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サービスエリア拡大競争に突入? 公衆無線LAN(Wi-Fi)の今
(2013/6/7 06:00)
安価な街中インターネット接続サービスを実現するためのインフラ「公衆無線LAN」が、今急速な勢いで拡大している。駅やカフェといった定番スポットはもちろん、最近はコンビニ、公共交通機関の車両内でも導入例が増加。加えて、実質無料で使えるサービスも少なくない。ぜひ上手く使いこなしてみよう。
無料&実質無料で使える公衆無線LAN
公衆無線LANサービス増加の背景には、携帯電話の通信ネットワークが逼迫しつつあるという事情がある。本来なら3G通信で流れるデータを、無線LANへ逃がす(オフロードさせる)ことで、正常な通信環境を維持する───。携帯電話会社が公衆無線LANを推進する理由はまさにそこだ。
こういった事情はさておき、一般ユーザーから見た場合、ノートPC、携帯型のゲーム機や音楽プレイヤーなど、3G通信機能のないデバイスでネットを使える場所が増えることは、大歓迎だろう。まずはその中でも特に敷居の低い、完全無料ないし条件付き無料で利用できる公衆無線LANサービスから見ていこう。
docomo Wi-Fi
http://www.nttdocomo.co.jp/service/data/docomo_wifi/
NTTドコモが展開する公衆無線LANサービス。携帯電話契約のオプションという位置付けで、月額料金は315円。ただし、パケット定額サービスへの加入などを条件に、料金が無料となる特典を設けている。全国10万7300エリア(アクセスポイント数12万9100)で利用可能。なお、割り当てられたアカウントをノートPCなどで利用できるなど、全体的にサービス汎用性が高い。IEEE 802.11nへの対応やセキュリティ向上など、通信機能そのものの強化にも取り組んでいる。
au Wi-Fi SPOT
http://www.au.kddi.com/mobile/service/smartphone/wifi/wifi-spot/
au利用者向けの公衆無線LANサービスは、スマートフォン/タブレット向けのパケット定額サービス加入を条件に、無料で使える。また、該当のau端末に加え、さらにもう1台まで追加利用できるのが大きな特徴だ。
ソフトバンクWi-Fiスポット
http://mb.softbank.jp/mb/service_area/sws/
アクセスポイント数30万超を謳う。「お父さん犬」イラスト入りステッカーが明示された場所のほか、「BBモバイルポイント」(後述)対応エリアでも利用可能。月額料金は490円だが、各種無料化施策を準備する。日額490円で、端末を問わずに接続できる「ソフトバンクWi-Fiスポット(EX)」というプランもあるが、利用可能エリアが一部制限される。
UQ Wi-Fi
http://www.uqwimax.jp/service/price/option01.html
UQ WiMAX利用者向けの追加サービスで、オプション料金は不要。サービスエリアはそれほど広くなく、東海道新幹線車内、都営地下鉄駅構内、空港公共スペースなどに限られる。ただし、同じく無料の「UQ Wi-Fiワイド」に申し込めば、さらに「Wi2 300」対応の約7万エリアでも利用可能になる。
セブンスポット
http://webapp.7spot.jp/
セブン-イレブン、デニーズ、イトーヨーカドーなど、セブン&アイグループ各店で展開中の無料公衆無線LANサービス。SSIDとして「7SPOT」を用意しているが、そこに接続した上でさらにウェブ認証を行う必要がある点に注意しよう。
LAWSON Wi-Fi
http://www.lawson.co.jp/ponta/static/wifi/
大手コンビニチェーン「ローソン」の店頭で利用できる。共通ポイントカード「Ponta」所有者向けサービスとなっており、さらに専用のスマートフォンアプリを立ち上げることでネット接続できるという、独特の仕様になっている。このため、ノートPCや携帯ゲーム機からは利用できない。
ファミリーマートのWi-Fi無料インターネット接続
http://www.family.co.jp/services/famimawi-fi/
ファミリーマートが5月28日に開始したばかりの新サービス。これにより、国内コンビニ三強すべてが独自の公衆無線LANを立ち上げたことになる。SSID「Famima_Wi-Fi」に接続すると、専用ページにリダイレクトされ、そこで認証を行う。PCからも接続可能。ただし、1回あたり20分、1日3回までの利用制限がある。
FREESPOT
http://www.freespot.com/
株式会社バッファローを主幹事とする「FREESPOT協議会」が運営中のサービス。メールアドレス認証を行えば、あとは無料で無線LANを利用できる。公共施設、ビジネスホテルのフロント周辺、ネットカフェなどでの導入例が比較的多いようだ。
fon
http://www.fon.ne.jp/
http://www.softbank.jp/mobile/support/fon/
スペイン発祥の公衆無線LANサービス。自宅にfon対応ルーターを設置し、他のユーザーにネット接続を開放する代わりに、自分自身もその他のfon対応スポットが利用できるという仕組み。機器購入代以外は原則として無料。また、ソフトバンク携帯電話契約者向けにfon対応ルーターの提供も行われている。
at_STARBUCKS_Wi2
http://starbucks.wi2.co.jp/pc/index_jp.html
飲食店・小売店自身が、顧客サービスの一環として公衆無線LANの導入をアピールする例も近年相次いでいる。コンビニと並んで、大手カフェチェーン「スターバックスコーヒー」での大規模導入(全国約850店舗)もその代表例と言えるだろう。ユーザー登録を行えば利用は無料。利用可能店舗はこちらのページから検索できる。
紀伊國屋書店Wi-Fi
http://www.kinokuniya.co.jp/contents/pc/wi-fi/
紀伊國屋書店の店頭で利用できる公衆無線LANサービス。電子書籍ストア「Kinoppy」の利用を想定しているという。2012年11月時点では6店舗で利用可能。
全国のすかいらーくグループの店内で快適インターネット(プレスリリース、PDF形式)
http://www.skylark.co.jp/company/news/pdf/2012/120717.pdf
「ガスト」「バーミヤン」などのファミリーレストランを全国展開するすかいらーくでは、公衆無線LANの導入にあたって、auとタッグを組んでいる。2012年7月の発表時点で900店に「au Wi-Fi SPOT」が導入済みという。
みずほ銀行・みずほコーポレート銀行における公衆無線LANサービスの提供開始について
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2012/12/17_00.html
最近は銀行がサービスエリア化される例もあるようだ。みずほ銀行とみずほコーポレート銀行では、docomo Wi-FiおよびソフトバンクWi-Fiスポットが全店で利用できるようになった。
東京メトロの駅構内無線LANを活用した情報配信サービス「MANTA」の実施について
http://www.ntt-bp.net/articles/news/?p=120
地下鉄の東京メトロが、NTT-BPと協力して実証実験中のサービス。iOS/Android向けに提供されている専用アプリで、駅構内のアクセスポイントに接続すると、時刻表などが閲覧できる。また、時間・回数制限付きながらインターネットにも接続可能。
エキLANスポット
http://www.jr-odekake.net/railroad/service/ekilan/
JR西日本の駅構内で利用できる公衆無線LANサービス。主要な事業者が相互乗り入れをしており、docomo Wi-Fiなど合計5つのサービスに対応している。料金や利用条件も、各事業者のサービス体系に準じる。
六本木ヒルズ 無線LANサービス
http://www.roppongihills.com/guide/service/wireless_lan_service.html
http://info.roppongihills.com/sp/faq/detail/187
東京・港区にある大型施設。公式ウェブサイトでは、無線LANスポットを具体的に明示した地図(PDF形式)も配信中だ。主要4事業者のサービスが利用できるだけでなく、独自の「Hills Wi-Fi」も無料提供中という。
ICTを駆使した新しいサービスの提供に向けて イオングループとソフトバンクグループが協業(プレスリリース)
http://www.softbanktelecom.co.jp/ja/news/press/2013/20130307_01/
流通大手のイオンでは、ソフトバンクグループと提携して6月から公衆無線LANサービス「AEON Wi-Fi(仮称)」をスタートする予定。来店客向けに広告やクーポンをプッシュ配信するという。なお、既存の公衆無線LANスポットについては、機能統合する方針も示されている。
N700系でインターネット接続サービス開始!(JR東海)
http://railway.jr-central.co.jp/wireless/
運行中の鉄道車内での公衆無線LAN対応も進んでいる。国内でその嚆矢となったのが新幹線だろう。N700系新幹線の東京-新大阪間で利用できる。各公衆無線LAN事業者が提供するアカウントをそのまま使うため、料金などもそれぞれ異なる。
スカイライナー車内及び一部駅で公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」「Wi2 300」を導入(プレスリリース、PDF形式)
http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/121213_01.pdf
京成電鉄によるプレスリリース。2012年12月から、成田空港へのアクセス路線として知られる「スカイライナー(AE形)」の車両内で、au Wi-Fi SPOTなどが利用できるようになった。今後、一般車両でも導入予定という。
Lions Wi-Fi
http://www.seibulions.jp/news/detail/7455.html
プロ野球・埼玉西武ライオンズの本拠地である西武ドームでは、2013年シーズンから無料の公衆無線LANサービスを開始した。リアルタイムでの試合情報に加え、インターネット接続も利用できる。専用のSSIDは「Lions Wi-Fi」。
Fukuoka City Wi-Fi
http://www.city.fukuoka.lg.jp/wi-fi/
公衆無線LANの拡大を印象づける、もう1つの要素が「観光客向け」だ。福岡市では、自治体と民間企業が協力して61拠点にサービスを導入した。海外から来る観光客へのサービスが第一義としてあるようだが、国内ユーザーでも問題なく使える。
Wi-fine
http://wifine.jp/
各無線LANスポットに応じた、ローカル情報配信特化型の無料サービス。周辺エリアの地図や、近隣店舗のチラシなどが閲覧できる。インターネット接続機能を利用したい場合は、Wi-fineサービスへの乗り入れを行っている公衆無線LANサービスを別途契約する必要がある。
FC2WiFi
http://wifi.fc2.com/
米国・ラスベガスに拠点を構え、ブログのホスティングサービスなで知られるFC2だが、公衆無線LANサービスにも進出している。店舗オーナーなどに専用ルーターを無償貸与することで、サービスエリアを拡張するという事業モデル。
もっと便利に使うなら! 有料の公衆無線LAN
続いては、有料の公衆無線LANサービスを見ていこう。料金は各事業者とも月あたりおおむね1000円以下。3G携帯電話を契約するよりは、はるかに安い。よく行くお店がサービスエリアになっていないか、一度調べておくといいだろう。
BBモバイルポイント
http://tm.softbank.jp/consumer/wlan/
http://ybb.softbank.jp/public_wlan/
国内でも古参の公衆無線LANサービス。ソフトバンクテレコムの運営だが、外部通信事業者によるサービスエリア乗り入れが幅広く行われている。実際の利用契約にあたっては、プロバイダーを通す必要がある。「Yahoo! BB」で申し込む場合の料金は月額304円。
Yahoo!無線LANスポット
http://wireless.yahoo.co.jp/
BBモバイルポイント対応スポットが利用可能な公衆無線LANサービス。単独で契約でき、月額料金は525円。「Yahoo!プレミアム会員」(月額399円)になっている場合は、210円に割り引きされる。
Wi2 300
http://300.wi2.co.jp/
ワイヤ・アンド・ワイヤレスが展開中のサービス。月額料金は380円。この料金で、独自展開するエリア(Wi-Fiスクエア)とBBモバイルポイントのエリア双方が使える。割高ながらワンタイムプランもある。
OCN ホットスポット
http://www.ocn.ne.jp/mobile/hotspot/
NTTコミュニケーションズがかつて運営していた「HOT SPOT」のサービスエリアを継承。月額525円で、BBモバイルポイントとあわせて利用できる。OCNのサービスをすでに契約中の場合は月額315円の割引プランが契約可能
フレッツ・スポット(NTT東日本)
http://flets.com/spot/
NTT東日本が展開中のサービス。セブン-イレブンなど、セブン&アイグループ各店の無線LANスポットも使える。フレッツ光、フレッツ・ADSLなどのサービスをすでに契約している場合は、月額210円だが、対応するプロバイダーの利用料が別途必要なので注意しよう。また、初期契約料(工事費)などもかかる。
フレッツ・スポット(NTT西日本)
http://flets-w.com/spot/
NTT東日本の公衆無線LANサービスとは区別されているが、料金体系などはほぼ同等。サービスエリアはNTT東西間でローミングが行われている。
eoモバイル Wi-Fiスポット
http://eonet.jp/eomobile/wifi/
関西圏の大手プロバイダー「ケイ・オプティコム」系のサービス。同社のサービスを利用中であれば、月額315円の定額料金で利用できる。サービスエリアは大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山の5府県限定。
ワイヤレスゲート
http://www.wirelessgate.co.jp/
BBモバイルポイント、HOT SPOT、Wi2 300など複数事業者の公衆無線LANサービスを一括利用できるサービス。約4万カ所のエリアで利用できるとしている。月額料金は380円。スマートフォン向けの接続設定サポート用アプリも公開中。
Skype WiFi
http://www.skype.com/ja/features/skype-wifi/
無料通話・メッセージサービス「Skype」のクライアント向けアプリから直接利用できる公衆無線LANサービス。月額制ではなく、実際に接続した時間に応じた従量制を採用する。対応スポット数の多さをアピールしているが、公式ウェブサイトでは実際の料金やエリアを検索できないのが残念。
エコネクト
http://econnect.jp/
月額380円の公衆無線LANサービス。30分間限定の無料インターネット接続を提供する「モビネクト」のサービスエリアを制限なく利用できるほか、BBモバイルポイントとのローミングも行われている。
EM Wi-Fi SPOT byエコネクト
http://emobile.jp/service/emwifi/
イー・モバイル携帯電話利用者向けのオプションサービス。月額380円で、割引プランなどは現在ないようだ。BBモバイルポイントおよびモビネクトに対応した公衆無線LANスポットが利用できる。
JAL SKY Wi-Fi
https://www.jal.co.jp/inflight/inter/sky_wifi/
http://www.ana.co.jp/pr/12_0406/12-ana-onair0625.html
日本航空(JAL)の一部国際線で利用できる公衆無線LANサービス。携帯電話の電波が届かない航空機内でも、インターネット接続できるのは大きな魅力だろう。利用料金は1時間プランが11.95ドル、「24時間プラン」が21.95ドル。なお、ANAでも航空機内Wi-Fiサービスを2013年夏に開始する方針。