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LINEアプリの「Letter Sealing」暗号化通信、1対1のトークと通話に加え、グループトークへ拡大

 LINE株式会社は31日、エンドツーエンドの暗号化通信方式「Letter Sealing」を、「LINE」アプリのグループトークおよび複数人トークへ順次適用するとともに、鍵マークを表示してトークルームが暗号化通信の対象か判別できる「Indicator機能」の提供を開始した。

 対象となるグループトークは50人以下のもので、Letter Sealingによる暗号化通信が順次適用されるとともに、Android/iOSアプリはバージョン「6.5」以降、Windows/Macアプリはバージョン「4.8」以降において、対象のトークルームに鍵マークが表示されるようになる。暗号化されるのはトーク内のテキストと位置情報のみとなるが、今後、暗号化の対象を拡大する予定。

 Letter Sealingによる暗号化通信は、1対1のトークでのトーク内のテキストと位置情報について2015年11月8日より適用。さらに2016年7月26日より提供を開始したバージョン6.5からは、1対1の無料通話にも適用されていた。

 LINEアプリにおける発信者の端末からサーバーへの通信およびサーバーから受信者の端末への通信は、RSA公開鍵暗号方式によって従来から暗号化されている。ただし、この暗号化では、サーバー内で一度復号されることになる。

 Letter Sealingによる暗号化では、発信者端末からLINEのサーバーを経由して受信者の端末まで、通信内容がエンドツーエンドで暗号化され、送信者と受信者以外は復号ができない。

 Letter Sealingによる暗号化は、LINEアプリの[設定]-[トーク・通話]に設定項目があり、デフォルトで有効になっている。

 なお、LINEでは、Letter Sealingが適用されたトークの内容は、未読状態のままで機種変更したり、PCなどのサブデバイスからのみ閲覧していた場合には、暗号鍵が変更されてしまい、機種変更後の端末では閲覧できない場合があるとしている。また、機種変更時にPCなどのサブデバイスでも長時間LINEを利用しなかった場合には、その間に送信されたメッセージを閲覧できなくなるため、機種変更時には一時的にLetter Sealingを無効にしておくことで、変更後の端末でメッセージの閲覧が可能になるとしている。

 日本以外の地域では、7月5日にグループトークへのLetter Sealingの適用を行っている。また、8月10日よりIndicator機能が提供されている。