらに売りやすくするための機能やサービスが予告されています

出品の手間もスマホで軽減

「ヤフオク!」アプリの出品画面。パソコンを使うよりも気軽に出品できそうです

 面倒臭さといえば、出品の手間もバカにできないのが「ヤフオク!」です。写真を撮ってパソコンに取り込み、トラブルにならぬよう文面をしっかり考えて、最適なカテゴリーを探して出品する――というのは結構骨の折れる作業です。何点もある場合はかなり時間も取られます。そもそもカメラやパソコン、サイトの操作そのものが壁になっているという方も多いはずです。それゆえ、出せば売れるだろうと分かってはいても、何もしていないというものも多いのではないでしょうか。

 この点もスマートフォンの普及でだいぶ緩和されているようです。無料でダウンロードできる公式アプリ「ヤフオク!」を使えば、慣れたスマートフォンで撮影しながら、「かんたん取引」での出品手続きを簡単に進められます。最近のスマートフォンのカメラは、デジタルカメラに匹敵するといっても過言ではない性能を持っていますし、レタッチもアプリで簡単になっていますから、以前に比べ、はるかにカジュアルに出品できるようになったといえるでしょう。

 通知もスマートフォンで受けられますし、今ではスマートウォッチを使って状況を知ることもできます。パソコン時代に参加を断念されていた方は、今こそトライしてみる価値はありそうです。

高く売りたい、安く買いたいならオークション

 オークションでは、ユーザーの入札状況によって価格が決まります。価格交渉が可能な商品もありますが、基本的に出品価格よりも下がりません。人気商品になれば入札数も増えるため、その分価格も上昇します。商品のスタート価格や写真、説明文、出品タイミングなどを工夫することで、想定以上の価格で売れる可能性を秘めているのがオークションの大きな魅力です。

 逆に、新品同様の製品を安く手に入れられる可能性があるのもオークションです。今すぐ売りたい、提示した価格で売れればいい、できるだけ早く手放したいというときは、すぐ落札できる即決価格も設定できますので、買い物感覚で入札できます。

 新生活を迎える前に、「ヤフオク!」で身の回りを整えてみてはいかがでしょうか。不要品を売る、もしくは費用を安く済ませることで、ちょっとしたお小遣いが手に入るかもしれません。

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。