リンク集
関東大震災から90年、災害対策をネットで学ぼう
(2013/8/23 06:00)
1923年(大正12年)9月1日、後に「関東大震災」と呼ばれる災害の発端となる巨大地震が、関東地方で発生した。その震災から今年で90年。時代は進歩し、2011年の東日本大震災ではインターネットや位置情報が安否確認や被災状況の把握などで本格的に活用された。現在は、電車の運行情報、ゲリラ豪雨の予報、自然災害では定点観測ウェブ映像などさまざまな情報がインターネットで得られるようになっている。しかし、いざという時どういう行動が取れるかは、日頃の準備や知識が肝要だ。万一の災害時にデマにまどわされないためにも、どこにどういう情報があるかを把握しておこう。
例年、9月1日前後は「防災週間」として、各地で避難訓練や防災イベントが実施される。そこで今回は、災害関連の情報収集に役立つサイトのリンク集をお届けする。災害について、改めて考えるきっかけとなれば幸いだ。
災害情報をいち早く入手
日本は地震が日常的に発生する地域。夏から秋にかけては、台風や局地的豪雨による洪水・土砂災害も頻発する。近年は突発的な竜巻被害への懸念も高まっている。これら災害の予兆や発生状況を知るには、ネットを活用するのが便利だ。まずは省庁、民間の気象情報サイトを見ていこう。
気象庁 防災気象情報
http://www.jma.go.jp/jma/menu/flash.html
気象警報や震度情報はもちろん、台風、竜巻、津波など、防災に繋がる各種気象情報を集約しているページ。ブックマークしておけば何かと便利だろう。
気象庁 地震情報(各地の震度に関する情報)
http://www.jma.go.jp/jp/quake/
上記の防災気象情報ページからリンクしている情報源の1つ。このページにアクセスすると、直近に発生した震度1以上の地震についての情報が表示される。また、国外で発生した巨大地震については「遠地地震に関する情報」として、津波の有無を含めて発表している。
Yahoo!天気・災害 地震情報
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/
ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」が運営する気象情報サービス。普段の天気予報だけでなく、地震、津波、台風、火山など各種の災害情報を伝えている。防災コラム、避難所情報(一部都道府県のみ)も活用しよう。
tenki.jp 地震情報
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/
日本気象協会が運営する防災情報ページ。地震情報については、各地の震度を細かく区分し、衛星画像に重ね合わせているのが特徴。また、台風については、最大気圧や最大風速をコンパクトにまとめつつ、暴風域に入る確率を都道府県単位で発表している。
ウェザーニュース 地震情報
http://weathernews.jp/quake/
ウェザーニュースでは「チャンネル」という単位でコンテンツを分けている。こちらは地震情報だが、右上の「All Channel」ボタンをクリックすることで雨雲レーダー、津波、台風、雷などのチャンネルに切り替えられる。一般市民からも災害リポートを受け付ける取り組みについては「減災チャンネル」にて公開中。
goo天気 地震情報
http://weather.goo.ne.jp/earthquake/
過去3日間に発生した地震の震源、マグニチュード、震度などをとりまとめている。ページ右ペインの「防災情報」からは、気象警報や台風、津波などの発生状況もチェックできる。
東京電力 雨量・雷観測情報
http://thunder.tepco.co.jp/
東京電力の気象レーダーシステムをもとに、関東1都6県および福島、新潟、静岡で雨量や落雷を観測し、公表している。雷については、雲間雷、対地雷の判別も可能。なお、東京電力以外の電力会社も同様の情報を発表しているので、活用したい。
国土交通省 防災情報提供センター
http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/
国土交通省が運営するこちらのサイトでは、速報性を重視した3種類の情報源を用意。そのうちの1つ「リアルタイム雨量」では、全国各地にある雨量計のデータを公開。1時間ごとの雨量・累積雨量をグラフで確認できる。
国土交通省 川の防災情報
http://www.river.go.jp/
大雨は、河川沿いや山間地などにも被害をもたらす。こちらの「川の防災情報」も国土交通省によるサイトだが、雨量だけでなく、河川の水位にも言及しているのが特徴。水位情報の地点別詳細ページは、氾濫注意水位、避難判断水位に達しているかどうかが分かる。
東京アメッシュ
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/
東京都とその隣接県周辺のみながら、降雨の状況を8段階指標でグラフィカルに表示してくれる。計測は5分単位で、情報の反映も速い。また画面下のボタンを操作すれば、降雨エリアの動きをアニメーションで確認できる。
rescuenow@nifty
http://rescuenow.nifty.com/
防災に役立つ情報をひとページにコンパクトにまとめて提供。ページ構成がシンプルなので、スマートフォンからも見やすい。鉄道の運行状況や、停電などについてもチェックできる。
気象庁 緊急地震速報について
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/EEW/portal/
大きな地震の発生を、数秒~数十秒程度のタイムラグで緊急通知するシステムとして、いまやすっかりおなじみとなった。その通知の仕組みについて解説しているのがこちらのページ。いわゆる地震の予知とは異なる点を、みっちり学んでおこう。
Yahoo! JAPAN 防災速報
http://emg.yahoo.co.jp/
iOS/Android用アプリ、あるいはメールで各種防災速報を届ける無料サービス。地震、津波の情報のほか、設定した地域については、豪雨予報、気象警報、熱中症予防情報についても通知してくれる。
リアルタイムナウファス
http://nowphas.mlit.go.jp/
国土交通省港湾局などが共同運用している波浪情報網。全国75カ所に観測拠点を設け、波の高さや周期についてのリアルタイムデータを集めている。基本的には港湾の開発や維持を行う専門家向けの情報源だが、過去の高波・津波についても専門ページを設けているので、参考にしてみよう。
万一に備えて、知識を蓄えよう
災害が発生したとき、自分の身を守るためにどう行動すべきなのか。シンプルながら、難しい課題である。「○○をやれば必ず助かる」といった、わかりやすい手段はない。専門家の解説などを通じて、奢らず、焦らず地道に学んでいくことが重要だ。
なお、本稿で紹介したサイト以外に、自宅や勤務先がある地域の自治体公式サイトをぜひ一度見ておいてほしい。避難所リスト、防災無線放送の実施状況、ハザードマップなど、その地域特有の防災情報が得られるはずだ。
NHK そなえる防災
http://www.nhk.or.jp/sonae/
公共放送局として、災害速報や防災情報の発信に力をいれているNHK。動画解説、コラムなどをこちらのページに集約している。中でもQ&Aは充実の内容。「南海トラフ地震が発生した場合、宝永地震に匹敵する津波が来る可能性はありますか?」など、かなり突っ込んだ質問に対しても、専門家が詳しく回答している。
家族みんなのHonda防災ノート
http://www.honda.co.jp/bosai/
イラストをふんだんに使い、地震や台風、竜巻などについての基礎知識や対処法をじっくりと解説。「家族の防災 6つのルール」のページでは、避難場所や緊急連絡先を決めておく重要性に言及している。
気象庁 気象等の知識
http://www.jma.go.jp/jma/menu/knowledge.html
日常的な気象観測はもちろん、台風、地震、津波、噴火など各種災害の予報技術などについて解説するページ。「天気予報等で用いる用語」「よくある質問集」は特に実用度が高く、一度見ておいて損はないだろう。
気象庁 特別警報が始まります
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/
気象庁では来週8月30日0時から「特別警報」と呼ばれる新しい情報の運用を行う。これは、一般的な警報よりも一段上の緊急度を意味するもの。例として、通常の津波警報は波の高さが1~3mで発表されるのに対し、特別警報は3m超が予測される場合に発表される。より詳しい基準については、こちらの特設サイトを参照してほしい。
政府広報オンライン 災害時に命を守る一人一人の防災対策
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201108/6.html
広く国民向けに、生活や行政についての最新ニュースを届ける。防災関連の情報も多く、こちらのページでは、家具の固定法、地震発生時の身の守り方、ライフライン停止時の対策などをまとめている。
内閣府 防災情報のページ
http://www.bousai.go.jp/
大規模災害発生時、政府がどのような対策に乗り出しているか、とりまとめている。実際に被害を受けた場合に、どのような行政支援を受けられるかについても詳しい。
All About 防災の基礎知識編
http://allabout.co.jp/special/disaster/
さまざまな分野の専門家が独自の観点でまとめた防災ガイド集。「一人暮らしの震災体験と防災対策」「食器収納の防災対策5つの鉄則」など、教科書的な内容よりもさらに踏み込んだ記事も少なくない。
東京都防災ホームページ
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/
東京都の地域防災計画などをまとめている。昼間人口の多さが国内随一の地域ということもあって、特に帰宅困難者対策にも力をいれている。「東京都防災マップ」からは避難所、給水地点などの情報を参照可能。土砂災害警戒区域であるかどうかも分かる。
国土交通省 ハザードマップポータルサイト
http://disapotal.gsi.go.jp/
「ハザードマップ」とは、洪水、高潮、土砂災害、噴火など各種災害の影響範囲を予測し、地図形式で伝えるもの。各地方自治体が、災害要因別に独自作成するケースが一般的だ。こちらのページは、いわばハザードマップのリンク集。地域指定していくだけで、簡単に見つけることができる。
仙台市 津波への備えと対応
http://www.city.sendai.jp/kurashi/shobo/bosai/0023.html
県や市をはじめとした、地方自治体単位での防災情報発信も近年は増えている。こちらは宮城県仙台市の津波対策例。「地震が起きたらまずは避難」など、ごく原則的な情報はもちろん、町域別の避難場所リストも掲載している。
スマートフォン用「江東区防災マップ」アプリを配信します(東京都江東区)
http://www.city.koto.lg.jp/topics/2114/74302.html
http://www.city.bunkyo.lg.jp/sosiki_busyo_bosaianzen_bosai_appli.html
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/guide/guide.asp?n1=130&n2=30&n3=200
地方自治体が防災関連のスマートフォンアプリを公開する例もでてきた。東京都江東区では4月、いったんダウンロードしておけば、オフライン状態でも参照できる防災地図アプリを公開した。文京区、杉並区でも同様の取り組みが行われている。
鹿児島地方気象台
http://www.jma-net.go.jp/kagoshima/
災害情報の収集にあたっては、各地の気象台のウェブサイトも参考にするといいだろう。例えば、鹿児島地方気象台では、8月18日に発生した桜島の爆発的噴火についてレポートをまとめ、公表している。
東京新聞 南海トラフ巨大地震
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/tohokujisin/trough/
http://www.chunichi.co.jp/earthquake/nankai_trough/
東海~四国地方沖の海底に横たわる「南海トラフ(溝)」は、巨大地震の発生源と考えられている。仮にマグニチュード9級の地震が同トラフで発生した場合、死者数の想定は32万人にもおよぶという。東京新聞、中日新聞などでは南海トラフ地震関連の特集ページを設けている。
NTTドコモ 災害用音声お届けサービス
http://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/disaster_voice/
災害時の安否確認策として、これまでは電話(音声)もしくは文字での伝言板サービスが運用されてきた。しかし、緊急時は音声回線が混雑することから、パケット通信網を使って音声メッセージを送受信するサービスが考え出された。ドコモのほか、au、ソフトバンクでも同種のサービスが利用できる。
J-anpi
http://anpi.jp/
携帯電話キャリア別に運用されていた災害用伝言板を、一括検索できるサービス。NTTグループおよびNHKが共同運用している。有事には、報道機関が独自に収集した安否情報なども合わせて検索できるという。
歴史的災害から学ぶ
関東大震災に限らず、日本ではこれまでも多くの大規模災害があった。当時と比べ、生活スタイルや技術レベルが変化したとは言え、学ぶべきことは多いはず。過去の資料を振り返ってみよう。
国立科学博物館地震資料室
http://research.kahaku.go.jp/rikou/namazu/
日本では1880年代の初めごろから、外国人科学者による地震研究が始まったという。こちらのページでは地震研究史の変遷だけでなく、関東大震災を写真で紹介するコーナーも展開。都内各地の被災状況がありありと伝わってくる。
関東大震災 地図と写真のデータベース
http://www.himoji.jp/database/db06/
関東大震災発生当時の地図上に、各地で撮影された震災前・震災後の絵はがき写真を重ねて表示してくれる。1枚1枚の写真が非常に大きく、高解像なのが特徴。操作が若干難しいので、「データベース操作ガイド」も参照しよう。
横浜市 教育委員会 中央図書館 関東大震災
http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/library/shinsai/
関東大震災の被害は東京都内だけにはとどまらなかった。こちらは横浜市中央図書館による特設ページ。横浜周辺の被害域地図や、被災の様子を伝える写真、その他文書などが収蔵されている。
東京都立横網町公園
http://tokyoireikyoukai.or.jp/
東京都墨田区横網二丁目にある公園。敷地内には、東京大空襲犠牲者の追悼碑、関東大震災からの復興を記念した展示施設などがある。今年は関東大震災90周年であることから、9月1~8日にかけて特別行事を挙行する予定。
神戸市 阪神・淡路大震災の記録
http://www.city.kobe.lg.jp/safety/hanshinawaji/
阪神・淡路大震災が発生したのは1995年(平成7年)1月17日のこと。神戸市のウェブサイトには、当時の状況を伝える文書、動画、写真などが残されている。
神戸新聞NEXT 阪神・淡路大震災
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/
地元新聞社による阪神・淡路大震災についての連載記事。震災発生から19年、連綿と更新が続けられており、最近では高齢者の復興公営住宅継続入居問題が取りあげられている。
中越メモリアル回廊
http://c-marugoto.jp/
2004年(平成16年)10月23日に発生した新潟県中越地震。現在は、被災域各地に記念公園や施設が設けられ、これらを「中越メモリアル回廊」と総称している。ウェブサイト「中越災害アーカイブ」からは、地震関連の写真が閲覧できる。
伊勢湾台風50年連絡会
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/18.htm
国内で最も大きな被害をもたらした台風とされる「伊勢湾台風」。2009年は来襲から50周年の節目だったことから、記念行事などが行われた。こちらのウェブサイトは現在も閲覧が可能で、被害のすさまじさを伝える写真が多数。
防災科学技術研究所 カスリーン台風60年企画展
http://dil.bosai.go.jp/disaster/1947kathleen/
1947年(昭和22年)9月初頭、関東地方にカスリーン台風が来襲した。これにより利根川の堤防が一部決壊。最終的には都内まで洪水被害がおよんだという。こちらのページでは河川氾濫のあらましに加え、写真など各種資料も豊富に掲載。