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受信機不要でノイズもゼロ! AM/FMラジオをネットで楽しもう
仕事や勉強の合間にニュースや天気予報をチェック。気分転換をかねて最新の情報を収集しておきたい――そんな時は、テレビを点ける前に、まずAM/FMラジオに耳を傾けてみよう。最新のニュースや天気予報はもちろん、楽しいフリートーク、リスナーの人生相談、頭をほぐしてくれる音楽番組などさまざまな番組を聞くことができる。災害時には、もっとも頼りになるメディアのひとつ。きわめて身近で、かつ実用性の高い情報源。それがラジオの魅力だ。
ラジオの受信には専用の機器が必要だが、いまやその状況も変化した。インターネット経由で一部AM/FM局の番組を地域限定で聞ける「radiko.jp」に加え、NHKラジオもついにネット放送を開始した。電波放送特有のノイズがなく、鉄筋コンクリート建築物の中でも安定して番組を楽しめる。これを契機に、ぜひラジオの世界に触れてみてほしい。なお、後半では、従来型のネットラジオについてもいくつかまとめている。
●NHKもついに参入! ラジオ局の番組をネットで楽しむ~全国&関東編
すでに述べたように、2011年9月の現段階で、すでに相当数の民放ラジオをネット経由かつリアルタイムで楽しむことができる。そして9月1日、NHKもついに番組のネット同時配信を開始した。ネット配信サービスの実施ページと合わせて、これら放送局の公式サイトを見ていこう。また、各局が独自に行っているストリーミングやポッドキャストでの配信にも注目だ。
◆radiko.jp
http://radiko.jp/
2010年3月に実用化試験を開始したAM/FMラジオのサイマル配信サービス。参加各局の番組を、PCもしくはスマートフォンでほぼリアルタイムかつ無料で聴取できるのが特徴。国際的なスポーツ大会など一部の例外を除き、放送とまったく同じ番組、楽曲、CMがそのままネットにも配信される。
一方、都市部における難聴取対策としてスタートした経緯もあり、radiko.jpの利用にあたっては厳密なエリア制限がある。関東圏にいる時は、関東圏のラジオ局の番組のみが聞ける。エリアをまたいでの聴取は不可能。
◆NHKネットラジオ らじる★らじる
http://www3.nhk.or.jp/netradio/
NHKが9月1日にスタートしたばかりのサービス。NHKラジオ第1、NHKラジオ第2、NHK-FMの番組がインターネット経由で楽しめる。ネット環境さえあれば、全国で無料聴取可能。3チャンネルとも全時間帯で「全国向け共通番組」を配信するが、該当番組がない時場合は、ラジオ第1で「関東広域放送」、FMでは「東京都域放送」を行う。ただし、海外からの聴取は不可。
現在はWindowsもしくはMacからのみ利用できるサービスだが、10月をメドにスマートフォン向けの聴取アプリが公開される予定。なお、本サービスのイメージキャラクターとして「らじる」が設定されているが、そのネーミングの由来は「ラジオする。」だとか。
◆TBSラジオ
http://www.tbs.co.jp/radio/
関東圏で放送するラジオ局。前述のradiko.jpでも聞くことができる。多くの番組でポッドキャスト配信を行っており、放送の一部や放送後記的な内容を好きな時間に楽しむことができる。番組によってバックナンバーの保存期間が異なるので注意しよう。また、ストリーミング配信、有料ベースの番組配信サービス「らじこん」もそれぞれ展開中だ。
◆文化放送
http://www.joqr.co.jp/
「ライオンズナイター」やアニメ関連番組の豊富さで知られるラジオ放送局。radiko.jpで聴取できる。また、公式サイトではストリーミングおよびポッドキャストでも番組の一部を配信中。ラインナップも異なるので、詳しくは詳細ページをチェックしよう。
◆ニッポン放送
http://www.1242.com/
「オールナイトニッポン」でおなじみのラジオ放送局。TBSラジオ、文化放送と同様、radiko.jpで番組を聞くことができる。また「Podcasting STATION」という専門ページを設け、ダウンロード型の音声コンテンツ配信を実施中。「鴻上尚史と里田まいのサンデー・オトナラボ Special Edition」は特に更新も頻繁だ。
◆ラジオ日本
http://www.jorf.co.jp/
関東圏で放送を行うAMラジオ局。今年4月からradiko.jpでも聞けるようになった。読売ジャイアンツの野球中継で特に知られる放送局で、同チーム主催試合の実況中継(音声)をUSTREAMでライブ配信する取り組みも行っている。
◆TOKYO FM
http://www.tfm.co.jp/
東京・半蔵門に本社を構えるFM放送局。radiko.jpにももちろん参加している。公式サイトではポッドキャストとWEBラジオの2本立てで一部の番組を配信中。その数30件以上とボリュームたっぷり。
◆J-WAVE
http://www.j-wave.co.jp/
洋楽をふんだんに取り入れたオシャレ感満載の番組はもちろん、「GROOVE LINE Z」といったバラエティー色の強い番組まで多数ラインナップする。ポッドキャストやストリーミングでの番組配信も豊富。また、津田大介氏が司会を務める火曜20時からの「JAM The World」では、USTREEAM配信も実施中だ。
◆InterFM
http://www.interfm.co.jp/
都内23区および横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市を含む首都圏向けに放送を行っているFM局。洋楽中心で、放送する言語の90%が英語。その他5カ国語でも番組を制作している。ネット向けの配信はradiko.jpが中心で、ポッドキャストはほとんど行われていないようだ。
◆bayfm
http://www.bayfm.co.jp/
千葉を拠点に放送するFM局。radiko.jpへの参加は2011年4月から。公式サイトでは、独自のインターネット配信を多数実施中。坂本真綾の「ビタミンM」など30種類近い番組がラインアップされており、エリア制限なく、好きな時間に番組を聞くことができる。
◆FM NACK5
http://www.nack5.co.jp/
埼玉県域を中心に放送中のFM局。radiko.jpで聴取可能になったのは、やはり2011年4月から。ポッドキャスト番組も豊富で、NACK5の聞きどころを週単位で告知する「WEEKLY NACK5」など9番組を配信中だ。
◆Fm yokohama
http://www.fmyokohama.co.jp/
その名の通り、横浜を拠点に関東圏向け放送を行うFM局。radiko.jpを利用すれば埼玉や千葉からでも安定的に聴取することができる。地元の話題を伝えるポッドキャスト番組なども充実。なお、関東圏ではここまで紹介した10局以外に、茨城放送、エフエム栃木、エフエム群馬の3局が県域レベルでのradiko.jp配信を行っている。
◆ラジオNIKKEI
http://www.radionikkei.jp/
AMともFMとも異なる“短波”の放送局。株式の取引や競馬関連の番組が多いことで知られる。放送エリアは全国だが、聴取にあたっては短波対応の受信機が必要。PC向けのライブストリーミング配信を独自に行っており、月~金曜の日中はほぼすべての番組が、ラジオNIKKEIのウェブサイトを通じて聴取地制限なしに楽しめる。また、変則的な地域制限付きではあるがradiko.jpでも聞くことができる。
◆radiko.jp 復興支援プロジェクト
http://fukkou.radiko.jp/
東日本大震災復興支援の一環として、4月から約6カ月の期間限定で実施されているプロジェクト。被災地のラジオ局であるアイビーシー岩手放送、東北放送、ラジオ福島、茨城放送、エフエム岩手、エフエム仙台、エフエム福島の合計7局の通常放送を、エリア制限なく全国から聴取できる。被災しながらも東北以外の地域へ避難した人、親類や家族が被災地に残っている人に向けて、より迅速に情報提供する狙いという。
●エリア拡大中のradiko.jp、どこで聞ける?
関東と関西を皮切りにサービスを開始したradiko.jpだが、全国の放送局の参加、さらには全国各地での配信を目指して規模を拡大中だ。本配信・実用化試験配信局合わせると、これまでも関東・関西・中京・北海道・福岡・広島の各地で合計46局の番組を楽しめたが、このほどサービスの強化を発表(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110915_477686.html)。10月3日から静岡・長野・石川・鹿児島の各県でもradiko.jpを聞けるようになる。また、番組配信サイトのリニューアルが同時に行われ、FacebookやTwitterとの連携機能が盛り込まれる。ここからは関東以外のradiko.jp参加放送局をダイジェストで見ていこう。
◆abc1008.com(朝日放送)
http://abc1008.com/
大阪のAM放送局。ネット経由のストリーミングでオンデマンド番組を楽しめる「ウェビオ」、ダウンロード形式の「ポッドキャスト」の2つの形式で音声コンテンツの配信も行っている。1977年から放送している長寿番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」なども一部聴取可能。
◆MBSラジオ(毎日放送)
http://www.mbs1179.com/
こちらも大阪拠点のAM局。radiko.jpのほか、ストリーミング形式のウェブ配信、ポッドキャストでも一部の番組を楽しめる。例えば、平日朝放送の「ありがとう浜村淳です」は、放送内容を約1時間にまとめたダイジェスト版が、当日昼ごろから聞ける。
◆ラジオ大阪
http://www.obc1314.co.jp/
産経グループ系のAM放送局。ネット向けの番組配信はradiko.jpによるものが中心。平日夜のニュース解説番組「News Tonight いいおとな」については、外部サイトである「MSN産経ニュース」で一部の内容を聞くことができる。
◆FM802
http://funky802.com/
大阪で放送しているFM局。ポッドキャスト番組は少なく、「HIRO T'S MORNING JAM」内の「語源の旅」のみの模様。ネットで番組を聞きたい場合は、radiko.jpをフル活用したい。
◆FM OSAKA
http://fmosaka.net/
大阪のFM放送局。radiko.jpを通じて近畿2府4県で聴取できる。「INTERNET RADIO」のページでは、ワールドミュージックの新譜を紹介するネットオリジナル番組が配信されている。
◆ラジオ関西
http://jocr.jp/
神戸市に本社があるAM放送局。radiko.jpには4月に参加したばかりで、配信も兵庫県域のみで行われている。公式ホームページ内の「番組サイト一覧」からは、ネット配信コンテンツの有無が番組ごとに一目でチェックできる。
◆α-STATION エフエム京都
http://fm-kyoto.jp/
7月1日に開局20周年を迎えたFM放送局。「α-Station」の呼称を設けている。同日付でradiko.jpにも新たに参加した。ポッドキャスト番組はほとんどない。
◆hicbc.com ラジオ
http://hicbc.com/radio/
中京地区のテレビ・ラジオ兼営放送局「CBC」のホームページ。今年の3月からradiko.jp経由の番組配信をスタートさせた。「WEBラジオ」のページからは「ゆきねえと考えよう! 親子のキズナ応援ラジオ」などが聞ける。
◆東海ラジオ
http://www.tokairadio.co.jp/
中京地区でradiko.jp経由の配信を行っている放送局は現時点で6社。東海ラジオもそのうちの1つだ。公式サイトでは「コミュファラジオ」と題したネット配信番組の特設ページを公開中。SKE48の動画番組から絵本読み聞かせコンテンツまでジャンルも幅広い。
◆ZIP-FM
http://zip-fm.co.jp/
名古屋市に本拠を構えるFM放送局。愛知・岐阜・三重の3県からはradiko.jpを通じて聴取することができる。YouTubeに公式チャンネルを設けており、名古屋市で開催される催事の告知、オリジナルの短編ラジオドラマなどを配信している。
◆北海道放送
http://www.hbc.co.jp/radio/
北海道地区では3つの放送局が4月からradiko.jpに参加した。その1つである北海道放送は、地元の北海道日本ハムファイターズの野球中継に力を入れており、平日デイゲームなども放送している。ポッドキャストでの番組配信も実施中。
◆RKBラジオ
http://rkbr.jp/
福岡地区の放送局も、4月からradiko.jpへ一斉に参加した。テレビ・ラジオ兼営のRKBでは、ポッドキャスト番組の配信も実施中。音楽バラエティ、料理コラムなど5つの番組が好きなタイミングで聞ける。
◆FM福岡
http://fmfukuoka.co.jp/
その名の通り、福岡のFM放送局。公式サイトではポッドキャストのコーナーを開設中。「森山達也の ROCK’N’ROLL DIVE」「杏子のANTENNA CAFE」などレギュラー更新中の12番組に加え、過去アーカイブ分も聴取できる。
◆中国放送 ラジオ
http://www.1350.jp/
広島地区放送局のradiko.jp参入は7月20日付けで実施された。これにより、AM放送局の中国放送(RCC)がネット経由で楽しめるようになった。なお、広島エフエムの放送も同じくradiko.jpで聞くことができる。
●色々あります! あんなラジオ、こんなラジオ
ここまではAM/FMラジオ局を中心に見てきたが、「ネットで楽しめる音声コンテンツ」はこれだけにとどまらない。専門性の高い特定ジャンル放送局、ローカル性の高いコミュニティFMを全国で聴取できるサービスなどがある。自分の趣味、あるいは聞く時間帯などに応じて聞くチャンネルを変えてみるのも面白いだろう。なお、本項で紹介したサービスはいずれもエリア制限なく聴取できる。
◆OTTAVA
http://ottava.jp/
TBSが運営しているクラシック音楽専門の放送局。これまではデジタルラジオ(地上デジタル音声放送)で聴取できたが、3月31日付でデジタルラジオそのものの実用化試験放送が終了となったため、現在はPC向けの配信が中心となっている。ライブ放送はもちろん、オンデマンド、ポッドキャストなどさまざまなスタイルで楽しめる。
◆超!A&G
http://www.agqr.jp/
文化放送のアニメ関連ラジオ番組ポータルサイト。こちらのページから「超!A&G+」の放送を聞くことができる。アニメ関連番組ばかりを朝6時から深夜まで約21時間に渡って連続放送するチャンネル。こちらもデジタルラジオ向けの配信は終了した。なお、iPhone用聴取アプリは今後月額課金が行われる予定。
◆Suono Dolce(スォーノ・ドルチェ)
http://www.suono.jp/
ニッポン放送が手がけるラブソング専門の放送局。局名はイタリア語で「Sweet Sound」を意味するという。PCに加え、AndroidおよびiPhone向けのアプリを通じても聴取できる。OTTAVAや超!A&G+と同様、デジタルラジオ向け配信は終了した。
◆サイマルラジオ
http://www.simulradio.jp/
全国各地にあるコミュニティFM局の放送を、ネット経由で全国向けに配信しているサービス。現時点で80以上の放送局が参加しており、例えば東京から沖縄県那覇市の放送を聞くことができる。
◆LISMO WAVE
http://www.au.kddi.com/seihin/ichiran/smartphone/app/lismowave/
au製スマートフォンおよび一部フィーチャーフォン向けの有料サービス。全国各地の民放FM放送52局を、エリア制限なく聴取できる。月額料金は315円。W-Fiの併用が前提となるが、動画番組の配信サービスも別途用意されている。
◆音泉
http://www.onsen.ag/
ネット発のラジオ番組のうち、数の面で突出している分野といえば、やはりアニメ関連だ。音泉では、新作アニメの告知番組から声優の冠番組まで、さまざまな番組を配信中。有料会員(初月525円、以後は月額315円)に登録すると、一部番組のバックナンバーも楽しめる。
◆アニメイトTV ウェブラジオ
http://www.animate.tv/radio/
アニメ関連ニュースや本編映像の配信で知られる「アニメイトTV」。「テイルズリング・エクシリア」をはじめ、ネットで聞けるラジオ番組も豊富にラインナップ。「癒されBar若本~」の第3シーズンにあたる「~風のワンダラー~」はこのサイトからも聴取できる。
◆Lantis web radio
http://lantis-net.com/
アニメ・ゲーム関連のソフト出版でおなじみのランティスが手がけるネットラジオ配信サイト。ほぼ毎日、数本の番組が更新されており、聞き応えは抜群。
(2011/9/16)
[森田 秀一]