いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
iPhone、iPadユーザーならお守りになる「iCloud」
(2015/10/28 06:00)
サービス名 | iCloud |
リリース日 | 2011年 |
運営会社名 | Apple Inc. |
料金 | 5GBまで無料、50GB月額130円、200GB月額400円、1TB月額1300円 |
URL | https://www.icloud.com/ |
登録 | 必要 |
Appleが提供するストレージサービス
iCloudとは、複数のデバイスでデータや設定を効率よく同期できるようにするAppleのストレージサービスです。2011年からスタートしましたが、2014年9月にはiCloud Driveと呼ばれるクラウドストレージ機能も加わったことで、現在では連絡先やメールなど、決まった項目を自動的にバックアップ/共有する機能と、ファイルの種類に関係なく、アップロードしたファイルを保存し、複数のデバイス間で共有できるようにするクラウドストレージ機能の2種類を含んでいます。
無料で5GBまで利用できますが、より大きい容量を使える有料プランも用意されており、50GBで月額130円、200GBで月額400円、1TBで月額1300円となっています(https://support.apple.com/ja-jp/HT201238)。
対象デバイスはiPhone、iPad、iPod touch、Apple TV、パソコン(Mac、Windows)で、利用するにはApple IDが必要です。同じApple IDでログインし、iCloudを利用できる端末間でなら、iCloud上のデータを共有できます。環境設定が完了したパソコンなら、ウェブブラウザーでhttp://www.icloud.com/にアクセスすると、iCloud上の各データを確認・編集できるようになります。
利用するにはそれぞれの環境でiCloudを有効にしておきます。たとえばiPhoneの場合、設定アプリを開き、「iCloud」をタップして、Apple IDとパスワードを入力してサインインし(ない場合は作成)、設定内で必要な機能をオンにします。Macはシステム環境設定で「iCloud」を開けます。Windowsの場合は専用のソフトウェア「iCloud for Windows」をインストールする必要があります。
なお、利用するには前述の環境がシステム要件を満たしている必要があります。細かいOSのバージョンなどについては、公式サイトのシステム要件(https://support.apple.com/ja-jp/HT204230)を参照してください。
iCloudでできることは「同期」「バックアップ」「iCloudメール」「iPhoneを探す」
iCloudには、大きく分けて「同期」「バックアップ」「iCloudメール」「iPhoneを探す」の4つの機能があります。
「同期」できるのは、カレンダー、連絡先、リマインダー、メモ、Safariのブックマーク、iPhoneのSafariで開いているタブ、フォトストリーム(写真を1000枚まで、あるいは30日間)、写真を家族や友達と共有できる「共有フォトストリーム」、ウェブページのパスワード、iPhone、iPad、Macで同期する「iCloudキーチェーン」、書類などです。
「バックアップ」は、「iCloudバックアップ」といって、カメラロールの写真とビデオ、設定、アプリのデータ、ホーム画面のアプリの配置、iMessage・SMS・MMSのメッセージ、着信音、ビジュアル・ボイスメールをバックアップします。機種変更や端末を交換した直後でも、これらのバックアップデータがあれば新しい端末もすぐに利用できるため、に非常に重宝します。
「iCloudメール」は、iCloudを使い始めると取得できる***@icloud.comというメールアドレスです。メールはサーバー上に保管されるため、iPhone、iPad、Macのどこからでも新着メールを確認できます。未読、既読といった状態も同期できます。
「iPhoneを探す」は、専用アプリでiPhone、iPadの位置情報を確認できるというもの。iPhoneのロック、メッセージ送信、サウンド再生、iPhoneの初期化ができるので、いざというときに安心です。
iCloud Driveは自由な保存が可能なクラウドストレージサービス
iCloudは安心を保存してくれるサービスですが、ユーザーがデータに直接アクセスすることはできません。そこで用意されたのが、サーバー上に好きなファイルを保存できる「iCloud Drive」(http://www.apple.com/jp/icloud/icloud-drive/)です。2014年9月9日にiOS 8とOS X Yosemiteで使える新サービスとして発表されました。
ファイルサイズが15GB未満で、契約中のiCloudストレージの上限を超えないなら、ファイルの種類に制限なく保存できます。パソコンのウェブブラウザーでicloud.comにアクセスし、iCloud Driveを開けばドラッグ&ドロップでファイルをアップロードできますし、iPhoneやiPadなら、所定のアプリで作成したファイルを直接保存することもできます。また、iOS 9のiCloud Drive Appをホームに表示させることで、アプリからもアクセスできます。MacでiCloud Driveを有効にすると、Finderのサイドバーに現れるようになるため、もう1つドライブが増えたような感覚で使うこともできます。
特にAppleが開発・販売しているオフィススイートで、ワープロソフトのPages、プレゼンテーションソフトのKeynote、表計算ソフトのNumbersの3つを含むiWorkを使うなら、活用しない手はないでしょう。Macで作成していたプレゼンテーションファイルの続きを、iPadで作成したり、iPhoneでチェックするったことも可能です。すべて1カ所に保存されているので、いろんなデバイスからアクセスでき、常に最新の状態を保つことができます。
スペースの使い道
iCloudでは、アップロードされるものがすべて容量としてカウントされているわけではありません。
たとえば無料の5GBの場合、スペースを使うものと、使わないものの2種類があります。バックアップ、書類、メールは容量を消費しますが、ブックマーク、カレンダー、フォトストリームはカウントされません。また、購入した音楽、映画、App、ブック、テレビ番組、および共有アルバムは、無料ストレージ分には加算されません。
ただし、カレンダー、予定、リマインダーの合計が最大数2万5000、カレンダー、リマインダーの全データの最大サイズが24MBなどの制限はあるようです。また、連絡先も合計2万5000までで、最大サイズは256KBまで、Safariのブックマークも2万5000までなどといった制約もあるようです。詳しくは制限に関する公式ページ(https://support.apple.com/ja-jp/HT202158)をご覧ください。
iCloudを活用すると安心が増える
iCloudを使うと、どこでも同じデータが参照しやすくなるため、使い勝手が向上します。仮にデバイスは1つだけという場合でもバックアップが簡単になり、紛失や破損、機種変更するときに復元しやすくなるでしょう。特にiPhoneを利用しているけれど、パソコンを持っていない、パソコンで同期したことがない、バックアップの仕方が分からないという方は、iCloudを使うことで不測の事態に備えられるでしょう。
iPhoneやiPadユーザーで、iCloudが何か分からず、怖いので触ってなかったという方は、今すぐバックアップから始めてみてはいかがでしょうか。