イベントレポート

page2017

フォントベンダー各社、新作からおなじみ、絵文字セットまで、多彩なフォント群を展示、印刷メディアビジネスの総合イベント「page2017」

 30回目を迎えた印刷メディアビジネスの総合イベント「page2017」が、サンシャインコンベンションセンター(東京都豊島区)で2月8日から10日まで開催されている。会場では、フォントベンダー各社が展示を行っていた。

 ダイナコムウェア株式会社では、1月に発表したゴシック体の新フォント「金剛黒体」を展示。6ウェイトが用意されており、同社が年間ライセンスで提供する「DynaSmart」にも収録される。日本語のほか、中国語繁体字・簡体字、韓国語、ラテン語、ヒンディー語、ヘブライ語、アラビア語、タイ語、ベトナム語の各言語に対応。今後は、ミャンマー語やベンガル文字などの言語にも対応していく。

ダイナコムウェアのゴシック体フォント「金剛黒体」

 Monotype株式会社では、同社が初めて開発したオリジナル日本語フォント「たづがね角ゴシック」を展示。英字には欧文フォント「Neue Frutiger」をそのまま採用。これとマッチするデザインで日本語フォントを開発したという。サイズも調整されており、欧文と日本語のフォントを組み合わせて利用する場合に必要となるサイズやベースラインの調整は不要だ。Neue Frutigerと同様、10ウェイトが用意されている。

Monotypeのゴシック体フォント「たづがね角ゴシック」と、フォントをデザインした同社シニアタイプデザイナーの山田和寛氏

 フォントワークス株式会社が展示していたオリジナルの絵文字フォントは、Unicode 9.0で追加された絵文字にも対応しており、1788文字のカラーグリフを搭載するフルセットの絵文字フォント。来年には提供される見込みで、Windows、Mac(iOS)、Androidでの利用が可能になる。また、同社では2016年11月より提供を開始したエヴァンゲリオン公式フォント「マティスEB」の展示も行っていた。

絵文字フォントはUnicode 9.0で追加された72の絵文字にも対応
マティスEBの購入者向け限定冊子も展示

 株式会社モリサワでは、商用印刷物をはじめとして幅広く利用されている年間ライセンス「MORISAWA PASSPORT」などで利用できるフォントを展示。「リュウミン」「新ゴ」「ヒラギノ」といったおなじみのフォントに加え、「タイプバンク」、「昭和書体」といった日本語フォント、欧文、中国語、韓国語など多言語のフォント全1000書体以上が利用可能だ。

 株式会社モトヤでも、年間ライセンス「モトヤLETS」や、通常ライセンスで利用できるフォントを展示。マピオンやゼンリンの提供する地図サービスには、同社のUDフォントが採用されている。さらに、新聞や辞書などの印刷物、ゲームソフトなどに、幅広く利用されているという。