イベントレポート

第2回IoT/M2M展 秋

IoTで「スマートやさい」収穫、GPU搭載のドローン上で機械学習させてしまうデモも~オプティム

 10月26~28日に幕張メッセで開催された「Japan IT Week 秋 2016」の展示会「第2回IoT/M2M展 秋」では、株式会社オプティム(OPTiM)が、クラウド側のIoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を中心に、IoT関連の業種別ソリューションを展示していた。

「OPTiM Cloud IoT OS」の紹介

 農業の分野では、佐賀県生産振興部と佐賀大学農学部との3者での取り組みを展示。ドローンのカメラが撮影した農地の映像を機械学習による画像解析にかけることで、農作業を効率化するものだ。

 たとえば、病虫害にあっている場所を画像解析で特定することで、ピンポイントで農薬を散布できる。また、作物の色を画像解析して生育状況をモニターし、遅れている場所に対策することで、生育状況をできるだけ均一化して、一度に収穫するときの収穫量を最大化する。

 こうして収穫された作物を「スマートやさい」ブランドとして販売することで、農薬使用を最小限にしていることや生育状況のデータを参照できるなどの安心を消費者にアピールするという。

ドローンによる農地画像から病虫害にあっている場所をピンポイントで特定(画像中の赤い箇所)
作物の色から生育状況をモニターしてできるだけ均一化する
「スマートやさい」ブランドの作物

 医療分野では、2種類のソリューションを展示している。「ポケットドクター」は、スマートフォンを使った遠隔診療サービスで、医療情報のプラットフォームを提供するMRT株式会社とともに提供している。スマートフォンのカメラで症状を見せることで、たとえば病院に行く必要があるかなどを医師がリモートで問診できる。また、ウェアラブルデバイスで収集したバイタルデータにより血圧の変化などを見て診断するといったこともできる。

 「在宅診療あんしんパック」は、要介護者が自宅でも入院中と同じようなケアを受けられるもの。介護士が1日3回程度訪問介護するだけでなく、「OPTiM Cloud IoT OS」を利用したAIカメラによって「転倒した」などの状況を検知してすばやく対応できるようにする。また、スマートウォッチを使ったナースコールやバイタルデータ収集などにも対応する。展示会初日の10月26日に発表され、佐賀県鹿島市の織田病院で実証実験が開始された。

医療ソリューションの紹介

 インフラの分野では、建築や土木作業などのための遠隔作業支援サービスを紹介している。たとえば海外での故障などのときに、現地の作業員のスマートグラスから送られてきた映像をもとに、音声や映像への書き込みなどで指示を出せる。Telepathy社のスマートグラスのほか、Vuzix、富士通、エプソンのスマートグラスに対応する。

遠隔作業支援サービス
Telepathyのスマートグラス
Vuzixのスマートグラス
富士通のスマートグラス
エプソンのスマートグラス

 そのほか、IoTやAI関連の基礎となる研究開発についても展示している。イベント会場の来場者を認識して導線を分析する例や、画像から人の性別や年齢などを判断する例、機械の音を機械学習して故障を予知する例、ドローン上にGPUコンピューティングモジュールを乗せて機械学習させてしまう例が紹介されている。

来場者を自動認識して導線を分析するデモ
画像から人の性別や年齢などを判断するデモ
機械の音を機械学習して故障を予知するデモ
ドローン上で機械学習させてしまうデモ。Raspberry Piと、GPUコンピューティングモジュールのNVIDIA Jetson TX1を搭載する