リンク集
位置情報と連動! GPS活用サービス最新動向
高性能スマートフォンの普及を背景に、GPSを活用した位置情報系サービスがその存在感を高めている。これまでもPCやケータイで地図を見るサービスはあったが、それに加えて、自分が現実にいる場所をソーシャルメディア経由でアピールしたり、付近の店舗を検索したり、ゲームに利用するといった行為が一般化しつつある。
これらのサービスは比較的新しい概念ということもあって、その総称については定説を見ないが、近年は「ジオメディア」「GIS」などと呼ばれることが多いようだ。またゲーム分野に限定すれば「位置ゲー」という呼称がかなり定着している。どんなサービスが実際に提供されているか、チェックしていこう。
●お出かけ先で“チェックイン”! 位置情報とSNSの連動サービス
位置情報サービスの中でも近年特に増えているのが“チェックイン”という考え方だ。出かけた地域、あるいは特定の店舗周辺でモバイル端末を操作し、GPSで取得した正確な位置情報をもとに、その場所に行ったことを証明できる。
このチェックインに対しては、何らかの特典が用意されていることが多い。利用実績を示すシールやバッジのようなものがサービス内で表示できるようになったり、店舗チェックイン者に対して割引クーポンを発行する仕組みもかなりポピュラーになった。
もちろんチェックインという概念を利用しないサービスも多い。よりシンプルに緯度・経度的な情報を伝えたり、友人の場所を把握しあうのが目的の場合もある。それぞれ、運営会社の理念が現れていて興味深い。いろいろ使い比べてお気に入りの1本を見つけよう。
◆foursquare
https://ja.foursquare.com/
国際的にも知られる位置情報サービス。2009年3月、米国でまず開始された。日本語対応もかなり進んでいる。iOSやAndroid端末向けにリリースされている専用アプリを使うと、お出かけ先の飲食店や名所などで“チェックイン”ができる。そのデータは履歴化され、foursquare内外のフレンドと共有したり、比較して楽しめる。
◆ロケタッチ
http://tou.ch/
お出かけ先の店舗に“タッチ”することでその記録が残せるだけでなく、さまざまな“シール”がもらえるサービス。シールの種類は膨大で、レアリティの概念などもある。iPhone、Androidなど各種スマートフォンのほか、フィーチャーフォンからも利用できる。
◆Twitter ヘルプセンター スマートフォンでツイートに位置情報をつける
https://support.twitter.com/groups/34-apps-sms-and-mobile/topics/171-twitter-s-mobile-website/articles/20169488-
foursquareやロケタッチの利用記録は、Twitterへ投稿できる。一方、Twitter単体でも位置情報の表示は可能だ。ただし店舗へのチェックインであったり、シールをコレクションするといった要素はない。位置情報の付与操作自体は非常に簡単。また、各種のTwitterクライアントアプリでも同様に利用可能だ。
◆Facebook 今いる場所を共有
https://www.facebook.com/about/location
FacebookのPC版では、現在いる場所だけでなく、かつて出かけた場所、これから行く場所など、さまざまな位置情報を任意に検索して、投稿することができる。GPSとは直接連動しないので、より気軽に利用できるだろう。
◆Yahoo!ロコ
http://loco.yahoo.co.jp/
ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」が提供している地域情報サービス。地図の閲覧に加え、周辺のお店や、その口コミ情報などの検索が行える。また「キープ」という一種のお気に入り機能があり、気になる店をキープしておくと、その一覧をお出かけ先でモバイル端末から閲覧したり、第三者に公開するといったことが可能。
◆Google+ での Latitude チェックイン
http://www.google.co.jp/support/mobile/bin/answer.py?answer=1378689
http://www.google.co.jp/support/mobile/bin/answer.py?answer=1138301
http://www.google.co.jp/mobile/latitude/
Googleの地理系サービスと言えば「Google マップ」が思い浮かぶが、一方で「Google Latitude」という位置共有サービスも展開中。最近になって本格提供が始まったソーシャルサービス「Google+」とも統合されている。施設へのチェックインができるだけでなく、自分の位置情報をリアルタイムに公開することも可能。プライバシー設定に注意した上で、利用してみよう。
◆mixi チェック
http://mixi.jp/promotion.pl?id=37
「mixi チェック」自体は、いわゆる「いいね!(Facebook)」的な機能。mixi チェック用ボタンが設置されているサイトでそのボタンを押すと、mixi本家サイトで履歴が公開される。対して「mixi チェックイン」がモバイル版限定で利用できる位置情報系のサービスとなっている。
◆はてなココ
http://c.hatena.ne.jp/
自分が今いる場所を「イマココ」として公開できるサービス。フィーチャーフォンのほか、iPhone、Androidからも利用可能。Twitterやmixiへの自動投稿機能も備えている。
◆ナカマップ
http://nakamap.com/ja
「女子会向け」を謳う位置情報サービス。フィーチャーフォン、iPhone、Androidいずれからも利用できる。基本的には友人間チャット用のツールだが、お互いの位置情報を地図上で確認することが可能。
◆アップル 「友達を探す」と「iPhoneを探す」
http://www.apple.com/jp/icloud/features/find-my.html
アップル純正のiOS用アプリは多数あるが、中でも「友達を探す」はソーシャル要素と位置情報をフル活用したもの。基本的には、あらかじめ許可した友人との間でのみ位置情報を公開できるサービスだが、1日限定で許可したり、普段は非公開にするといった運用も可能だ。
◆au Smart Sports Run&Walk
http://run.auone.jp/
auの携帯電話向けサービス。フィーチャーフォン時代から長らく続いているが、スマートフォン対応などの機能強化を着実に果たしている。GPSで計測したウォーキングやランキングの履歴をTwitterなどにアップロードしたり、走行量に応じて貯まるポイントでプレゼントに応募することが可能。
◆NIKE+ GPSアプリケーション
http://nikerunning.nike.com/nikeos/p/nikeplus/ja_JP/products/gps_app
走行距離やルートの自動計測に対応したiPhone用アプリケーション。友達を誘って「Tag」と呼ばれるゲーム機能にチャレンジしたり、Facebook経由でフレンドから声援をもらうといった各種の交流機能が用意されている。
●店舗と連動、今いる場所のオトク情報を探そう
近年、ネットユーザーをリアル店舗へ誘導する概念として「O2O(Online to Offline)」という用語が度々用いられるが、位置情報サービスはこの実現にも有効だと考えられる。グルメ情報サイトや割引クーポンサイトなど、実際の店舗への集客を支援するサービスでは、すでに導入が加速しているようだ。これらの具体的な利用例を見ていこう。
◆RecoCheck
http://recocheck.jp/
リクルート運営のサービス。iPhoneおよびAndroid用のアプリとして提供されており、周辺の施設検索や口コミの投稿が行える。また、リクルートのその他サービスと連動しており、クーポンなども取得できる。
◆ホットペッパー グルメ iPhoneアプリのご紹介
http://www.hotpepper.jp/doc/howto/iphone.html
上記「RecoCheck」にもクーポン情報を提供しているグルメサイト。単独でもiPhoneアプリを公開しており、例えば「現在地周辺の焼肉店、予算5000円以内」といった条件で店舗の絞り込みが行える。
◆Facebookチェックインクーポン
https://www.facebook.com/deals/checkin/
Facebookの位置情報機能はすでにご紹介したが、さらにスマートフォン版では、店舗オーナーなどが設定した“スポット”の情報へチェックインすることが可能。この際、クーポンを発行してもらえるケースがある。
◆「Tサイト&Tポイント」の無料アプリが登場!
http://tsite.jp/r/app/
ツタヤ各店に加え、コンビニやガソリンスタンド、ファミレスなどで使える共通ポイントサービス「Tポイント」。スマートフォン用に関連アプリ2種類をリリースしているが、「Tポイント アプリ」には、日替わり・期間限定クーポンを検索する機能が搭載されている。
◆イマナラ!
http://imanara.jp/
有効期間・発行時間限定の“時限クーポン”を取得できるサービス。PCからも利用できるが、携帯電話サイトや専用スマートフォンアプリからは現在地周辺のクーポンを簡単に探せる。お気に入り店舗を登録しておけば、発行中のクーポンの概要をチェックすることも可能だ。
◆ニコクーポン
http://nicocoupon.jp/
ニコニコ動画と連携したクーポンサービス。「ニコIN」というGPSチェックイン機能を核に、勲章やポイントを集めたり、店舗の常連たる「神」に選ばれることを目指すなど、ゲーム的な要素が多数盛り込まれている。
◆ぐるなびNEWタッチ
http://www.gnavi.co.jp/newtouch/
店頭に設置したおサイフケータイ用タッチ端末ないしQRコード表示を活用、メールマガジン受信者に「ぐるなびスーパー『ぐ』ポイント」を付与するというサービス。直接的にはGPSを使わないが、別途リリースされているスマートフォンアプリから現在地周辺店舗検索が可能だ。
◆食べログ
大手グルメ情報サイト。8月にスマートフォン版のサービスを開始し、ブラウザーから直接、位置情報をもとにした店舗検索などが行えるようになった。スマートフォンアプリも別途公開している。
●もっとも身近?! 気軽に楽しめる“位置ゲー”
位置情報サービスは、ゲーム分野でも積極的に導入が進められている。チェックインした物件の数や、移動距離を争ったりする要素が盛り込まれており、通勤・通学による移動そのものを楽しみに変える効果が人気のようだ。なお、多くのゲームは無料でスタートできるが、特典を受けるために現金が必要となるケースもある。
◆コロニーな生活
http://pc.colopl.jp/pages/wl/welcome.html
「位置ゲー」の商標を保有する株式会社コロプラによるサービス。お出かけ先、あるいは移動中に「位置登録」を行うと、移動距離や地点に応じて仮想通貨が貯まったり、アイテムが入手できる。これをもとに、自分のコロニーを育てていこう。
◆ケータイ国盗り合戦
http://kntr.jp/
地図サービスで知られるマピオンが、フィーチャーフォンとスマートフォンの双方に向けて展開中の位置ゲー。日本全国を600エリアに分け、現地に行って端末上から「国盗り」ボタンを押すと、そのエリアを統一した扱いになる。現在は、「城下町」「チャンバラ」などの派生ゲームも各種提供されている。
◆まちつく!
http://www.zynga.co.jp/service/mt9.html
ジンガジャパン(旧ウノウ)が、mixi向けに提供中のゲーム。mixiにログインすればフィーチャーフォン、スマートフォンで楽しめる。位置情報の登録により、例えば京都府に赴いた際に金閣寺のアイテムが買うといったことが可能。
◆ゆめみ、「MyTown」日本版をiPhoneで提供開始、大手12社も参画(プレスリリース)
http://www.yumemi.co.jp/news/20111101a.html
米国で人気という位置情報連動型ゲーム「MyTown」。11月1日に、日本オリジナル仕様版の提供が開始された。企業とタイアップしており、チェックインするとその企業関連の建物アイテムを購入したりできる。
◆ハンゲーム スマートフォンで遊ぶ
http://smartphone.hangame.co.jp/
PCやケータイ向けのゲームサイトとしておなじみ。近年はスマートフォン向けにもコンテンツを提供。「リアゲー」という名称で、カメラ機能を利用した拡張現実ゲームを多数公開している。首都圏では、移動先でモンスターとバトルする「乗換戦記バトステZ」を提供中。
◆犬わんグランプリ
http://local.goo.ne.jp/info/inu/
ポータルサイト「goo」の地域情報サイトで提供されている、フィーチャーフォン向け位置情報ゲーム。その名の通り、犬のしつけやドッグレースを楽しむことができる。移動距離に応じて貯まるポイントをもとに、愛犬を育てよう。
(2011/11/11)
[森田 秀一]