パナソニック、近く発売の電子書籍端末「UT-PB1」展示、楽天がコンテンツ販売


 「国際電子出版EXPO」のパナソニック株式会社のブースでは、開発中の電子書籍端末「UT-PB1」を参考出品し、電子書籍ストアを提供する楽天株式会社と共同で展示を行っている。楽天の電子書籍ストアは8月上旬にコンテンツ販売を開始する予定としており、パナソニックの電子書籍端末も同時期に発売される見通し。

パナソニックの伊藤正男氏(中央)と楽天の鈴木尚氏(右)パナソニックのブースに参考出品されている、今夏発売予定の電子書籍端末「UT-PB1」

 UT-BP1は、7インチ(1024×600ドット)のTFT液晶を搭載した電子書籍タブレット端末。重量は400gで、デュアルコアCPUを搭載。通信モジュールは無線LANを内蔵する。書籍のフォーマットは現時点ではXMDFに対応しており、今後はドットブックやEPUB3への対応も計画しているという。

 また、参考出品されている端末はAndroid 2.2を搭載していたが、実際の製品仕様などについては未定。端末にはブラウザーなど16種類のアプリが搭載されるが、ユーザーがアプリを追加することはできない仕様になるという。

 楽天では、「楽天ブックス」と連携する電子書籍ストアを、UT-BP1向けに提供。電子書籍ストアは、楽天市場での買物と同様に楽天IDを使って電子書籍が購入でき、楽天スーパーポイントの利用も可能。楽天ブックスの売れ筋ランキングや特集などをブックストアに自動配信し、人気や話題の本をチェックできる機能を提供する。ランキングなどはネットワーク接続時に自動的に更新されるため、オフラインでも閲覧できる。

 端末には600冊の電子書籍が「チラ読み」書籍としてプリインストールされており、書籍の内容の一部を読むことができ、気に入った書籍はストアで購入できる。

書斎の机をイメージした「マイデスクトップ」の画面電子書籍の閲覧画面

内蔵の各種アプリも利用できる16種類のアプリを内蔵。アプリの追加はできない

600冊の電子書籍を「チラ読み」用としてプリインストール楽天ブックスのランキングなどを自動配信

デュアルコアCPUを搭載「マイデスクトップ」画面では読みかけの本やおすすめの本などを表示する

 パナソニック株式会社の伊藤正男氏(AVCネットワークス社 事業開発センター 事業推進第一グループ 市場開発室 室長)は、「本と出会う楽しみ、本を見つける楽しみ、書店に行って本を探すような体験ができる端末を目指し、楽天のサービスと一体となって読書を楽しめる端末を鋭意開発している」とコメントした。

 楽天株式会社の鈴木尚氏(取締役 常務執行役員)は、「昨年の秋ごろに、パナソニックから一緒にやらないかと声をかけていただいた」として、「我々が意識しているのは当然AmazonやKindle。楽天ブックスはAmazonには及ばないが国内2位の存在。電子書籍への取り組みの第1弾としてパナソニックにストアを提供することが、Amazonに対抗出来る一番の近道だと考えている」と語った。

 パナソニック、楽天、ソニー、紀伊國屋書店の4社は、6月13日に電子書籍ストアの相互接続など共同の取り組みを行うことを発表しており、楽天も今後はパナソニックに続き、ソニーの端末にもストアの提供を計画していると説明。ただし、ソニーのReaderは電子ペーパー端末のため、書籍のラインナップはパナソニック向けのストアとは一部異なるものになるだろうとした。


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(三柳 英樹)

2011/7/7 14:56