イベントレポート
G空間EXPO2016
「G空間EXPO2016」11月26日まで開催中、今年の展示ゾーンはドローンやVR、IoT、きのこたけのこ対抗も
2016年11月24日 19:00
「G空間EXPO2016」が11月24~26日の3日間、日本科学未来館(東京都江東区青海)で開催されている。開場時間は10~17時。入場は無料(日本科学未来館の常設展の閲覧は入場料が必要)。
G空間EXPOは、地図や位置情報など、地理空間情報(G空間情報)をテーマとした毎年恒例のイベント。地理空間情報の普及促進および関連産業の発展を目的としている。今年は6回目の開催で、地図や測量、衛星測位システム、GIS(地理情報システム)などに加えて、IoT機器やVR機器、ウェアラブル機器、屋内測位、ドローンなどの最新技術や関連機器・サービスが多数出展されている。
展示コーナー入り口付近の「メッセージゾーン」では、屋内測位とIoTをテーマにした実証実験が、特定非営利活動法人位置情報サービス研究機構(Lisra)の協力により行われている。昨年も行われていたBLEビーコンやWi-Fiによる屋内測位に加え、今年はUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)を使った屋内測位による屋内測位も実施している。また、会場内に配置したセンサーからのデータ収集なども行われている。
参加者向けには、「きのこたけのこ対抗スタンプラリー」というイベントが行われている。ビーコンやIoTセンサーを首からかけて、頭にはUWB用の受信機を付けた帽子を被り、スマートフォンに表示された屋内地図を見ながらスタンプを取得していくと、ブースで景品(お菓子)と引き替えてくれる。Lisraはこうして収集したデータを使って屋内測位に関するさまざまな検証を行っていく方針だ。
「メッセージゾーン」ではこのほか、「NAVITIME for Japan Travel」利用者のGPS測位データをもとに、個人が特定できないよう市区町村単位の移動経路に変換を行い、3~27時の24時間以内の移動経路として可視化した「Round Trip Analyzer」が展示されている。地図上の各都市を選択すると、移動経路が分かりやすく表示される。
また、日本科学未来館とその周辺を実験フィールドとして、空間情報を使った新サービスを生み出すための仕組み作りに関する共同研究(ミュージアムでのマルチステイクホルダ参加型サービス創出プラットフォーム)を紹介している。同プロジェクトは、日本科学未来館と慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(神武直彦研究室)の主催によるもので、同プロジェクトの最初のステップとして行ったアイデアソンやハッカソンに関する報告やデモを実施している。
展示会では、準天頂衛星などの紹介が行われている「宇宙衛星ゾーン」にて、三菱電機株式会社が開発した、準天頂衛星システム(QZSS)のL6信号に対応した実証用端末「AQLOC」の展示が行われている。L6信号はセンチメートル級の測位を可能にするもので、既存のGPSに比べて大幅に高精度なナビゲーションが可能だ。また、マゼランシステムズジャパン株式会社もL6信号を受信できる受信機の基板を展示していた。
国土交通省の「高精度測位社会プロジェクト」のブースでは、11月30日から提供開始予定のアプリ「ジャパンスマートナビ」の紹介が行われている。同アプリは、屋内外シームレス測位サービスの実証実験として一般公開されるiOS/Androidアプリで、今年度は東京駅周辺、新宿駅周辺、成田空港、日産スタジアムの4エリアの屋内電子地図上でナビゲーションなどを利用できる。提供期間は2017年2月28日まで。
株式会社フォーラムエイトのブースでは、3Dシミュレーションソフト「UC-Win/Road」とOculus Riftを使ったバーチャルリアリティの体験コーナーを利用できる。VRヘッドセットを装着して自動車のハンドルを握り、アクセルペダルを踏みながらVRを体験できる。
このほか、会場の一画では、映像を見ながらドローンのフライトを体験できる「UAVフライトシミュレータ体験コーナー」が設置されて、子供から大人まで幅広い人が楽しんでいた。